ラスト・ノートが香るとき
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ラスト・ノートが香るとき

しゅがーぺろぺろ

匂い立つ作者様の新境地に惹き込まれました

ネタバレ
2023年3月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今回、作者買いだったのだけど、良い意味で裏切られました。絵柄が変わり、画力も向上してて、コマ毎に構図も、ダウナー系蜂×嗅覚ワンコ攻め黒蜂のちょっと何考えてるのか分からない瞳の表現や表情もいい…と、まず絵が魅力的。ストーリーも、人を誘惑してしまう香りを放つ御園が、その秘密を隠すため体臭をリセットする0番の香水を製作しているところにずば抜けた嗅覚の持ち主の調香師が現れ、他人と違って匂いだけに惹かれない様子が気になっていたら、あれよあれよと劇的に!サンプル採取され…って、そこまでするんかーいっ!!と、突っ込まずにはいられない鮮やかな手際と、剥き出しの雄みがエグくてエッチで、誠に良いッ(歓喜)。
この御園の体質、本人の意思と無関係に他人を誘惑してしまう、というところが若干オメガバを彷彿とさせながら、身分差などの問題は生まず、御園と黒蜂2人の秘密として慎重な御園が黒蜂に惹かれる役割を果たすのと同時に、匂い立つような絵柄と相まって、読み手にもどのような香りがしているのか想像させ、そうすることによって世界観に引き込む役割も果たしていると思う。黒蜂はムスクのような香りがするとある一方、御園の香りは、甘くて官能的な香りとあるので、イランイランとかジャスミン系の香りかな?などと想像すると、それが体温や感情で変化してしまう御園が、豊潤な香りを放つ一輪の花のように思えてくる。そして黒蜂はその花をかき乱す蜂のよう。清楚な受けが、乱れに乱される姿のエロさも、前作から引き続き最高!
1巻ラストの黒蜂のセリフ、ひたすら御園の魅惑の香りを引き出したいという好奇心を漂わせているように読めて、自分自身を愛して欲しいと切実に願っている御園の思いとのズレを産みそう。次巻で一波乱起きるの?起きないの?どうなるのおぉぉ?続きが気になる〜〜ってところで終わってるんです。
1巻は匂いで惹かれあった2人が距離を縮める途中までで(が、無茶苦茶エロい)、次巻でミドルノートに変化し、最後は甘々のラストノートに落ち着くところまで見たいです。は〜、見事に進化し、新境地を見せてくれた作者様に感謝感激ですっ(T ^ T)!!
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