COCOON
」のレビュー

COCOON

今日マチ子

読みホで読める今読むべき話

2022年3月9日
「cocoon」「アノネ、」「ぱらいそ」と続く戦争下の少年少女を描いた三部作。全て読みホです。フォローしてる方々がレビューされていて知りました。いつもありがとうございます。全三作読みましたが、cocoon が一番読みやすくわかりやすいので、もし1作だけ読むなら沖縄戦のひめゆり学徒隊をモデルにしたこの作品をぜひ。
(「アノネ、」と「ぱらいそ」は現実と幻想?夢?がかなり混じりあう展開でメッセージは強く伝わりますが私には少しわかりにくいと感じる所がありました。もちろんアノネ、に関しては原本のアンネの日記が壁の後ろで隠遁生活をおくる恐怖と辛い現実から離れて空想で羽ばたく夢も書いたものなので、日記の趣旨にそっているものなのですが)

きっと沖縄のあの時代にスマホがあったらTwitterで彼女たちの声が聴こえたかもしれない、そんなさざめく日常を送っていた女学校の少女たち。絶え間ない空襲と近づく戦火と共に召集を受け、看護要員としてガマ(洞窟)の病院で絶え間なく送られてくる重傷者の手当て、積み上がる死体の処理を行い、ひとりひとり友人が喪われ、耐えられない現実に白い繭(cocoon)に包まれて見たことのない雪を想う。
痛くて辛くて読後はしばらく動けなかった。「戦争は爺さんが決めておっさんが命令して若者が死ぬ」ある人が言った有名な言葉ですが、過去からずっといまも変わらず悲劇が起ってる。友人の知り合いの大学生が休学して祖国へ帰り従軍すると聞きました。彼のご家族の気持ちを思うとなんて言ってよいのかわからなかった。若い命が消えていく。私たちはどうしたらよいのだろう。
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