穢れのない人【コミックス版】
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穢れのない人【コミックス版】

虫飼夏子

これは…作者様の気概を感じた

ネタバレ
2023年10月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 無実の罪を着せられた秋鷹と、神父の木場の、ある1つの共通点でつながる共依存関係。
秋鷹の神のような人格を通じて、暴かれていく神父の裏の顔に、恐怖や同情など様々な感情が押し寄せてきて圧倒された。
小児性愛についての表現もあるので読む人を選びそうではある。
だが、本来は木場も穢れのない子供だったのではないか、何がいけなかったのか、ではどうすればいいのか?
と、穢れのない秋鷹を通して作者様が問題提起をしているようで、自分にはとても前向きな作品だと感じた。
上下巻ともに読み切りの単話が掲載されており、下巻はガラッと雰囲気が変わって吹き出してしまうような明るいお話。
上巻の単話は…これは嫌悪感を抱く人が多そう。
だが、ゾッとするものの、見てはいけない人の闇のヤバさ、危うさが個人的にはすごく興味深くて、マンションの一室に隠された暗闇に惹き込まれてしまった。
これをよく描いたな、という作者様への敬意もあり、本編よりも好きかもしれない。
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