モノローグ・オン・ザ・リバー【コミックシーモア限定版】
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モノローグ・オン・ザ・リバー【コミックシーモア限定版】

村上キャンプ

郷愁を呼び覚まされてしまうのは何故?

ネタバレ
2023年3月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 次に道頓堀に行ったら絶対思い出すわコレ!なんならその時に涙ぐんでしまうかも知れません。
別れてしまったけれど、まだ好きで、ずっと好きで。
熱く切ないストーリーとテンポ良い関西弁が絶妙にマッチした、心の中心を暖かく震わせる作品でした。

ラジオパーソナリティx放送作家が思い出の地で再会します。
好きな人に振り向いてもらえない苦しさ、でお話が進むのかと思いきや、もっと苦しいのはままならない自分と向き合うことでした。
キャンプ先生の言葉のチョイスや言い回しがふんわり包み込んでくれるかのように優しいです。なので苦しさが刺さって痛くてって感じはしません。
だけど実際は好きな人の傍にいられないほどの苦しさなのだなと。けれどそれを乗り越えられたのも好きな人と一緒に居たいから…ここにさり気なく愛の強さを感じさせられました。

挫けそうだけれど流されそうだけれど小さい自分を振り絞って己と向き合う健気さが、夜の道頓堀川が持つ淀んでいるのに美しい独特な雰囲気に重なります。それが読者の持つそれぞれの心象風景の中で最もノスタルジックな場所にさらに重なって感動を呼ぶのかな…と思いました。(伝えきれない語彙の無さよ)))

細かいところでもかなり萌えさせていただきました。
スナック菓子を箸で摘んで食べるのとか。イケボで耳元で囁かれるのとか。元さやの実感を「ホンマにまた俺の腕の中来てくれたんやなぁ…」と言い表すのとか。作者さま後書きで潮◯き呼びとかww
それにしても関西弁の「アカン…」の爆発力はヤバいですね。
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