ダーウィン事変
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ダーウィン事変

うめざわしゅん

どう決着をつけるんだろうか。

2022年10月30日
作者さんはどう決着をつけるんだろうか。それが楽しみ。最初に読んだ時は『預言者ピッピ』を思い出した。(ピッピは続きを読める可能性が望み薄なので)恐らく完結まで見届けられるだろうこちらの作品には大いに期待してます。
SF系だと思っていたけれど、思いの外、ガッツリ人間くさい。宗教、倫理観、主義主張、正義と暴力。人間くさくて人間だけが登場人物だったらウンザリするような話を主人公の感性を通して見るのが面白い。
主人公の感性はかなり無機質。主人公本人が無感動なわけではないが、主人公にとって人間は正しく観察対象。観察には観察者の主観や感情は必要ない。無機質に人間を観察する主人公の視点は多いにゾクゾクする。
無機質故にクールに物事に対処する主人公には痛快さがある。見ていてかっこいい。そういう意味でエンタメ性に優れていて単純に面白い。
しかし主人公の冷静さを単純にかっこいいとは思えなくて、かなりゾクゾクする。人間が虫を見るときってこういう目をしてるんじゃないかしら。主人公に対してどうも心を許せない。この感覚はなかなか面白い。
最後の最後まで自分は主人公に心を許したくない笑。最後の最後まで無機質な観察者でいてほしい。いてほしいけれど、作者さんはどう決着つけるんだろうか。楽しみで仕方ない。
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