はじめての春のうた【単行本版】
」のレビュー

はじめての春のうた【単行本版】

イシノアヤ

青春がここにあります

ネタバレ
2025年3月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ なんでもないようでいて大切な日々を送っている高校生の戸上一(トガミハジメ)と箕野詩(ミノウタ)。仲の良い友達の中でも特別にしっくりとくる、自分のことを分かっていてくれる人。

上下巻を通してゆっくりと、名前の付かない何かが育っていくのを見ていく感じ。日常生活とエピソードが丁寧に積み重なっていくので、まるで現実世界の彼らがそこで息をしているかのよう。体育祭、テスト、文化祭、修学旅行と、こちらまで同じ青春を過ごしているような気がしてきて、あれ?もしかしてわたし、同級生だったかな…(存在しない記憶)

二人が過ごす世界の日常と、ほんのり芽生えた「特別」の余韻を、じっくりと味わっていくような作品です。とても読み応えがありました。読み込む程に、どのエピソードも自然で好ましい。それぞれの家族の雰囲気や、家族の中での振る舞い方もすごく好きです。水族館のお土産も、いつか一緒に買いに行けるといいな。
表紙裏の小テスト、最後の問題…、ああ!
いいねしたユーザ18人
レビューをシェアしよう!