輝夜姫
」のレビュー

輝夜姫

清水玲子

壮大な風呂敷を広げすぎた

ネタバレ
2023年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 赤ん坊の時に竹林に埋められていたのを発見されたという不思議な過去を持つ少女が妖しい天女伝説がある神淵島へと連れてこられたことから始まる愛と復讐の壮大なSF大作。
お話がとにかくミステリアスかつ複雑で、何が何だか分からないままどんどんスケールが大きくなっていくため、内容を理解するのに必死でした。かぐや姫の伝説から始まってクローン作成や本体への成り代わり・意識の乗っ取り、月の衝突危機など、関連付けてはいるものの話が広がりすぎて描きたかった軸が見えないまま完結してしまったのが残念でした。そのため、晶が一体何者だったのか等、根本的な謎が解明されないままだったので読後はモヤモヤしてしまいました。作者様が当初描き始めたかぐや姫の物語をもっと突き詰めたお話の方が、中身がスッキリして謎も解消出来たのではと感じました。こんな大作なのに話がごちゃごちゃしてしまったのがもったいなかったなと思います。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!