花降るふたり【電子限定おまけ付き】
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花降るふたり【電子限定おまけ付き】

ここのつヒロ

感想を醸し続ける作品

ネタバレ
2022年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ リーマンもので黒髪メガネ一途受けくん。
好みの設定で程よい恋愛、エッセンスとして作家モノ、と気持ち良く読みました。
わりとある星4つ作品かな〜と思っていましたが、最終章を読み終えた時点で涙が止まらず、そんな自分に愕然としてしまいました。それが初読時の状態。
今回は長いインターバルを置いて再読の感想です。
………
受けは見たまんまいい人で一途、何事もブレさせず安定した好感の持てるキャラです。
対して攻めは、頭脳明晰で小器用、悪い人物では無いが拗らせて拘らせてゲスも発動、己に忠実、感情豊かetc.…
一見、グチャグチャな複雑キャラでゲスな面が目立ってしまいがちです。
しかし、ひとりのキャラをここまで多面的に捉えたリアル、しかもグチャグチャしている原因がたった一つのトラウマという明快さよ!(幼い頃から面倒臭い片鱗はあったけど汗)
この受けと攻めのキャラの対比が軸となり、緩急となり、物語の重しとなり推進力となっています。
星5つを決定付けたのは、兄の新刊の一説でした。
許される事が苦痛であり続けた攻めへの、本当の意味での救済です。
理由とか何故?とか思う前に、読み手の心にストンと納得した形でハマってしまう。
一冊かけて悶々鬱々とした感情を薙ぎ払ってしまう、素晴らしいエンディングです。
もちろん拗らせた恋愛の成就というタイミング有りきで、受けくんの一途さにも救われたというのが、BLを読んだー!という満足感が大きかったです。
………
修正はホタルで甘めです。
受けくんが期待通りに恥ずかしがりなエロでサイコーでした。
途中のグチャグチャを桜をモチーフにして甘い清涼感を醸し出したのも良かったです。
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