愛追うふたり
」のレビュー

愛追うふたり

仁嶋中道

偕老同穴、比翼連理、共に白髪の生えるまで

ネタバレ
2022年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 母親がママ活とな!?と、息子を持つ親として身の置き所をどーしたらいいのか有耶無耶で読み進めてしまいました。
結果、親として泣けて泣けて、おいらの中の腐女子どこいったー?!ってなってしまいました。
気を取り直して再読はフラットな心持ちで読みました。
大丈夫です。
同い年カップルの萌え、たくさんありました!
朝チュンじゃないえちシーンもあります。
………
しかしどこに感動したのか検証するに、やはり「家族」と「親子」に重きがあったのは否めません。
BLでは珍しく、母親の存在がかなり重要になっています。
その上でメインCPが強く結び付いていく様子が情感込めて描かれています。
親は子どもが大きくなったと思うだけで泣けてくるもんです。
そしていつでも子どもの幸せを一等に願っています。
子どもの性癖が許せないのは、自分で括った幸せの範疇に我が子が居てくれない悲しみと苦しさの裏返しかもしれません。
だからって安易に肯定はできませんが、人によって幸せの形が違うのは腐女子が一番知っているはずです。
………
今作は謡「高砂」の相生の松がモチーフだそうです。
攻めくんの名字が「高砂」側でシテ=翁=男役。
受けくんの名字が「住吉」側でツレ=媼=女役。
お母さんが「志帆」で「♪この浦船に帆を上げて〜」から来てて、2人の橋渡し役になってますね。
んでタイトルの「あいおう」は「相生」をもじったのかな?
………
伴侶を定めて共に永く生きる決心をする。
たったそれだけがこんなに感動するのは、いかに難しく努力が必要かを解っているからかもしれません。
架空のお話なのに、2人が末永く共にあらんことと願ってしまう、共感させるチカラ抜群の作品でした。
………
キャラ絵がとてもキレイですよね。
すごく好きなタッチでした。
いいねしたユーザ43人
レビューをシェアしよう!