潮風メロウ
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潮風メロウ

高見乙

ネタバレなしがおススメの切な可愛い人魚物

ネタバレ
2024年7月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 愛らしい人魚ワタの表情と、丁寧に描き込まれた海の描写に惹かれて手にした本作。読んでいて感じたのは、冒頭の人魚ワタの可愛らしさのゆるぎないこと。その可愛らしさに、黒髪の青年真尋だけでなく、読者もメロメロで、はわわわ、このままゆるかわゆ~い日々でも良きですぞ、と思いきや真尋がケガをきっかけにワタの秘密を知ったことから、ワタの正体、村の言い伝えとの関係、時折流れる不穏な雰囲気の理由をワタが知っている様子…などが描かれ、一気に物語に引き込まれます。

そこから先はネタバレなしがおススメ。
なのですが、読んでいる間、これまで見聞きした人魚伝説が頭をよぎり、切なかったり重苦しくなったり、ワタの孤独を想像したり…と1冊によくまとめたな、と思うひねりとメッセージ性のあるストーリー、所々に張られていた伏線を回収する構成が効いていて、気付いたら何とか2人で幸せになってくれ、たのむ!と祈りながら読んでいました。

それにしても、人魚のワタの純粋さと、陸に上がったときのたどたどしさが、庇護欲をそそるのがたまらん!しかもこの可愛い絵なのに、ちゃんと結ばれる描写もあり。ファンタジーものが好きで、絵柄に惹かれるものがあったら、ワタに癒されること間違いなし、のおススメ作品です。

個人的にツボったのは、巻末書き下ろし4コマの海神様の意外なミーハーぶり!この書き下ろしが予想以上にたっぷりなのも嬉しい。できれば、この2人の日常をニマニマずっと見ていたい…。番外編が出たら即買いしたい♓それくらい、キャラに魅了されました✨
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