センスオブワンダー
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センスオブワンダー

草間さかえ

風がぶわっと吹いたような!

ネタバレ
2022年4月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ワンダーフォーゲルの続編!
導入部から草間先生らしさ全開が嬉しくて笑ってしまいました。
イブさんの壮大な軽口と苦手な空間を何だかんだブルブル震えながら耐える稜。
そうでしたこういうパワーバランスの2人でしたとしっかり思い出させて貰える。
本作では稜の幼なじみゆうと君のお父さんの死の真相と、イブさんの不思議な能力の本当のところが明かされるか?が気になる所。
ですがその真相よりグッと胸に来たのはもっと大きな目線で見た彼らの世界。
所詮他人と言うと語弊があるけど…「別の人間なんだから。」番外編のマリさんのセリフがしっくり来ました。
人との繋がりにおいて感情もそこで生じた出来事も全てが真実でできているとは限らないですもんね、本人が感じた事がその人にとっての真実。
ゆうと君が取り戻した笑顔はしろうくんが居るからで、イブさんが稜の考えていることが分からなくて臆病になっても、稜がイブさんを見る目は何も変わらない。
本人達がそれぞれに感じる幸せが答えだったのかなと。
センスオブワンダー、そういう情緒を持ち合わせた人間、キャラクター達の魅力がこのストーリーを自然と作り上げたそんな印象。
誰一人自分の状況を後悔したり悲観したりしない。複雑に見えた関係も意外と単純でただただ愛しさで出来ていた。
あーーめちゃくちゃ気持ちが良いです!
作品の世界がずっと続いて行くのが見える。
毎回書くけどこの抜け感!けど飽きさせないセンスは流石です。大好きな作品!!
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