君となら恋をしてみても
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君となら恋をしてみても

窪田マル

江ノ島の景色と二人の男子高校生

2025年4月14日
天と龍司の関係が何とも甘酸っぱい。二人並んだ姿に江ノ島の素晴らしい景色が彩りを添えます。
読み始めは、正直に言うと天の軽そうな性格が好きになれなそうだな、と。でも彼がそうなってしまったのには理由があり、好きな子に同性愛者だと告白して茶化された経験があるから。
想いを寄せる相手にそういう態度を取られたら…。確かにもうその場は開き直るくらいしか術がないかもしれない。そうでもしないと自分が惨めで仕方ない。
天が江ノ島で知り合った龍司は容姿も性格も良く、彼が同性愛者だと知っても全く態度を変えません。むしろ積極的に関わろうとしてくれているよう。これはもう天は彼に惚れるしかないよ…。
好みの面で言ってしまうと天は自分的ストライクゾーンから外れているので、読み進められたのは爽やかな龍司のお陰かも。ただ天の過去の苦い恋に関しての描写は、何とも切なくて感情が動いてしまいました。

そして心惹かれた理由の一つでもあるのが、作品の舞台が江ノ島だということ。ちょうどタイムリーに旅行に行きたいと思っていたのと、以前訪れた時に見た景色と同じ描写に懐かしくなり。
次回江ノ島に行ったら、今度は作中で天と龍司がいた場所を探してみたくなりそうです。
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