罫線上のカンタータ【電子限定描き下ろし付き】
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罫線上のカンタータ【電子限定描き下ろし付き】

早寝電灯

手紙は方舟なのか…。

ネタバレ
2022年2月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 早寝先生の作品は色々なものがちりばめられていて拾い歩いているうちにレビューがなかなか書けない上に、あれもこれも思ってしまうので結局とりとめのない文章になってしまう…。それでなくても語彙力がないというのに。
でも、お目汚し書きます。

カンタータ。ああ、先生の本当のところは私にはつかめないでいるんですけれどもふたつの恋物語が「ドグマの方舟・岸辺の手紙」を編み込む様にさもなくば輪唱の様に交差して紡がれていきます。私は交互に紡がれていく時間がとても心地よかった。

”手紙”が一つのキーになっているのですが、手紙とは誰かを想って線を引く、冒頭のセリフにあるように言葉(心)を乗せる方舟なのでしょうか。そう思うと手紙にのせたその想いはコギトエルゴズム、どんな想いや迷いがあっても線を引いた自分は本当の自分であって、それを運んで届くという方舟が手紙。なのかな。

方舟は燃やされてその役目を果たせないこともあるだろうし、「岸辺の手紙」の様に時空を超えて届くこともあるかもしれない。
とってもドラマチック…。
1つ目のCPは自分に向いたベクトルが別の人間に向いた時にとても優しく寄り添いながらそして手紙の方舟をうかべます。切なくて優しくて愛おしい。
2つ目のCPは憧れや共感が恋になってゆく。
其々が流した涙が美しくてね。
もう感無量。

手紙、文章を軸にそれぞれの孤独や想いをのせて物語が紡がれていきます。
とても素敵だった…。

先生やっぱり天才かな。
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