COCOON
」のレビュー

COCOON

今日マチ子

想像の繭 ー戦争を怖いと思うことー

ネタバレ
2022年3月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題対象作品。3部作の1つのようですが、ひとまず本作のみ読了です。
凄惨な史実を淡くやわらかいタッチで描かれているため、何とか目をそらすことなく読むことができました。これは、途中で読めなくなったり、ただショックを受けて終わりとならない、心に留めておける、考えることができることに繋がる作風ではないかと思います。
友人が、「反戦を唱えるだけでは思考が停止してしまう」と言い、私は、「えっ」と軽くショックを受けました。「戦争反対」と唱えるだけでは戦争を止めることはできない、止めるために何をするべきかの議論が必要だと。確かに一理ある…。
今も戦争を止めるための議論がされ、攻撃ができなくなるような措置を始めています。その中で、他国の一般市民にできることを自分たちで考え、アウトプットする必要性を友人の言葉から感じました。そうは言っても…が本音ですが、関心を持つことが第一歩目だと思います。
この本に描かれていることを「自分とは関係ない」と思えたらどんなに楽だろうと思います。でも、どんなに望まなくても、戦争は起こりうるものであり、侵略は一方的に始めることができるということを、日々、まざまざと見せられています。ネット環境やSNSの発達により、生の声、生の映像が届く中、情勢への関心は高まっています。声を届けることもでき、その大勢の声が無視できないくらいの力をもつこともあります。
確かに、戦争に対する考え方は様々と言えます。それでも戦争は起こしてはいけないという大前提は揺るぎなく持っていたいです。その心を養うために大切にしたい作品だと思いますし、今後のアウトプットに生かしていきたいと思います。
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