このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家さんで、シーモアさんの特集で見かけて購入しました。本作品は表題作のみ全6話+描き下ろしで合計222ページ。モノに名前を付けると生物となって名持ちと呼ばれるようになり、名前のないモノはナナシと呼ばれる、という不思議な世界が舞台。そんな世界で音大生の奏介が、ナナシだけど人型をとるバイオリンと出会って…というストーリーです。すごい独創的でアーティスティックなお話で、よくそんな設定を思いついたなぁと感嘆です。名前を忘れた名持ちは後にナナシに戻る。名前は単なる固有名詞ではなくて、何か魂が宿るような特別なものなんだなぁと。独創的なストーリー展開に加えメッセージ性もあったと思います。絵柄は、立ち方が印象的な某少年漫画風でちょっと濃い感じが苦手かなと思ったんですが、そんなことが気にならなくなるくらい画力がすごい。モノから生物に変わる変移とか絵にすごいパンチ力がありました。そして女の子の下着を付けたバイオリンのビジュアルに衝撃を受けていたら、奏介が腹をくくった後にこれまた衝撃的なビジュアルが。単に絵が個性的でパンチ力があるだけでなく、シュールさとか斜め上な感じも相まってなんかもう全体的に連打された感じで完敗です。そしてもったんの本名に最後の一撃をくらって読了しました。ちなみにバイオリンが攻め。なんかポジションもシュールでした…。ピアノのコスモと長谷川くんのお話も気になるな〜。