liar[ライアー]
」のレビュー

liar[ライアー]

千代崎

物語の余白をどれだけ自力で補えるか。

ネタバレ
2024年7月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ …ゲリラ前の上下巻新刊買いは清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要。。。って確か6日前のレビューにも書いた気がする…。けど買っちゃいましたよねーーー!!(なんなら新刊自動購入登録してました😉)作者様の「バカで弱くて無様でも」がツボに突き刺さってまだ抜けないままなので。これは絶対読まねば…と思っていました。
こちら「liar」もやはり感情をブンブン振り回される作品なのだろうな、と期待(覚悟?)はしていましたが…おぉぉぉ。想像以上。。。だいぶ削られます。メンタル整えてから読んだ方が良いです。
全体の雰囲気は「バカで〜」と似ていて、シリアスからの救済。
絵も相変わらず美しく、設定も良く、ベッドシーンも官能的で(しかも修正が神。)すごく好みの作品でした。

ただ、他のレビュアーさんも仰っていましたが、やや説明が足りない、と思ってしまった箇所がいくつかありました。
私はモノローグやセリフが多過ぎて説明臭くなる作品より、絵や行間で語る作品の方が好きですし、読み手の解釈に任せる余白があるのも好きです。
にしても、やはり実の母親が圭を捨てた理由や、秋と春が揉めた理由(お前まさか…の続き)は知りたかったーーー。春の言葉足らずが過ぎる気もしたし、「家族じゃない」「兄と思ってない」の真意も、ちゃんと伝えて欲しかった。いや、分かるけど。多分こういうことだろうな、と壁の私は思うけど。読者としても答え合わせがしたいし、真意がきちんと圭に伝わったところが見たかったのです。
物語の余白をどれだけ自力で補えるか、またそれをよしとするか否かで評価が割れる作品かもしれません。

やや辛口になりましたが、やはり千代崎先生の作品はすごく好き。次回作も迷わず作家買いします。あとがきで「liar」が前作「faker」と同じ世界線だったと知り、こちらもカートにinしました。
かなりメンタル削られるけど、「バカで〜」が好きだった人にはハマるんじゃないかな??
是非HP満タンの時に読んでみて下さい。
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