25時、赤坂で
」のレビュー

25時、赤坂で

夏野寛子

なるほど。全然浮ついてない。

2022年4月6日
有名な芸能界モノなので、軽い感じなのかなーとやや敬遠していました。芸能界モノって、ただでも余分なファンタジー色強い(大人の事情がチラついて、現実との線引きを素直に飲み込めない系のファンタジー)のに、それに輪をかけて漫画というファンタジーなわけですから、なんか没入しきれない感じってありません??私は結構それがあって、そんなに芸能界モノは得意じゃないのです。
でも、この作品はすごく地に足がついていて(作者が地に足つかせようとしているのが伝わる)、芸能界の刺激的な部分にフォーカスをあてるのではなくて、自身の「生業」にいかに真摯に取り組むか、ということが丁寧に描かれています。お仕事BLのジャンルに入れても良いくらいではないでしょうか。
演劇と自分自身、ひいては「仕事と自分の人格」に、20代としてきちんと向き合っている感じがします。
だから全然浮ついてない。「芸能人!素敵!刺激!トキメキ!求むっ!」みたいな感じのとき(そういうときも全然あるよね。笑)にはあんまり刺さらないかもですが、しっかり私たちの人生や、仕事に頑張りたい自分に寄り添ってくれる作品だと思います。人気なのも納得。
いいねしたユーザ16人
レビューをシェアしよう!