同級生[完全版]
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同級生[完全版]

中村明日美子

瞳の強さの、伏せた睫毛の、吸引力よ…

ネタバレ
2022年2月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ ついに手を出してしまった。シリーズ既刊冊数が多いのでずっと二の足を踏んでいたこの大作に…。
ぬるっとした身体の描き方があまりそそられないのと、この2人どーせキスしかしないンでしょっていう腐り切った心で購入に至らなかったのですが、レビュアー様の「『卒業生-春-』のラスト20ページを読むために『同級生』『卒業生-冬-』『卒業生-春-』を買う価値がある」という素晴らしいレビューに後押しされて、長い旅路の第一歩を踏み出してみましたw

いやほんま「キスしかしない」とか言っちゃったこと土下座してお詫びします。キスの尊さを軽んじてました。2人何回もキスするんですが、ひとつひとつのキスのタイミングが、前後の会話が、表情が、可愛いやら美しいやら色気あるやらで、「うわーーー!」って叫びたくなります。(あまりにも外や教室でキッスするのでハラハラするけど)高校時代のあの一瞬の煌めきよ…自分高校時代たいして煌めいたことなかったけど、思春期のなんともいえん高揚感は思い出しました。これがエモいってことか…。

そして、明日美子先生の描く横顔がとても美しいのと、2人がお互いを見つめる瞳に独特の強さがあり、永遠にページを捲っていられるような吸引力があります。この瞳の強さで、あ、これシリーズ全冊読めるな…って予感しました。あと佐条くんの伏せた目の色っぽさな。やらしすぎるわ。

みんな大好きハラセンですが、当て馬と呼んでしまっては失礼になるくらい重要キャラですね。ハラセン視点があるからこそ、同級生で付き合う2人の姿がより輝きを増す。「見つけたん俺が先やん…」てエピがあまりに良かったので、読んでる私もがっつり失恋気分を味わいましたw

フワフワとした心地良い読後感に包まれ、卒業生へ進みます…。
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