能美先輩の弁明
」のレビュー

能美先輩の弁明

大麦こあら

素晴らしかった! 圧巻の作品!続編決定💕

ネタバレ
2024年10月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ はああ……素晴らしかった!
こんなの、BLでしか読めないですよ。
これだからBL読みはやめられない。そう思わせてくれる圧巻の作品です。
描き下ろしは追加の一話分くらいボリュームがあり大満足!
こあら先生、本当に本当に、ありがとうございます!

気になる先輩が読んでいる本を真似てみたり、好きだと言う作家の展覧会に足を運んだり…対話して感想を言い合って、そうしているうちに自分の好きなもの、好きなことが明確になっていく…青春時代の何物にも変え難い、そして得難い経験。
泣けてきちゃうんですよね。自己肯定感が低い故ユルチャラなくせに、善く生きようと好きを貫く正孝の意地に。クールに見える表層からは想像もつかない瑛人のアツさに。
二人の対話は「一見」とっつきにくそうな哲学を話題にしてはいるけれど、自己を見つめる姿、より善く生きようと模索する姿は青春そのもので、若かりし頃の諸々を思い出しては非常に甘酸っぱいのです。

身体の関係から始まる二人。それぞれが自分の愛する学問を同じように愛していることを知ったからと言って、急激に距離が縮まるでもない、あくまでセ フレの関係。まるで対極にいるかのようで、交わる訳がないとでも思っているのか、見えないところで少しずつ変化が表れているのに気付かないフリをして認めないところが本当に焦ったくて……!
瑛人、よく聴きなさい。正孝のこと、素行じゃなく深いところで認めているところ、名前もない論文から、会って話がしてみたい、なんてもうもうもう……あなたの魂の片割れ以外の何物でもないじゃないの。
これが愛だよ。
混ざってひとつになってください。

電書巻末に光文社さんの特別リーフレットが掲載されています。本作に登場する哲学書が紹介されているの。以前、二人がどんな本を読んでいるのか調べたんですよねえ。答え合わせしようっと!
一部、シーモアさんで扱いもあります。
『饗宴』プラトン 光文社
『理性の呼び声 ウィトゲンシュタイン、懐疑論、道徳、悲劇』スタンリー・カヴェル 講談社

描き下ろし23p.、シーモア限定描き下ろし3p.、リーフレット8p.含む、全290p.。
さて、予約してた紙本受け取りに行ってこよ。特典目当てに、ン十年ぶりにメイトに足を踏み入れました。各店舗の特典集も配信されると良いですねえ……(夢想)

!作中一泣けたシーンが奥付けに…!嬉しい…感無量です。
いいねしたユーザ130人
無料会員登録でもっと見る
レビューをシェアしよう!