Kの支配者
」のレビュー

Kの支配者

奥田枠

薄皮一枚の狂気

ネタバレ
2024年12月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 奥田先生の作品はいくつか嗜んでいますが、今作は一番ダークネスでアブノーマルだと断言できる。
登場人物は必要最低限。試し読みでご覧の通り「K」がじ殺した後、警察に通報した坂滝への取り調べを通じ真相が明かされていく形式。
短いお話なのでわりとあっさりと事の顛末を知ることができるのだけれど、2人の歪んだ関係性と突き抜けた調教シーンが重く胸にのしかかってきます。
ある日を境に、しゃ精どころか排泄までKに管理され快楽に溺れていく坂滝。心のどこにつけ込まれたのかは謎ですが、Kも坂滝も満たされない何かを抱えていたに違いない。
そして、圧巻のラスト…明らかにメリバなので耐性のある方は読んでいただきたい…
そして教えて欲しい。
不随意な自分の神経さえ管理下に置きたがるKは支配者だったのか?被支配者だったのか。
管理をせがむようになった坂滝を前に、メビウスの輪のようにねじれいつの間にか反対側に翻っていたのかもしれない。

ちなみに絵がものすごく上手くなっていらっしゃいます。そのためハードなプレイも耽美に映りたまらない気持ちにさせられますので、お覚悟を…
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