このレビューはネタバレを含みます▼
「羊の皮~」からやってきました!以前、無料分だけ拝読していて「いい加減去勢さすよ?」のインパクトの強さにすぐさま記憶が甦りました。
実の母にこんなセリフを言わせちゃう蒼佑くんのキャラで全体的にコメディ色濃いめ。ただそれだけでなく、ここぞ!の見せ場と構成の巧みさは健在で、今回も細部まで絵が上手い!さすがの九號先生クオリティです。
あと煩悩を消し去る腹筋100回がこちらにも(笑)
いとこのみのりちゃんを追求するあまり、女の子をとっかえひっかえ。みかねた母が、更正先にみのりちゃんのお宅を選ぶ事から物語はスタートします。
下心の満載で訪れた蒼佑くんが、お約束展開にお約束の反応!チャラいんだけど、憎めないムードメーカーで意外にも親思い。性格を知れば知るほど、好感度もアップ!それは私生活&高校で先生として見ている穣にもしっかり伝わっていて、いいムードの2人、例の一件までは!
で、距離感は大変バグりますが、結果的に蒼佑の曖昧だった穣への思いの覚醒により、直球アピール本格始動!でも変化球もいけちゃう、だけじゃないワンコ。対して優しい笑顔の裏でゲイの自分を封じこめていた穣の心の傷が相当根深い。出口のないトンネルの様に広がり、ずっと闇の中に取り残されているような‥。
穣の弟は唯一心の内を知っていて、ちょっかいを出しつつ、2人の良き理解者。辰巳級イケメンなだけに、脇に収まるには惜しい存在でした(笑)
そして温泉旅行!と言えば、いちゃラブフラグなはずのに一転こんな辛い展開ある‥?穣っそんな究極の選択ずるいよ~。迫る熱い視線と蒸気した息遣いが今にも聞こえて来そうな臨場感。蒼佑の欲望と理性のせめぎあいが痛いほど伝わってきました。
誠の兄さんを1人にするな の真意にもはっとした瞬間でもありました。
昔と違って逞しくなった蒼佑の背中の温もりに、ようやく本心を告げて、穣がしがらみから解放された瞬間ほっとしました。
1つ残念な点を挙げるとすれば、あれだけ頑なに拒み蒼佑も待つって言ってたのにあっさり至していた所かな‥ただ、それを差し引いても上回る読み応えで、評価には影響なしでした。
それ以上にガタイのいい2人が病室のベッドで!!絆創膏の指で?気になるんじゃ~!まあ、ナースステーションはさぞ色めきたったことでしょう(笑)あと、哲朗さんにもイイ人コイ!!