オレを知らない今日の君
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オレを知らない今日の君

豚田もこ

タイムリープの本当の理由とは…

ネタバレ
2023年3月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ クラスの人気者・三国×不器用な優等生・小野のお話で、表題作のみ全6話+描き下ろしで合計237ページ。いつも自分にだけ素っ気ない態度の優等生・小野が、先生に襲われているのを偶然目撃してしまった翌日、小野が自/殺してしまったと聞いて…。なるほど、これは高評価も頷けます。小野を救うためにタイムリープを繰り返し、やっと小野の自/殺エンドを回避できたと思ったのに!そういうことだったのか〜と、推理小説さながらの伏線回収があっぱれでした。最初は三国が小野の自/殺を回避しようと奔走しているだけのように見えるんですが、小野の行為には理由があって、後半にかけての小野目線でのエピソードからの巻き返しにびっくりでした。ストーリーそのものの周到さも良いんですが、三国・小野二人の心情描写も丁寧だったと思います。三国が小野のことを意識し出すキッカケは確かに先生との行為を目撃してしまったことなんですが、普段素っ気ない態度なのに笑顔が可愛いとか、課題を手伝ってくれたり盗難疑惑から庇ったりさり気ない優しさに惹かれていく様子がとても丁寧に描かれていました。相手が死ぬくらいなら自分が…ってすごい考え方だと思うんですが、そこまで考えることができるなら二人はきっとまた挨拶から始めることになっても大丈夫。最後本当に恋人同士になるまでの描写はないですが、明らかにハピエンで幸せな未来が見えるのでこの巻だけでも大丈夫。恋人になった後の二人は続編で読めるので、気になる方はそちらもぜひ。
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