ふたりあそび 【電子限定特典付き】
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ふたりあそび 【電子限定特典付き】

あがた愛

うん、見えなくて正解だ…!

ネタバレ
2024年2月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっとランキング上位の本作。この人気の秘訣って何だろうと思いながら読んでみました。

廉はなっちゃんへの思いを幼い頃から募らせ、初めての精通の時には、情欲にまみれた感情を持っていることを自覚してしまうっていう原罪感と、純粋で無垢ななっちゃんを穢してはならないっていう廉の葛藤は相当強いものだったんじゃないだろうか。

その原罪感を心の底に秘めている廉が、どんどん性的に逸脱したり(中学生でセのつくガールフレンドがいるとか…)、タバコやらバイトやら校則もろもろに反する行為をしていくのも、親の離婚の影響だけではなく、その原罪感が影響している気がしてならない。

でもでも、そんなはた目には大人びて、どこか虚しさを漂わせている廉にとって、すべてで至高の存在が、幼馴染で黒髪メガネ君のなっちゃんっていうギャップが、幼い頃からの心の動きを含めてじっくり描かれているからこそ共感できて、その激重かつ一途な気持ちをなんとかして叶えてあげたいという気持ちになるのもむべなるかな。
なっちゃんの気持ちは、1巻冒頭から語られているのに、お互いにお互いが大切すぎてすれ違うっていうのも大好物だし、無自覚に煽るなっちゃんのエッチさも凄くて、逆によく耐えたね、と廉をほめてあげたくなるくらい。しかも、そんなに大好きな子の性の手ほどきから始めて、お互いの思いがきちんと通じ合ってから繋がるまでの過程を2巻で見届けることができてもう感無量…!

そして、私はこの作品にとっては、修正で大切なところが見えないことが、逆説的に2人の思いの純粋さを強調してて効果的だと思うんです。
特になっちゃんなんて、おしりの輪郭以外は、いろんな影も残っていないほど発光しちゃってます。でも、そのおかげで、それ以外の顔や紅潮した皮膚、汗などの描写でなっちゃんがどれだけ感じているかを集中して堪能できる。やっていることはエッチなのになっちゃんの純粋さが画面で損なわれなくて、これが正解なんだ!と、と外国のBLファンがしているというアレの書込みをした姿を想像してうなづきました(実際に書いてみたことある人います?)。そう、あれだけ大胆な構図なのに肝心な部分が「見えない」ことによる引き算の美学が、彼らの精神的繋がりを強調していて感動的なのだなと。そんな思いを抱いたのは本作が初めて、とシミジミ✨
でも、R-18が出たら我慢できないかも…(>_<)
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