悪癖 【電子限定特典付き】
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悪癖 【電子限定特典付き】

イイモ

BLというジャンルを忘れる程でした。

ネタバレ
2024年1月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ イイモ先生、「悪癖」。がっつりと読みたい気分になった時に読み返す作品です。

タイトルも意味深く、人の性癖、欲望、愛嬌などに掛けている様で、小島さんの事かな?とも思って可愛いなと…

そして各表紙も素敵でした。
1巻の豪華な食卓と小島さんに、”怪物”から生まれた彼の欲や快楽を感じて良いなと。
2巻はその世界に大門さん。
3巻は愛が生まれた様に感じ、4巻はうう…と😩ハピエンを感じました。

見かけじゃなく大門という人格に惚れたキャラは久しぶりで、たまに優しい彼の口から出る汚い言葉は魅力的でした。
パニックになる事なく火を消しに行ったり、smショーに出されても冷静さを失わず、登山用ハンマーを持参して身を守るという、そんな彼の日常に混じる狂気な世界が最高に良かったです。

そして小島さん。何もかもが可愛いかった。
ツンツンなのに初恋の様な照れ顔がめちゃくちゃ良くて(2人のバスタブシーンとか…)何だかんだと悪態をついても彼の愛情表現は切ない…😩 良い。

2人の様な被虐、加虐趣味をどう解釈したらと最初は思いましたが、何周かしていく内に思った事は、小島さんは被虐されると同時に加虐している感情も味わっているのかなと…。逆に大門は、加虐しながら同時に自身を罰し被虐も感じているのかな?と(幸の時は同時に不幸でもあるという…)
そんな風に思ったら可哀想で…。2人が育った家、家族にはぞっとしました。

付箋回収も見事で、まさか赤軍と掛けるなんて…と。

小島さんの父親と仲間達の物語も読んでみたいなと思いました。彼の後見人の心情や父親がどの様な気持ちで幼少期の小島さん(息子)と過ごしたのかと想像したら…うんうん、と(儚い)

大門、小島さん親達の、その時代の世相と2人の生い立ちの掛け方がすごく上手くて…そこから読み手が想像し生まれる物語の深さは良かったです。
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