フォロー

64

フォロワー

74

総レビュー数

375

いいねGET

6505

いいね

3363

レビュー

今月(10月1日~10月31日)

レビュー数29

いいねGET844

シーモア島
ベストアンサー0
いいね0
投稿レビュー
  • オロチの恋

    雁須磨子

    オロチの行動力に脱帽
    ネタバレ
    2025年10月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。まるでホラー作品のような(?)タイトルが気になっていました。
    “オロチ”こと木羽は中学生の時、偶然見かけた泣いている少年・田之崎に一目惚れ。彼を追って同じ高校に入学し、そこからお話が始まります。

    まずオロチの外見すごい好きです…。でっかくてコワモテ。個人的には長髪より丸刈りの方が好み。主にタイトルと表紙の彼に釣られて手に取った感じ😅。
    外見とニックネームもそうですが、彼の行動力が半端じゃない。一目惚れしたその日から、頭の中は田之崎先輩でいっぱい。目指すはずの甲子園を捨ててまで…。
    一歩間違えたらストーカーですが、アプローチの仕方があまりにも猪突猛進&情熱的で笑ってしまう。堂々としすぎて、もはやストーカーにすら見えないのは“彼だからこそ”でしょうか😓私は逆に清々しささえ感じてしまった…(でも実際にいたらビビるかも)。

    とにかくすごいインパクト。面白おかしく、時に繊細に描かれていくオロチの恋の行方+友情。それはもちろんのこと、登場人物だって誰も彼も素晴らしい。
    当初はムタ先輩、田之崎先輩にイジメをしているのかと思っていたのですが…。読み進めてイメージが真逆に変わりました。野口くんは良いキャラだし、みんなの幸せを願いたくなる。

    作者様のBL作品、絶対好みに合うと思っていましたが本当に大正解。オロチ大好き!他のご本も手に取ってみたくなりました。
  • 毎分毎秒

    雁須磨子

    オムニバスかと思いきや…
    ネタバレ
    2025年10月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様のBL作品が好みに合いそうで気になっていたところ、本作が偶然ピックアップに。セール&表紙とあらすじにも惹かれ、まずはこちらを手に取ってみました。
    雰囲気もメニューも素敵な喫茶店“AWAY(アウェイではなくアワイ)”。そこには時間を操ることができる店長・間(あわい)と、何かワケありな様子のイケメン店員・鏡が。
    間が言うには、キャンペーンの“景品”として自らが行きたい時間=やり直したい時間が選べ、実際にタイムリープできるらしい。
    お客の一人であるみどり目線で描かれていく、ちょっと不思議なお話です。

    ほわっとした絵柄も相まって、当初は“毎度主人公が変わり、タイムリープで人生をやり直して幸せを掴む物語”かと。…違いました。これが思いのほか複雑で奥の深いストーリーだった。
    まず第一にオムニバス形式とは少し異なり、ヒロインみどりは一貫して登場。“AWAY”に通う中で鏡と打ち解け始め、徐々に店の秘密についても知っていきます。

    そんな中、唐突に戦後すぐのエピソードが描かれ始めて…。
    「!?」と思っていたら、どうやらその時代は鏡と大いに関係がある模様。彼は現代の人間ではない上、もしかしたらもうすでに…?
    次第にその謎が明らかになりそう…という場面で1巻が終了😣いいところで“2巻へ続く”になってしまった~😵

    前述の通り、サクッと読めるオムニバス作品だと勘違いしておりました。安易なハッピーエンドではなさそうな、謎が謎を呼ぶ展開の行く末が気になります。
    続き物になっていますので、1話完結型のストーリーを求めている方はご注意下さい。

    2巻発売はまだまだ先なのかな…。気長に待ちたいと思います。
  • キラキラセブン

    ARUKU

    やはり全編が沁みる
    ネタバレ
    2025年10月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ BLではないARUKU先生の短編集。7編の収録作品は男女の淡い恋やBL未満のブロマンス風など、BLでなくとも「これぞARUKU先生!」と唸ってしまうエピソードばかり。

    “キラキラセブン”という作品タイトル+1話目の“アンダースタンド”読了後の爽やかさ・清々しさ。1冊まるまるフレッシュなテイストでいくのかと思いきや、読み進めるごとにARUKU先生ワールドが広がっていきます。

    “フィッシュスケール”の儚くも美しい恋の世界に浸り、“ブリード”では生き物に対する考え方について心から身につまされ…。
    “レインキャット”のイルカくんと猫のほのぼのライフに癒されていたところ、まさかの展開に本当に声が出た…。唐突に差し込まれた“いけすかねえ奴”がずっと気になっていたのもあり、「あぁ、そういうことだったのか…!」と。
    ご本の表紙にもなっているこの1編は、ストーリーだけでなく結末についても大満足。抜きん出て好きなお話でもあります。

    また、おのおの独立した物語かと思いきや、実は同一世界での出来事だったりするものも。レビュアー様方がすでに書かれておられますが、“昨日、君が死んだ。”のプロトタイプのようなお話もありますね。

    どれもこれもストレートではなく変化球。ラストが予想できないものばかりで、ページをめくる手が止まりませんでした。
    男女ペアのお話含め、全編が期待以上。色んなテイストが楽しめる短編集、今後もお待ちしております…!
  • 画家と音楽家

    ARUKU

    さすがの世界観
    ネタバレ
    2025年10月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。ARUKU先生の短編集。
    期待通りのARUKU先生ワールドです。5編が収録されており、一つ一つの世界観と台詞・モノローグがどれも強く心を打つ。どのシーンも目が離せなくなります。

    “画家と音楽家”、“何処無市ラブストーリー”、“地上で最も美しい生き物”を読んでいる時は、ふとオスカー・ワイルドの童話が頭をよぎりました。
    色々な感情がこみ上げ、胸がギューッと締め付けられる3編です。特に表題作の“画家と~”は、読み手の受け取り方でラストの印象も変わってくるかと。
    このどちらとも取れる終わり方…、画家の未来も幸せなものだったと私は思いたい。そうであって欲しい…!

    そして他2編はオフィス&サラリーマン物。“ここは、愛の惑星。”と“家に帰るまでが遠足”は、前述の3編とは少し毛色の違うエピソード。クスッとしたりホッコリしたり。
    “ここは~”のラスト、エレベーター内の誰だかわからないあの人はきっと…、おそらくシェイプアップした“彼”ですよね!?もしこれが想像通りなら、例の二人の間で何かが始まる予感…。

    そんな5編の物語、全てしっかりと堪能しました。その中でも“何処無市ラブストーリー”は、特にARUKU先生らしい唯一無二の設定だった気がします。もう本当に発想力が凄まじい。

    以前拝読した短編集“極東追憶博物館”同様、この世界観から抜け出せなくなりそうなほど浸らせていただきました。
    ARUKU先生のご本の中ではマイナーな方かと思いますが、ぜひ多くの方に知って欲しい1冊です。
  • 兄だったモノ

    マツダミノル

    一番ヤバいのは?
    ネタバレ
    2025年10月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 以前ピックアップでお目にかかってすごく気になっていた作品。2巻分無料になっていたのでこの機会に手に取りました。
    主人公は女子高生の鹿ノ子。彼女の亡き兄・騎一郎には聖という男性の恋人がいた。
    彼には変わり果てた姿の“騎一郎だったバケモノ”がしがみ付いている。鹿ノ子にはハッキリ見えるその“バケモノ”に、聖は全く気付いていないようで…。

    無料分をあっという間に読了。幾重にも謎が張り巡らされたホラー&ミステリー。ほのかにですがBLの香りも漂います。
    読み始めはやはり“バケモノ”が一番ヤバそうに思えましたが、物語が進むとそうとも言えなくなってくる。鹿ノ子にも闇があり、聖もさらに…。
    また生前の騎一郎の人となりに関して、登場人物によって証言が全く異なっているのが何とも不気味。喉に小骨が刺さったままのような、スッキリしない気持ちの悪さ。
    聖に関しても同様で、一見好青年だが鈴蘭にたとえられる魔性の男。無料分ではまだ彼の本性がしっかり見えてこず、いびつな人間関係も含め、これは先を購入せねばと気持ちが逸ります。

    あと個人的に「おっ!」と思った部分、僧侶でもある藤原さんの名がまさかの“頼豪”。
    “頼豪”といえば“鉄鼠”がすぐに思い浮かびました。僧侶キャラによりによってその名を付けるとは、何だか意味深。しかも名字までが関連性のある“藤原”…。
    そして聖の担当編集者が“犬上静真”だと。浮かんだのはもちろん“犬○家の一族”の“青沼静馬”。あの有名な死に様が脳裏にちらついてしまった。

    これらの名前も伏線か何かになっているのかな。それとも単に思い過ごしなんだろうか。そこも含めて気になってしまう…。
    それと随時変化する“バケモノ”の顔が、“オチョナンさん”に見える時があってキモ怖かったです😣
  • ネオ・キャット

    青化

    うわぁ~好きすぎる😻
    2025年10月20日
    ピックアップでたまたま表示され、お目にかかれたことに本当に感謝…!
    “猫が社会進出して人間とともに働く世界”という、奇想天外な発想の作品です。
    キュートな猫ちゃんたくさん!私の好みドンピシャじゃないか~。ピックアップよありがとう!と早速拝読。

    オムニバス形式で進んでいくストーリー。表紙はもちろんなんですが、本編の作画も綺麗な上に洗練されていてものすごくオシャレ。そして猫ちゃんたちの表情豊かなこと…!
    この作品では彼ら猫ちゃんたちは二足歩行で会話もします。しかも人間たちと同じように軽快に(?)仕事までこなすのです。

    街の人混みの中、オフィスで働く人間の中、フツーに猫ちゃんが混じっているという珍妙さ。
    どれも猫ちゃんまみれの可愛すぎるエピソードの中、私は“ジジ・ネコン”のシュールさに死ぬほど吹きました。それ以外のエピソードももれなく絶妙!作者様センスありすぎです😹

    さらに、ただ面白いだけではなく結構深い。猫目線から世の中を俯瞰した台詞は何とも考えさせられます。また1話1話独立したエピソードになってはいるも、実は全て繋がっていたり。

    こんなにツボな作品を今まで存じ上げなかったなんて損した気分😣そしてぜひ猫ちゃんたちに“ちゅ~る”を差し入れしたい、作中でむさぼっている時のブサ顔が堪りませんでした😸
  • 便利屋エンのひみつごと【電子限定描き下ろし付き】

    三島ピタリ

    絵柄は文句なし
    2025年10月20日
    表紙の絵柄に一目惚れして手に取りました。
    主人公の大学生・友。不運が重なり住むところまで無くして途方に暮れていたところ、便利屋の円に助けられます。そのまま彼のもとで住み込みで働くことになり…。

    本当、絵柄はとっても綺麗なんです。でも円がどうしても29歳に見えなくて。私には、友と同年代くらいの20歳前後に見える…。
    なので友との年の差をあまり感じられず、ちょっと残念。せっかく妙齢の設定なんだから、もう少し落ち着いた雰囲気の容姿でも良かったかと。友と並ぶと同級生に見えてしまって。色っぽさはあるんだけど…。

    ストーリーは一応山場はあるものの、可も無く不可も無く。悪くないんですがよくあるタイプで深く印象に残らなかった。
    個人的に最近は特徴的なストーリーの作品に数多く出会っているので、それらと比べると埋もれてしまうのかも…。
  • ストレンジ【電子版特典付】

    つゆきゆるこ

    温かなブロマンスの短編集
    2025年10月20日
    ブロマンス特集でお目にかかった作品。表紙とあらすじに興味を惹かれました。
    BL未満の物語は、もしかしたら本格的なBL以上に…と思うくらい好き。“ブロマンス”という言葉自体を知らなかった時から、男性同士の深い友情・恋愛までに至らない甘酸っぱさに何とも言えない良さを感じていました。
    本作は短編集。男&男(男×男ではない)、6組のエピソードが収録されています。

    立ち読みの1話分がとても素敵だったこともあり、「全話は無理かもだけど、他にも幾つか刺さるエピソードがあればいいな」くらいに思っていましたが…。
    “幾つか”どころじゃない。大袈裟じゃなく、私は全話に心を掴まれました。あまりにも良すぎ…!

    6組全てが、本当に小さなことがきっかけとなって交流を持ち始める。みな本来なら関わることさえなかったかも…と思うような二人で、そこも意外性があり興味深くて。
    どのエピソードも灯りがともるように温かい気持ちにさせてもらえます。キュンとしたり、癒されたり、読後感は最高。
    どれが一番だなんて選べない。甲乙付けがたいとはまさにこのことだ…。
    そして本編終了後に描かれる彼らのその後、ホッコリしました😌

    作者様、本作が初めての単行本だったとは驚き。素晴らしかったです、たくさんの方にオススメしたい。
  • キスはしたけど友達だよな!?【コミックス版/シーモア限定おまけ付き】

    原ペ~ニョ

    “親友同士”だったけど…
    ネタバレ
    2025年10月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 単話から追っていましたが、おまけ&描き下ろし目当てにコミックス版も購入しました。
    ルームシェア中の大学生・陽向と隼人。コンパでの王様ゲーム中、まさかの“男同士でキス”をしなければならなくなり…!?

    この作品、私の好みドンピシャで。バリバリのノンケ同士が何かのきっかけでなし崩し的に…というシチュエーション大好き。しかも(やや)ケンカップルときた!作者様ありがとうございました😆

    学生さんのおバカなわちゃわちゃ感が可愛い+コメディタッチで面白く読めましたし、絵柄もすごく良い。本当、何で隼人彼女いなかったんだ?イケメンなのに。やっぱり女の子怖かったのか(笑)、愛いです!

    当初は色気も何もない男二人の同居生活だったのが、お互いのちょっとした仕草や表情にドキッとしてしまうようになる。その描写が堪らないのです。
    そして今まで築いてきた親友の関係を壊したくないという葛藤、そんな長年の友情が恋に変わる瞬間の尊さよ。しかと見届けさせてもらいました!
    また、受けの方もしっかり男性的に描かれていることが個人的にはポイント高かった。受けがあまりに女性的だと萎えてしまうたちなので…。

    全体を通して好みの要素たっぷりの作品でした。もっと続編出ないのかな?
    まだまだこの二人の可愛いやりとりを見ていたい~!普段バカやりながら軽口を叩き合う彼ら、その表情がふと色っぽく変化する瞬間が最高でした。
  • 零戦 その誕生と栄光の記録

    堀越二郎

    零戦設計技師の自伝
    2025年10月18日
    零式艦上戦闘機、通称“零戦”の設計技師として名高い堀越二郎さんの著書。ジ○リ映画“風立ちぬ”の主人公のモデルになった方。件の映画の主人公の名はまんま“堀越二郎”ですね。
    私は堀越技師と同郷でして、それを知った時は「あの零戦を設計した方がこの田舎の地に生誕されたのか…!」と胸熱でした。帝大工学部卒の非常に優秀な方です。

    最近何気なく赴いた地元の民俗資料館で、埴輪や土偶に混じって明らかに違和感ありまくりの零戦や雷電の模型の展示が。
    「なぜに!?」と混乱した私ですが、その資料館がある場所はまさに堀越技師が生まれ育ったゆかりの地。僥倖にも技師の特設コーナーが設けられていたようで(やはり地元の星)。
    もはや埴輪や土偶そっちのけで戦闘機(模型)や関連資料に食らいついていた変な人間(わたくし)。端から見たらだいぶヤバい奴だったと思います。

    その展示に触発されて、久々に当時の航空機関連の本を読みたくなってしまい…。検索したら堀越技師ご本人の著書が!早速手に取りました。

    零戦開発への夢や苦悩が、ご自身の文章で綴られています。
    やはり零戦に関する記述が大半を占めていますが、三菱入社から海軍とのやりとり、果ては当時の軍部や外国に対する率直な思いまでも。

    当初はお名前や実績しか存じ上げなかったのですが、拝読することでご本人の人となりが生き生きと浮かび上がって来ました。
    また私は海軍機の中では零戦がいちばん好きなこともあり、設計技師自ら零戦を語るこの著書、たいへん心躍るとともに興味深かったです。

    零戦のスタイルの良さは、個人的には当時の陸海軍機の中でもトップオブトップではないかと。佇む姿さえ美しい。
    手持ちの模型を眺めるたび、そんなことを思っているオタクです。
  • 昨日、君が死んだ。

    ARUKU

    星5じゃ足りません…!
    ネタバレ
    2025年10月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。とてもショッキングなタイトル、というのが第一印象でした。
    舞台は終末後の世界です。死んでしまった想い人・護堂。その人型を、ある者から与えられた魔法のミシンで見事に縫い上げた仕立屋・羽繕。命を吹き込まれたように動き会話する“ゴドー”とともに、その“たましい”を探す旅に出発します。

    これはもう上手く文章をまとめるのが難しいほど素晴らしい作品でした。
    基本旅をしていく物語なので、毎度毎度異なった地を訪れ、異なったキャラたちに出会っていく。
    その引き出しのあまりの多さ!まずそこに驚かされました。凡人の私などには到底思い付かないような斬新&奇抜な設定、可愛くて格好良くて不気味でもあるキャラデザ…。1話読み終わるたび、次はどんなテイストのお話が来るのかなと楽しみでもあり。

    私は悪魔の夕塵がお気に入りだったので、一回きりのゲストキャラでは勿体ない、また登場して欲しいと思っていたところ…。その後もたびたび顔が見られるとは!
    また軍服大好きでもある私、美しい天使軍と妖艶な悪魔軍がどちらも素敵すぎて目移りしてしまいました。

    絵本や童話のようなタッチでありながら、一皮剥けばダークでとんでもないエグさも併せ持つ。一筋縄ではいかない、どこまでも壮大でファンタジックな世界観。
    終末後ということで、やはり全体を通して“死”というものが描かれていきます。“たくさんの死”です。そんな中でも、ただ切なく悲しいだけではないのが本作。
    羽繕が魔法のミシンを駆使し“縫う”ことで、大切な人との再会や新たな出会いさえ生まれていく。暗闇の中に一筋の光がスッと差し込むような、ささやかな希望を感じられる内容になっています。

    ぜひ多くの方の目に留まって欲しい作品の一つ。前述の通り、私の拙い文章ではこの作品の良さを十分に伝えられないのがもどかしいです。
    未読の方は、どうか他のレビュアー様方の巧みなレビューをご覧になっていただきたい…!そしてこの作品を手に取る方がもっともっと増えていって欲しいと思っております。
  • 便利屋アズマは星を数えない

    一樹らい

    国宝級?
    2025年10月16日
    高評価レビューが多く、あらすじも興味を惹かれるものだったので試し読み部分だけでも…と拝読。
    ストーリー的には嫌いではないんですが、柊月くんに関して。“国宝級イケメン”とまで言われていますが、私には全くそう見えなかった。表紙も初見ではまず手に取らないタイプ。

    確かにフツメンかイケメンかといえばイケメンの方だと思いますが、国宝級と言われると頭の中が???の嵐。国宝級?どの辺りが…?と。
    作中でイケメンイケメン言われているも、私には騒ぐほどの容姿には見えず(私の目が腐ってるのかも)。モブたちのしつこいほどのイケメン連呼にだんだんと萎えてきてしまいました。

    東の方はというと、やたらといい人風な台詞が薄ら寒く感じてしまって。おそらく自分とは合わない作品なんだろうと思います。
    高評価の中水を差すようで申し訳ないのですが、嘘はつけない性分なので自身が感じたことを正直に書かせていただきました。
    こういう意見の変わり者もいるということでお許し下さい。
  • 沼の底はまだ見えない

    しおからにがい

    リアルな感じが刺さった
    ネタバレ
    2025年10月15日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 無料&セール中だったので、まずは1話分を。名が売れ始めたお笑いコンビ・“かんろ”の二人のお話。
    ボケの更科、ツッコミの目黒。“更科が目黒のヒモ”というネタが受け、それが定着してしまった彼ら。しかし、どうやら実生活では正反対のようで…。

    ボケの更科が攻め、ツッコミの目黒が受けです。そちらの方も正反対(笑)。
    番組オーディションに受かりたいがため、目黒の口から咄嗟に出たのは更科がヒモだというネタ。実生活では、それはまるっきり目黒自身の方なのです。
    よりによってヒモ側の人間からヒモキャラを押し付けられた、実は面倒見てる側の更科(まぎらわしい)。彼はたまったものではない。
    未だにしれっとヒモ生活、そんな相方にブチ切れ熱くなっているうち、なぜか勢いで…!拒まない上ちょっと乗り気な目黒に笑ってしまった💦これも芸人魂!?

    実際にどこかで起こっているかも…と想像を掻き立てられるストーリーだなと。BLにもリアリティを求めてしまいがちな自分にはかなり刺さりました。
    ダメ男キャラをダメじゃない方に被せてしまった“真のダメ男”・目黒。更科に怒られてえぐえぐしてる姿になぜかキュン。
    ダメな子ほど可愛いというやつなのだろうか…😅ボケとツッコミが実生活では逆なのもツボでした。
  • 雨傘で凌げないほどの恋

    ARUKU

    ストーリーは好きです
    ネタバレ
    2025年10月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。学生時代、同級生の天花寺のアウティングのせいで心に傷を負った五映が主人公。
    試し読みの物悲しい雰囲気から心をギュッとされ、楽しみにしていたのですが。
    拝読し終わり、いつも大満足のARUKU先生の作品と異なり少し違和感のようなものが残りました。
    おそらく天花寺のキャラクター性、それが私にはよく掴みきれず、感情移入できなかったことが大半の理由です。
    五映への謝罪にしろ妻との離婚にしろ、あまりにも突拍子がなさすぎて着いていくのがやっと。五映が混乱するの、よーくわかります。
    こちらが望んでもいないのに、恐怖心すら湧くようなやり方。あそこまでされてしまったらもう受け入れるしかないし、ある意味脅迫に近い感じ。
    20年も音沙汰なかったんだから、今更怒濤の謝罪攻撃されてもなぁと。実はその裏には“取材”があったことも大きいのかもしれませんが…。
    私は当て馬の鍵原の方が、天花寺よりずっと格好良く素敵に見えました。20年間ずっと感情にブレがなかったので。

    それともう一つ。“36歳”という設定の割に言動・行動が幼すぎて、ちょっと引いてしまったんですよね。
    ほわほわラブラブな微笑ましい雰囲気は先生の他作品でもお見かけしますが、こちらはしっかりアラフォー設定。なので、やる事なす事あまりの子供っぽさに徐々に冷めてしまった。
    外見も若見えしすぎて、とてもアラフォーには感じられない。他のレビュアー様と同意見で、20代設定なら許容範囲だったと思います。

    ストーリーについては切なさあり、温かさありでいつも通り素晴らしいと思えたのですが…。今回は天花寺というキャラクターにハマりきれませんでした。
    私は断然鍵原推しですね。
  • Marchen

    琥狗ハヤテ

    ムキムキなうさ耳!
    2025年10月13日
    作者様買い。表紙のムキムキうさ耳イケメンに惹かれて手に取りました。
    西洋のおとぎ話をモチーフにした作品。当初はエピソードごとに主人公が変わるオムニバスかと思いましたが、全て同一のキャラがメインで登場。連作となっています。
    召喚士・ギィが羽織るのは先祖伝来のコート。そこには月の神獣・サキムが封じられている。
    契約関係にある二人。彼らが巻き込まれる怪異的で不可思議な事件が綴られていく物語です。

    学生時代に流行った“本当は怖いグ○ム童話”系が大好きだったので、その雰囲気を彷彿とさせる本作はドンピシャ。
    同じく琥狗先生作の“御伽”が優しい和バージョンなら、こちらはクールな洋バージョンですね。

    何よりサキムの容姿が好きなんです。ムキムキのうさ耳キャラにお目にかかるのは初めて。
    ウサギってやっぱり可愛いイメージがあるので、ガタイのいいお兄さんにうさ耳が生えてるとギャップ萌えしてしまいます😳🐰

    また他のレビュアー様も書かれていますが、サキムが宿っているのは“先祖伝来のコート”。ということは…!?
    色々な妄想がよぎります😅
  • 俺がおまえに恋してやんよ

    ARUKU

    二匹の雄鮭の恋の行方は…?
    ネタバレ
    2025年10月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。ARUKU先生の世界に本格的にハマり始めたところ、幻冬舎作品半額クーポンをゲット。ありがたや~✨と早速使わせていただき、ARUKU先生作品を爆買いしたところです。
    本作の主人公は自己肯定感かなり低めのサラリーマン・蛍茶屋。彼女が出来ればきっと幸せになれるはず!と行動を起こすも、ことごとく上手くいかない。
    しまいには美人局に引っかかり、失意のどん底にいたところを会社のカースト最上位男・刑部に見られてしまい…。

    蛍くん家族思いなんですよね。病気があまりよくないお母さんのため、身を削って仕送りしている。
    やたら彼女や結婚にこだわるのは、お母さんの記憶がしっかりしているうちにお嫁さんを見せてあげたいという切実な理由も。当初はそんなに無理して彼女作ろうとしなくても…と思ったのですが、それで少し腑に落ちました。
    自己肯定感低すぎな彼ですが、目立ちはしないものの良いところがたくさん。まさに野の花。
    実は刑部くん、そんな蛍くんをずーっと以前から見ていたんですね。きっと蛍くんは刑部くんのために彼女いない歴=年齢だったに違いない!そんな気がしてならない😣

    二人が心を通わせるようになってからは、とにかく幸せオーラに溢れてて。とっても可愛くて微笑ましくて、こちらもニマニマしっぱなし。
    いつも泣いてしまうARUKU先生の作品ですが、今回は泣かずに読めそうだな😊と思っていたところ、まさかの…!最後の最後で結局泣かされた…。

    四年も離ればなれでいたけれど、二匹の雄鮭、再び巡り逢えましたね。背中を押した妹ちゃんもグッジョブでした。
  • ホテル・メッツァペウラへようこそ

    福田星良

    ワケあり少年と温かい人々
    2025年10月12日
    以前から気になっていた作品で、丁度セール中のこともあり手に取りました。
    当初はタイトルと表紙の印象で、単に“素敵なホテルマンが迎えてくれる素敵なホテルのお話”だと思っていたのですが…。
    表紙に描かれている少年・ジュンくんがとんでもなくワケありだったのです。

    舞台は北欧フィンランドの小さなホテル・メッツァペウラ。二人の老紳士が切り盛りしています。
    ある吹雪の日にホテルに現れた謎の少年。それがジュンくんなのですが、まだたった17歳なのに、背中一面から太腿にまで見事な和彫りがガッツリと。
    まさか裏社会の…?でも根っからの悪い子ではなさそう。これはもうワケあり以外の何なんだ!?

    困っている人間を放っておけないのが男気ある老紳士たち。ジュンくんをスタッフとして迎え入れてくれ、彼はそこで身も心も癒されるとともに成長していきます。その中で、気になりすぎる過去も徐々に明らかに…。

    フィンランドといえばサンタクロースやサウナ、シモ・ヘイへくらいしか知らないほど無知な自分でしたが…。
    どこまでも続く雪景色をはじめ、自然の厳しさ・美しさ、美味しそうなお料理…。改めて北欧って素敵だなと。
    ジュンくんを取り巻く登場人物もみな温かくて、読んでいてすごく心地良かった。もちろん作画も素晴らしい、文句なし!上質なヒューマンドラマだと思います。
  • リハーサル

    ARUKU

    優彦が少し羨ましい
    ネタバレ
    2025年10月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ARUKU先生の短編。1話完結の読み切りです。
    主人公は町医者の息子・優彦。ある夏の日、隣家に住む幼馴染みの紡が彼のもとを訪れ、とんでもないことを言い出します。自分の葬式のリハーサルをして欲しいと。しかし、紡は現在重い病気で入院しているはず…。

    拝読しながらまた泣いてしまった…。ARUKU先生の作品は涙なしには読めない気がします。
    私は今まで夢中になった作品のテーマ柄、登場人物の死にはだいぶ耐性が付いている方だと思っていたのですが…。ARUKU先生の作品を手に取るようになり、それは思い込みだったんだなぁと強く実感。

    優彦と紡、物心ついた頃から側にいた二人。紡のことが好きだった優彦。彼らの人生が、31ページの中にギュッと詰め込まれています。
    淡々と進んでいく物語だからこそ余計に、その深い内容、そして一日一日の大切さが心に沁みていく気がしました。

    ハッピーエンドかどうかは、もしかしたら読み手の受け取り方で変わってくるかもしれません。
    私は純粋に優彦が羨ましいなと。私にもまた逢いたい人たくさんいるよ…。

    ひまわりが咲く時期になるたび、このお話をきっと思い出してしまうだろうな。
    切なくも優しい、どこかあったかい作品でした。
  • 三ツ矢先生の計画的な餌付け。

    松本あやか

    私も餌付けされたい!
    ネタバレ
    2025年10月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ セール中だったのと、飯テロ漫画大好きなので購入しました。ドラマ化もされているんですね(存じ上げなかった…)。
    新米編集者の石田くんと、ゲイを公言している料理研究家の三ツ矢先生。年の差カップル(?)の二人が織り成すブロマンスです。

    元球児でワンコ系の29歳・石田くん。見た目も中身も好青年、大好きなタイプだ~😊
    そして54歳のイケオジ・三ツ矢先生。上品で優しい京都弁も相まって、何だか色っぽく見えますね。

    ストーリーはゆったり穏やかに時間が流れ、1話ごとに毎回違ったお料理が…というタイプ。今の季節柄、メインテーマではないですが第2話のサンマと白ご飯がすごく魅力的に映ってしまった✨
    レシピ本というよりは、純粋な飯テロ漫画です。お料理の作画も全部美味しそう!

    肝心の恋の行方は…というと、主役二人はくっつきそうでなかなかくっかない😣石田くんがモダモダしている中、三ツ矢先生のかつての恋人・世界的な写真家の野口さんが満を持して登場。物語のアクセントになっていきます。

    全体を通して、登場人物の心の動きが丁寧に描かれた作品。
    私は展開が早すぎてリアリティに欠けるストーリーが苦手なので、とても好きな作風でした。
    三ツ矢先生にしっかりと餌付けされてしまっている石田くんが可愛くて可愛くて…。まさにワンコ🐶
    そして本物のワンコのフリト、こちらもすごく可愛かったU^エ^U
  • どこにもない国

    草間さかえ

    目次さえあれば…
    2025年10月8日
    ずっと気になっていた作家様。そして戦中戦後の物語に興味があるので手に取りました。表題作をはじめ、大まかに分けると3つの作品(シリーズ)が収録されています。

    ハッキリ言ってしまうと、少し肩透かしと言うか残念な気持ち。
    表題作とその続編が短すぎました。それも何だか中途半端なところで終わってしまっているというか。
    真ん中に収録されている高校の同級生シリーズの方が長編ですし、そちらの方がメインと言ってもいいくらい。なんなら単行本のタイトルや表紙はそちらにした方が良かったのではないか。逆に、なぜそうしなかったんだろう…?
    私はあらすじと試し読みで表題作目当てで購入したので、まさかこんなに短くアッサリ終了してしまうとは思わず…。まるまる表題作ではないと理解してはいましたが、期待していただけにガッカリ感が強くなってしまいました。せめて目次を作って欲しかった。
    決してお話がつまらなかったというわけではないんです。単行本の構成にちょっとだけ不満が残りました。
    やはり目次が無かったことが…。それさえあれば一目で収録内容が理解できたので。

    あと一言だけ表題作に物申すとしたら、髪の色や独特な瞳の描き方のせいか、早川がどうしても敵兵に見えて仕方ありませんでした。
    当初は混血児の設定なのかと思いましたが、違うようだし…。個人的には黒髪の方が良かったんじゃないかと思います。
    差し出がましいようで申し訳ありません。
  • キスは捜査のあとで【ペーパー付】【電子限定ペーパー付】

    すう

    アラフォー刑事と塩対応の後輩くん
    ネタバレ
    2025年10月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作品は以前から存じ上げていましたが、ピックアップで表示されたのをきっかけに拝読してみようと。警察物も大好物です。
    田舎の警察署を舞台に、アラフォー刑事・多古井とイケメン後輩・塩野の恋模様がコメディタッチで描かれていきます。

    まず警察署のマスコット?で盛大に吹いた…😂こんにゃく!?
    地元がこんにゃくの名産地です😅そんな感じで1ページ目から別の意味で心を掴まれてしまった(笑)。あのマスコット本気で欲しいな…。

    私はノンケ+ケンカップル好きなので、この作品はドンピシャ。
    お人好しの愛されキャラ多古井さん、容姿がちょっと緩めなのがすごくいい。髪型とかもあんまり気を使ってない感じ(失礼💧)で、親しみやすい雰囲気が滲み出てます。
    塩野くんはクール系イケメン、多古井さんにだけ妙に突っかかる。つまり好きの裏返し…。好きな相手が誰にでも優しい人だから、嫉妬してしまうのわかるよ~。
    でも鈍感な多古井さんには、塩野くんの意図が全く伝わらない😣そこで女性警察官の江川さんがいい仕事します。というか彼女は別場面でもちょいちょいキーになること言ってくれてますね。
    そして、なかなか“しぶとい”多古井さんにしびれを切らした塩野くんの行動力よ…。それでもぐるぐる考えてしまうのが多古井さんなのです。いい加減降伏しなさいよ~と尻を叩きたくなってしまった😓
    絶妙な年の差と正反対の容姿・性格の2人、見ていてとても微笑ましかったです。

    余談ですが、亀って思いのほか長生きなんですよね🐢知人が飼ってるクサガメは38歳だそうです😲多古井さんと同い年…。
  • 飼ってない猫

    関口かんこ

    猫様とニンゲンの攻防
    2025年10月7日
    “くさっても猫なので”が最高に面白かったので、こちらも手に取らせていただきました。
    作者様・関口先生のアパートになぜか続々と押しかけてくる野良猫=“飼ってない猫”たち。彼らとの攻防が描かれた、こちらも爆笑必至の猫エッセイです。

    これもう1ページ目から笑えます。傍若無人で理屈の通じない猫様…、しかし彼らはそれで良い!
    ブサカワ猫ちゃんの描写が絶妙なのと、変な鳴き声の文字起こしが非常に秀逸です。あと、何で図体のデカい子ほど声が可愛かったりするんだろう…(謎)。

    彼らが持ってきてくれてしまう“嬉しくないプレゼント”、ほんとに嬉しくない…😱写真に収めてしまう先生は勇者だと思います…💦
    また、特に何もしていないのに猫ちゃんの方から集まってくるとは、彼らはもしかしたら猫好きの人間を察知できるのかもしれないですね😺

    家では虹の橋を渡った子たちも含め、最大時は雄4名・雌2名の計6名と同居していました(現在は半分に…)。
    猫を飼うまでの彼らへのイメージは、“ミステリアスで気位が高い生き物”。しかし雄猫たちと同居してみると、そのイメージが真逆!個人差はあると思いますが、ほぼ犬みたいなフレンドリーで甘えん坊な子たちばかりでした😅
    雌猫はお姫様(女王様)気質、こちらの方はイメージ通りかな。甘えたい時とそうでない時がハッキリしてます。そして何より雄猫たちよりずっと強い(大笑)。本作のミケと同じです😊彼女ほど凶暴ではないですが😓

    “くさっても~”を読まれた方や猫好きの方、猫飼いの方には超絶オススメの作品。私は笑いと元気をもらえました😄
  • 軍人流求婚【単行本版】

    萩原ケイク

    軍服+ツーブロ=最強&最高
    ネタバレ
    2025年10月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 軍人さん大好きなので、以前からずっと気になっていました。しかし、もともとは私の苦手ジャンルでほぼ読まないTLだったそうで。こちらの単行本版の方は、一般向けにかなり改訂が成されたそう。
    エロシーンがだいぶ削られたとはいえ、私が好きなのは某人気作品(海軍さんと奥様のお話)のような“もだキュン”…。
    かなり迷いましたが、表紙と試し読みでの武雄さんに骨抜きにされて結局購入。陸軍将校の大礼服、犯罪級の格好良さですよ…✨

    広告会社で働く俊奈。帰宅途中の彼女の前に、光とともに降ってきた謎の男性。彼・武雄は大正時代の陸軍中佐で、どうやら過去からタイムスリップしてしまったらしい…というストーリー。

    元がTLだからなのか、展開がだいぶ早くない?もっとモダモダしてくれていいんだよ~😊と私。
    そして現代の生活に馴染み始めた武雄さん、すっかりエリートサラリーマン風になってしまって…。
    オラは軍人としての武雄さんが見たいんだよ~、これじゃただのオフィス物じゃないか~😣
    と地団駄踏んでいたところ、二度目のタイムスリップ!今度は俊奈とともに、武雄さんの元いた大正時代へ。そこでも一悶着あり、彼が現代へ飛ばされた理由が明らかになっていきます。

    過去→現代→過去→現代と、結構忙しくタイムスリップしとる…。全体的には、なかなか面白い作品だったと思います。ラストシーンも素敵。
    ただ、私としてはエロシーンは無くても全然よかった。ご都合主義な展開も目立ったので、エロで尺を使うなら、その分もっと丁寧にストーリーを構成して欲しかったかな。
    一般向けでもエロ多いなと感じたので(個人的に)、TL版はどんだけなんだろう…😳エロ重視の方はそちらの方をぜひ。

    ただ武雄さんは文句なしに格好良く、実質彼に課金したようなものかもしれません😅軍服+ツーブロ、最高でした!
  • 明日屋商い繁盛

    ARUKU

    泣いてしまいました
    ネタバレ
    2025年10月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。和テイストで、もののけ・あやかしなどが登場する物語が大好きで手に取りました。
    事故で家族全員を亡くした秋緒は、遠戚から古道具屋を譲り受ける。そこには自称・唐傘お化けで男色家のキッカが居候している上、曰くありげな客や品が出入りする店だった。
    しかもキッカは、秋緒の友人・天宮と瓜二つ…。

    幻想的な世界観、この世ならざる者たちが数多登場するこの作品。当初は微笑ましいストーリー展開なのかと思いきや、良い意味で裏切られました。
    秋緒を惑わし“向こう岸”へ連れ去ろうという悪意を持つ者、思わずゾッとしてしまうような怪異の姿。それらが、一見ユーモラスなお話の中でピリッとしたスパイスにもなっています。

    もちろんそれだけではありません。自然と涙腺を刺激されてしまうような言葉や描写も、そこかしこにちりばめられています。
    近頃はこんなにも“生”と“死”というものの概念を考えさせられたことはなかったかも。作品のほぼ半分以上は泣きながら読んでいた記憶が…。

    そしてキッカと天宮が瓜二つだった理由、しっかりと腑に落ちました。
    また作中のゲストキャラたちが、現世でもそれぞれの縁で強く結ばれていることが窺え感無量。
    秋緒たちの今後も、絶対に幸せなものだと確信できる締めくくりです。

    恐ろしかったり、可愛かったり、切なかったり、温かかったり。たくさんの感情が溢れ出ました。
    最初から最後まで文句なしに素晴らしい物語。出逢えて良かった作品です。
  • 極東追憶博物館

    ARUKU

    大満足の短編集
    2025年10月5日
    ARUKU先生の作品は二作目の拝読。以前は癖のある絵柄が少し苦手かな、と思ってしまっていたのですが…。
    別作品を手に取った際、そんな思いなど吹っ飛ぶくらい素敵なお話で。他の著作も試し読みしてみたら、これが好みの世界観ばかり。絵柄で敬遠していた自分は本当に愚かでした、申し訳ありません😣
    あぁ読みたい作品がたくさん、次はどれを…と思う中、まず出版年が一番古いこちらの短編集から行こうと。
    あらすじで、全てハッピーエンドのエピソードだと書かれていたことも決め手になりました。

    別作品を読んだ際も思いましたが、台詞回しやモノローグがすごく自然というかセンス抜群というか…。変な引っ掛かりなどが一切なく脳内にスルスル流れ込んでくる感じ。
    上手い言い回しが見つからないのですが、文字を読んでいて非常に心地良い。どんどんページを捲りたくなる。

    バラエティに富む内容のエピソードは素晴らしいものばかり。その中でも私が特に好きなのは“ギャンブラー大竹”と“恋蜘蛛”。
    前者は大竹と斉木の夫婦漫才(違)が面白いのと、後者は大好きな帝国陸軍の軍人さんが登場するので(笑)。

    また、変な視点かもしれないですがモブの老人の描写がすごくリアル、誰もが実際にいそうな容貌。いい感じのおじいさまたちだな~と唸ってしまった。
    私の持論は“本当に絵の上手い方は年配の人物を巧みに描ける方”。つまりそういうことですね😊

    これはもう大満足の一冊でした。何度も読み返したくなる作品集です。
  • 花、防人に捧ぐ

    上村秀子

    これはダメだ
    ネタバレ
    2025年10月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 昭和初期、太平洋戦争のさなかが舞台とのこと。戦時中の物語にはとても興味があり、1話無料なので手に取ってみた、のですが…。

    華族のお坊ちゃまだという藍一郎にずっとイライラさせられっぱなし。“お坊ちゃま”だから高飛車なのもしょうがないか~(^^)と目をつぶって読んでいましたが、個人的なワガママのため、高志の召集令状を父の権力を使って止めていたという設定で我慢の限界。
    ちょっとこれ傍若無人の限度超えてるでしょう、ブチ切れてた六太のおばさんの気持ちわかるわ。
    自身の祖父も一兵士として太平洋戦争を戦ったので、フィクションなのは重々承知でも腹が立つ。
    実際権力者関係なら出征せずに済んだなんていうこともあったかもしれないですが、こうして漫画に描き起こされると単純に気分悪いな…。

    また、表紙ではわからなかったんですが作画が稚拙。前述の六太のおばさんなんか、「息子が戦死したのにあんたらは…」と激昂してるシーンなのにギャグ漫画みたいな顔になってます。その他背景のモブや建物なども、ちょっとな…と思うレベルで雑。

    キツい言い方をすると、緻密さに欠ける絵柄が時代背景やテーマに全く合っていません。超美麗な絵柄の作家様を見過ぎて目が肥えてしまったのかな…。
    もし絵のお上手な別の作家様が作画担当であったなら、また印象が変わったかもしれないと思います。

    以上の理由から、私とは相性の悪い作品だったようです。無料分の途中で読むのをやめました。残念です。
  • 山神様とおきにいり

    七瀬

    こんな山神様がいて欲しい
    ネタバレ
    2025年10月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ピックアップで表示され、あらすじを読んで、これは多分好きなタイプの作品のはず!と手に取りました。
    修理工の青年・宗一郎。山道で迷っていたところ、不思議な雰囲気の大柄な男性に助けられたことでお話は始まります。

    当初の予想通り、その世界観がとても好み。
    宗一郎が遭遇したのは山神様の紫苑。仕事の都合でその山道を定期的に通ることになった宗一郎は、それからも紫苑と度々顔を合わせ…。そして深い間柄になっていきます。

    上背がありガタイも良い紫苑、着流しが様になってます。悠然とした態度がまさに神様、貫禄たっぷり。
    宗一郎のビジュアルも良いんですよ。眼鏡に作業着という、今まであまり目にしたことがなかったタイプかも。真面目で誠実な好青年です。二人とも好き!
    ストーリーの流れはゆったり優しく、山神様というテーマにぴったり。木々の美しさや可愛いあやかしたちにもたいへん癒されました。
    ガッツリ系ではなく、作品が纏う空気感は穏やかで涼やか。BL要素は少なめですが、素敵なストーリーに満足です。

    地元がまさに大小様々な山に囲まれた土地なので、作中のような山道はめちゃくちゃ馴染み深くて。ここは地元か~!と。余談ですが、幾つかの山には興味深い伝説が残されていたり、天狗にまつわる非常に有名な場所もあったりします。
    県内で最も名高い山の神様は大百足に化け、大蛇に化けた隣県の山神様と領地を賭けて争ったのだとか(余談すぎてすみません…)。

    また基本的に山の神は女性だといわれていますが、男神がいる山もあると聞いたことがあります。無数に存在する山々の中に、作中に登場するような神様やあやかしたちがいたら浪漫だよなぁ…。
    そんなことを思いつつ、物語にどっぷり浸らせていただきました。
  • くさっても猫なので

    関口かんこ

    猫にもわかるように言って(笑)!
    2025年10月2日
    検索で偶然お目にかかったのですが、怪しい笑みを浮かべた青年が表紙にドーン!なのにタイトルに“猫”ってどういうこと!?と気になりすぎて…。
    猫好きの猫飼いとしては手に取らずにはいられない。そして拝読してみたところ、これはヤバい、面白い!なけなしの腹筋がバキバキに割れそうになりました😂
    主人公は小説家の陸郎。ある日彼の家に全裸の美青年が現れる。実は彼は以前陸郎に命を救われた猫で、恩返しをしに来たと言うのだが…。

    フワァ~ッと人間になることが出来たお蔭で、リクロー(陸郎)の家に居候が決まり“フジマル”という名までもらった美青年(猫ちゃん)。
    今の姿は人ではあるも、その中身はちゃんと猫のまま。なので人間の難しい言葉はチンプンカンプンらしい。
    「猫にもわかるように言って」からの「りかいした!!」が何とも可愛い+秀逸すぎてツボ。これ名言だと思う。

    猫ならではの自由さで、リクローの暮らしを掻き乱しまくるフジマル。恩返しのはずなのに全く恩返しになってないよ…😂😱
    けれどフジマルに一切悪気はなく、むしろ健気なんです。端から見ればとっても微笑ましいんですが、当のリクローはめちゃくちゃ大変だろうなとおもんばかってしまった😅

    うちのオジイ猫が無邪気で甘ったれな性格なので、もしこの子が人間になったら中身はフジマルタイプかもな…とふと思ってみたり😺
    猫飼いならクスッとしてしまうようなあるあるも多く、本っ当に面白かったです。個人的に超オススメのコメディ、犬派の方もぜひ!
  • 魔法の天使 クリィミーマミ 不機嫌なお姫様

    スタジオぴえろ/三月えみ

    クリィミーマミ好きだった方はぜひ!
    2025年10月1日
    ピックアップで表示された瞬間、「わ、クリィミーマミだ!懐かしい…」と即反応。
    子供の頃大好きだった魔法少女アニメ。本放送開始は丁度私の生まれ年だったようなので、おそらく再放送を観ていたのかも。小学生の女の子が魔法でアイドル歌手に…というストーリーは当時かなり憧れました。
    クリィミーマミの新しい漫画…?表紙の絵柄もほわっとしたパステルカラー調で、当時のアニメの雰囲気そのまま。しかもめちゃくちゃ可愛い!
    作家様はどなたかな?と思ったら、主にBL作品を描かれている三月えみ先生でびっくり!絵柄はアニメに寄せていらっしゃる感じ。より興味が湧いてしまい、手に取りました。

    本作はクリィミーマミのスピンオフ。マミの芸能界の先輩でライバル的存在でもある綾瀬めぐみがヒロイン。
    アニメ本編ではマミの秘密を執拗に暴こうとしたり、マミに対して嫉妬心むき出しだったり。子供心に嫌な女のイメージが強かったのですが…。
    このスピンオフでめぐみに対する印象が180度変化。アイドルとしての矜持、研鑽を惜しまない姿。マミに対して強いライバル心はあるものの、良き先輩としての一面も確かに持っている。
    子供の頃は主人公のライバル=嫌いというストレートな感覚でしたが、大人になってみるとめぐみの気持ちがよーくわかります。エールを送りたくなる…。

    クリィミーマミご存知ない方でも問題なく読めますが、ご存知の方、好きだった方には特にオススメ。
    私のようにめぐみに良い印象がなかった方でも、これを読めば彼女が好きになるかもしれません。
  • 【単話】逢魔時コンフュージョン

    あぶく/ちるちる(SANDIAS)/森悠/しお

    家系のお務めを引き継ぐと…!?
    2025年9月30日
    BL作品の新刊の中、イケメンの鬼?の表紙が目を惹きました。クリックしてみると、作画担当はあぶく先生。
    先生の作品で拝読したことがあるのは“放課後水入らず”のみ。しかもその作中では“人間”が一人も登場しなかったので、初めて先生の描かれる“人型をしたキャラ”をちゃんと目にしました…😅とても好みの絵柄です😊
    あらすじは家系にまつわる因習がテーマのようで、こういうの大好きだ~と手に取らせていただきました。
    母を亡くした高校生の双子の兄弟・静馬と拓巳。先祖代々の隠された務めを知り、兄の静馬は亡き母に代わって氏神の鬼の社へ…。

    これ、鬼の羅叉のキャラデザが本当に秀逸すぎて唸りました。特に「おっ!」と思ったのがあの衣装、曼珠沙華がデザインされているところ。私のツボをめちゃくちゃ刺激してきたぞ。
    使い魔?の羽月も烏天狗っぽくて好き。美男子の姿に変身したりしないのだろうか。ちょっと期待してしまう…。

    現在配信分(3話まで)の中でも、BL要素はしっかりとあります。因習的なものが背景にある濡れ場って、私はより官能的に感じてしまう😳
    十数年人肌に飢えていた羅叉と、彼との“儀式”に溺れる静馬。
    鬼×人間の高校生、二人の関係がどう変化していくのか気になります…。
  • 怪奇探偵 龍と虎【単話版】

    阿万野ユイ

    ホラー×探偵物
    2025年9月29日
    発売された当初から気になっており、1話目が無料ということで飛び付きました(無料大好き、有り難い…)。
    絵柄は文句なしにドストライク。内容はホラー×探偵×BL、これまた自分の好みにぴったりの作品。
    勤め先を解雇されて地元に戻った青年・虎珀(“琥珀”ではなく“虎珀”なのね)と、“グーパン”で除霊が出来るらしい探偵・龍之介。この二人が怪異に挑む、ホラーな中にコメディ要素も織り交ぜられたストーリー。

    表紙の絵柄に一目惚れした作品なだけあり、本編を見ても実にドストライクの作画。主役二人のビジュアルはもちろんのこと、虎珀に取り憑いているオバケも、コワいのか可愛いのか紙一重な感じが無性にゾワゾワする…。見た目はちょっと不気味なベイマッ○スのよう。
    それと、第1話にほんの少し登場する目がガンギマリのおまわりさん。なぜか彼がやたらと気になってしまった。やはり目力なのか…!?また登場しないかな。

    ただ、これはBL作品といわれると「ん?」と思ってしまう。今現在の配信分(3話まで)だけでは、BL要素はほぼ無いに等しいです。どちらかといえば少年・青年漫画のバディ物と表記した方がしっくりくる感じ。
    なのでBLを読みたい!という方には、今の段階では正直オススメはし難いかも。私はもともと物語の内容が好みだったので、BL要素ナシでも楽しめました。

    まだまだ始まったばかりの作品、展開次第ではガッツリBLになる可能性も…?期待大。
    絵柄は前述の通り文句なしですが、今後のストーリーは未知数。なので現時点での評価はトータルで星4つにさせていただきました。
  • (泣)-かっこ なき-

    西炯子

    “男の涙”がテーマのオムニバス
    2025年9月28日
    ピックアップで表示され、変わったタイトルに釣られました。
    西炯子先生の作品なんですね。お名前はよく存じ上げているも、今まで拝読する機会が一度もなかった…😣
    この作品はどちらかというとマイナーな方なのでしょうか。短編集、それも“男の涙”がテーマという、ちょっと珍しくて興味を惹かれる物語です。

    一話目の主人公はサラリーマンの岸田。彼は毎日早朝に出勤し、必ず会社のトイレにこもる習慣が。その日も誰もいないトイレでリラックス…と思っていたところ、一つの個室からすすり泣く声が!しかも、そのすすり泣きは毎日続くように。
    もはやルーティンであるトイレタイム、それを妨げられることに若干ストレスを感じ始めた岸田。泣いているのは一体誰だ?と探りを入れ始めます。

    トイレですすり泣き…、まさか怪奇現象!?と一瞬思ってしまいましたが、それではテーマに反しているなと😅
    泣き声の主は幽霊ではなくちゃんと人間です(笑)。未読の方は、それ以外はぜひネタバレなしで楽しんでいただけたら…😊

    “男の涙”…、実に良いです。普段男性が泣いているシーンなんて見ること自体が皆無なので、庇護欲を掻き立てられるとともにキュンとしてしまった😳
    また、全くBL作品ではないにもかかわらず、この一話目は見ようによってはほんのりBLの香りが漂っている気がしなくもない…。思わず物語のその先を妄想😓

    面白いオムニバスでした!オススメです。
  • あおに鳴く

    正解はわからなくとも
    ネタバレ
    2025年9月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ オススメで表示され、絵柄に惹かれて何となくクリックしたのですが…。
    正面の少年が手にしている飛行帽と、後ろ姿の青年の着衣に秒で釘付け。もしやと思いページを開いたらビンゴ、海軍航空隊の飛行機乗り…!
    これは読まずにはいられない。当時の飛行機乗り大好きなので、彼らが登場する物語は無条件で手に取ってしまう。初めてお目にかかった作品です、オススメよ表示してくれて本当にありがとう…。
    本作はタイムスリップ物。現代の高校生・司朗と、彼が保護した記憶喪失の青年・菊(仮名)とのお話。
    菊の古めかしい言動等で、まさか実際に過去から…?という思いがよぎる司朗。そんな中、菊の本当の名は鴻、さらに司朗の祖父・菊次郎とかつて懇ろな間柄だったことも明らかになっていきます。

    当初期待していた鴻が飛行機乗りとして活躍する場面は皆無に等しかったけれど、ストーリー全体としては満足いくものでした。
    結末に対して否定的なご意見もありますが、私はこの作品美しくて好きです。また、個人的には幸せな結末に違いないと感じました。

    もしあのゴム動力飛行機(鴻の搭乗機・二式水戦がイメージされている?)が着水することにより、過去と未来を行き来できるのだとしたら…。ラストシーン、もう一度飛ばした飛行機が着水した瞬間、司朗が視線を投げた先にはきっと鴻がいてくれるはず。
    「俺と生きてくれ」と、鴻がハッキリ司朗に告げている。空と海を渡る水鳥の名を持つ鴻です。過去から未来へと渡り、彼と司朗は再び出逢えているはず。

    作中の司朗の子供時代の写真が、祖父と二人きりだったものから両親と三人のものに変化しています。
    おそらく鴻が過去に帰り落とし前をつけたことで、彼の望み通り未来が良い方に変わった。菊次郎はしがらみから解き放たれ家族を愛すことができ、その息子もまた自分の子(司朗)を愛すことができた。
    そして今度は司朗の願いを叶えるため、未来から呼ばれた鴻は満を持して彼のもとへ。───作者様が明確な答えを出されていないので、これはあくまでも私の想像(妄想)に過ぎないのだけれど…。

    正解はわかりませんが、この物語はきっと幸せな結末なのではないかと。そうであって欲しいと思っています。
  • 加賀谷次長、狙われてます!【電子単行本】

    小山田容子

    BLと言っても過言ではない…!?
    ネタバレ
    2025年9月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ オススメで表示された作品。タイトルや表紙の雰囲気からBLと勘違い😓カテゴリは女性漫画でした。
    でも、あらすじには何だかアヤシイ文言が…!?その内容に興味津々。フォロー様方のレビューにも惹かれ、無料分があったことも後押しになり拝読してみました。
    主人公はエリート銀行員の加賀谷次長。イケメンでシゴデキな彼、案の定モテまくり。しかしそんな彼の一番の喜びは、女性と関わるよりも優秀な人材を育成すること。次長の周りには、彼を慕い憧れる人々がいっぱいです。

    ほんのりコメディタッチで描かれていく本作。銀行のお仕事って難しそう、理解できるかな?と思いつつ読み始めましたが、これが面白くて止まらない。お仕事漫画というよりヒューマンドラマの面が強いです。
    +加賀谷次長の魅力!切れ長の目のイケメンで、性格も穏やかでスマート。そんな人が時折感情昂ぶらせたりすると、そのギャップに「おぉっ!?」と思ったりますよね。

    私的には設楽くんが他人と思えなかった…😣自分と少し似ている部分があります。白を白、黒を黒と言って何が悪い!?こちらが正当なのになぜ謝らなければ…!?というなかなかストレートなタイプ(やや拗らせ気味)。
    そんな頑なな彼も、加賀谷次長の丁寧な指導によって徐々に心を開いていき…、次長LOVEにまで無事到達(笑)。BL作品ではないのにそれっぽい描写が多々あるので、そわそわザワザワしてしまいました😅
    次長が目をかけてあげている大学生・陽斗くんも頑張り屋さんで母思いの優しい子😭キャラの背景がしっかり描かれているので、それぞれに感情移入しやすいのもいいところ。
    陽斗くんと設楽くんの関係性も微笑ましいし、次長と陽斗くん、もちろん設楽くんと次長も…!みんなあまりにも尊すぎる!
    キャラだけでなく、前述の通りストーリーの面白さも太鼓判。続刊も購入決定です。
  • 魍魎の匣

    京極夏彦/志水アキ

    匣の中を覗いたが最後…
    2025年9月24日
    志水アキ先生のコミカライズ版“百鬼夜行シリーズ”、現在出版されている分は全て読破しております。
    その中でも取りわけゾッとした物語がまさにこの“魍魎の匣”。私的には最もグロテスクな描写が多いと感じ、当初は最も苦手なエピソードでもありました。

    しかしシリーズを何度も読み返しているうち、実はどれより心に焼き付いているのはこの物語かもしれないと思うように。
    二人の少女と若き幻想小説家の数奇な運命が交錯する…。戦後間もない昭和の時代と不可思議な事件が見事にマッチした、悍ましくも美しく感じてしまうストーリーです。

    物語冒頭、匣の中に入った少女が一言つぶやく「ほぅ」。このシーンが後々トラウマになりかかるくらい印象深かった。
    匣の中を覗いてしまったがゆえに、ある者の人生が狂っていく。やがて複数の事柄が絡まり一つになり、恐ろしい事件が浮き彫りになる。そして最後に古本屋兼神主・“京極堂”こと中禅寺秋彦が、その難解な事件を紐解いていきます。

    私は原作小説の方は未読なので恐縮なんですが、もはや京極堂といえば志水先生の作画で再生されてしまうほど。メインキャラの榎木津、木場、関口たちも、もう完全に作中のキャラデザで刷り込まれております。

    それと本作のゲストキャラのデザインで特にいいな~と思ったのが久保竣公。美青年風ながらどことなく神経質さが漂い、危うげな雰囲気も兼ね備えている。あとあの髪型も昭和のインテリな感じがよく出ていると思いました。
    そんな志水先生版・久保のイメージは、若かりし頃の鳥○実さんだそう。わかる…!初見では「誰かに似てるなぁ、誰だっけ??」と思いつつ本編を読んでいた思い出。
  • 年下上司は褒められたい【単行本版】

    みなもやかづき/.Poika編集部

    やっぱりスーツ姿!
    ネタバレ
    2025年9月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の絵柄でずっと気になっていた作品。セール中だったので大喜びで購入しました✨
    サラリーマン物は好きなジャンルの一つです。何よりスーツ姿が堪らない…!スーツは男性を格好良く見せるアイテムの一つだと個人的に思っております👔

    絵柄に惹かれたこともあり、雨宮と柏木のビジュアルは全く文句なし。黒髪キャラにハマることが多い私、やはり今回もまず柏木の方に目が行きました。ホクロの位置が絶妙なせいか、そこはかとない大人の色っぽさを感じます。
    対する雨宮だって超絶いい男。シゴデキな上、外見も内面もイケメンだなんて…。実際こんな人がいたら失神レベルですね(と言うか是非いて欲しいよ~😣)。

    お互いを褒め合うことから始まり、ゆっくり丁寧に距離を縮めていく二人を見ながらニマニマしっぱなし。
    ストーリーは特に何かが起こるわけではないのだけれど、ただ二人のやりとりを見ているだけでも私は十分満たされました。まだまだ若い20代の上司と、落ち着いた30代の部下…。非常に素晴らしい組み合わせでした😳

    あと、やっぱりスーツは欠かせないですね!スーツを脱ぐ姿やネクタイ緩める姿って、何であんなにエロティックに見えるんでしょうか…😓
  • みいちゃんと山田さん

    亜月ねね

    難しくて根深い問題
    ネタバレ
    2025年9月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 話題の漫画なので気になっており、1巻分が無料だったので拝読してみました。
    取っつきやすい可愛らしい絵柄からは想像しづらい、だいぶハードな内容になっています。キャバクラ嬢の山田さんと、その友人となったみいちゃん。彼女が何者かに殺害されてしまったという衝撃的な結果ありきで、物語は過去に遡って描かれていきます。

    境界知能、もしくはそれ以上の…、と思われるみいちゃん。境界知能・軽度知的障害については、以前他の作品やネット等で詳しく知りました。知的なこと意外に判断能力に乏しく、結果、トラブルや犯罪に巻き込まれやすいのだそう。
    作中のみいちゃんの常軌を逸した行動(明確に言えば犯罪)に度肝を抜かれた私。誤解を恐れずに言うと、正直ここまでひどいとは。
    善悪の判断が全く出来ていない…。いけないことと懇々と説明しても理解してくれない彼女、非常に歯痒く思いました。

    そんなみいちゃんの昔からの友達として登場するのが、同じく知能に問題を抱える女の子・ムウちゃん。
    彼女の場合は万引きを繰り返したことで逮捕され、それによって出所後にケースワーカーがつきます。そのお陰で、皮肉にも何とかまともな生活に引き戻された。しかしみいちゃんは…。二人の今後の明確な分岐点を見せられたようでした。

    みいちゃんについても何とか福祉関係に繋げられていれば、最悪のケースは免れたんだろうなと思ってしまいます。
    保護者の教育方針一つでその道が閉ざされてしまうとも知り、考えさせられました。

    みいちゃんの身に一体何が起こり、冒頭のような事態にまで行き着いてまったのか。心して見守りたいと思います。
  • 守り金魚

    m:m

    美しい兄弟愛と夫婦愛
    ネタバレ
    2025年9月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ フォロー様のレビューで非常に興味を惹かれた作品。試し読みだけで「あ、これは絶対好き」と確信し、購入しました。
    拝読してみて大正解、“好き”どころか“大好き”な世界観。素敵なレビューありがとうございました😊
    時代設定は明記されていませんが、おそらく近代でしょうか。

    1巻は舞踊の家元の跡取りである藤清・松清の兄弟と、夏祭りで買った一匹の金魚のお話。
    モノクロームの中に映える紅い色が何とも魅惑的で、繊細で美しい作画と物語に即座に引き込まれました。
    溢れる才能を持ちながらも肺病を患い、余命僅かの藤清。兄を愛し慕う弟・松清は、せめて寂しくないようにと、思い出の金魚を彼の側に。
    ある晩藤清は夢を見ます。それはまるであの金魚にも似た不思議な少年の夢で…。

    2巻は成長した藤清と、彼のもとに縁あって嫁いできた志津がメインに描かれるお話。もだキュン系が大好きな私は、この2巻のストーリーがものすごく好みでした。
    美男子の藤清に対し、自身は特別美人でもないのに…と気後れする志津。そんな彼女への藤清の言葉がびっくりするほど男前なのです。
    外見も内面もいい男な藤清、これは惚れてしまう…😳そんなお兄ちゃん大好きな松清。取られたくないよね、すごくよくわかるよ…💦

    1巻は幻想的で美しく、2巻はほんのりと優しくて微笑ましい。巻ごとに少し印象が異なる物語です。
    兄弟の愛と夫婦の愛、どちらも見事に紡がれています。2巻を読み終えた後、すぐにその続きを読みたくて堪らなくなりました。
    これで完結だなんてもったいない。藤清と志津の日常をもっと見たかったし、松清も交えての三人揃った物語も見てみたかった…。十三年後の梅の木もきっと、綺麗な花を咲かせ実を結んでいることでしょう。
  • たったひとつのことしか知らない

    本田

    秀逸すぎる短編
    ネタバレ
    2025年9月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 小学生時代にほんの少しの間だけクラスメイトだった藤ノ木と赤岩。なぜが気の合う二人でした。
    二十年経ちサラリーマンになった今、藤ノ木の楽しみは赤岩から不定期に、しかも非通知でかかってくる電話。赤岩は今どこで何を…?

    面白い設定のお話だなと思い手に取りました。二十年間お互いの顔も見ておらず、繋がりと言えば非通知の電話だけ。しかも、いつかかってくるかすらわからない。
    それでも二人にとっては大事な繋がりで、それが彼らの友情の在り方です。余計な詮索はせず、その時々の会話を存分に楽しむ。他者に何を言われようと、それは確固たるもの。

    赤岩は海外にいるらしく、単純な私は成功者になったのかな~などと軽く思いながらページをめくっていくと…。
    えっ、何これ!まさか…!?と予想すらしていなかった展開に驚愕。
    怒濤の流れの後、ラストの二人の三十年ぶりの再会で思わずホロッと。嫌な予感もあったので、その分どっと安心感が。
    おまけ漫画も良かったです。これからもずっと末永く続いていくのだろう二人の友人関係が感じられました。

    本当に久々に顔を合わせた二人は随分年齢を重ねていたけれど、赤岩を見て「ぜんぜん変わらない、その泣き方も知ってる」と口にした藤ノ木。三十年も会っていなかったはずなのに、ごく自然に出たその一言。
    子供時代から切れずに続く濃厚な友情、それが二人の間にいつまでも在り続けているんだなと。藤ノ木の何気ない言葉が非常に沁みました。

    この先の二人の物語ももっと読んでみたい。強くそう思いましたが、この作品はギュッと詰まった短編だからこそ味があるのかもしれません。
    読後感は爽やかで晴れやか、とても秀逸なストーリーでした。
  • noicomi鬼の花嫁

    富樫じゅん/クレハ

    人気作らしいけれど…
    2025年9月21日
    一時期ひっきりなしに広告が流れてきて、本編を読まずとも大体のストーリーの流れが把握できてしまった作品😅
    アニメ化するほどとは、人気作だけあってきちんと読めば面白いのかな。せっかく無料分もあるので読ませていただきました。

    その結果、ヒロイン柚子が私には魅力的に映らなかった。私が好きなのは自分から可能性を切り開いていくタイプのヒロインなので、柚子は真逆。特に何もせず男に守ってもらっているだけ。
    また他のレビュアー様の多くが書かれておられますが、より高いランクのあやかしに見初められた女が勝ちだなんて、何時代だ…💦その上どんなに最低な性格だとしても、相手が惚れてくれればそれだけでOKな世界なんですね。内面の美しさは一切無関係だなんて、ちょっとやるせないなぁ…。

    それとあやかしのランクについて。私はもともと妖狐が大好きなんですが、作中では鬼よりランクが下なんですね…。
    自分が今まで読んできた漫画では、妖狐と鬼って力が同等、ライバル関係として描かれることが多かったので…。あからさまに鬼の方が上の位置付けなのが、妖狐好きとしては残念だったな😣まぁ、性格悪い妹の婚約者の時点ですでにお察しなのですが😩

    また、ところどころ日本語が変…というか、言葉の使い方がおかしい部分があって気になりました。
    例えば、“妖狐のあやかし”という言葉。“頭痛が痛い”みたいな言い回しになってませんか?“狐のあやかし”もしくは単に“妖狐”だけでいいと思うのだけれど。読み始めからそれがずっと気になってしまい、物語に集中できませんでした。細かくて申し訳ない…。

    上記の理由で私はハマれませんでした。共感できる要素が皆無だったので。若い方向けのお話だと思います。
    絵柄は嫌いではないので、その分星1つプラスで。
  • 神村道楽堂二階イ号室

    八島時

    まるで少女漫画のような…
    2025年9月20日
    ランキングを見ていて気になった作品。BLには珍しい、一昔前の(失礼)少女漫画みたいな絵柄だなと思ってクリック。
    漢字とカタカナのタイトル+表紙には着物姿の青年。近代が舞台かと思いきや、バリバリ令和の物語でした😅
    大学進学のために上京してきた水木柚。彼が下宿することになった“神村道楽堂”の大家・練二と、二人を取り巻く人々も交えたハートフルなお話。

    作画もストーリーも表紙の通り、まるで平成の少女漫画のようで懐かしさまで覚え…。思わず「これBLだよね?」とカテゴリを再確認してしまった😓
    作者様の他作品を拝見したら、やはり少女漫画を多く描かれているよう。なるほど。

    主人公の柚はワケあり家庭で育ったのですが、この子が何しろいい子なのです。今時こんな子いないでしょ!と思うほどスレてない。
    同じくワケありな子供時代を過ごした大家の練二。彼はもちろんのこと、他の店子や近所の人々、老若男女から可愛がられてしまうという少女漫画によくある展開(BLですが)。
    そして裏社会等も関わってくるストーリーであるも、思わず突っ込みたくなるご都合主義も多々。にもかかわらず、なぜか温かく見守りたくなってしまう作風なんですよね。やはり昔読んだ少女漫画を彷彿とさせるからなのかな…。

    正直“ガッツリなBL”を求めている方にはおすすめしがたい作品。ブロマンスに近いというか、見ようによっては前述の通りほぼ少女漫画かも。
    ですが私は嫌いじゃない。作中のご都合主義展開さえ、どういうわけか逆に心地良くすら感じます。子供時代に目にしたような懐かしい絵柄、優しいストーリーの成せる業かもしれません。
  • 百と卍

    紗久楽さわ

    まさにお江戸にぴったりの絵柄
    2025年9月19日
    興味のある時代物なので、作品自体は存じ上げていました。未読のまま月日が経っていたけれど、待ってました無料…!しかも4巻も😆これに乗じて拝読。嬉しい…😄
    伊達男の卍と陰間あがりの百樹、江戸の町を舞台に二人のラブラブな日常が描かれます。

    1巻の表紙の絵柄で少し癖がある感じ?と思っていましたが、ページを開いてみると、まさに時代にマッチしたとんでもない色っぽさ。
    着物や風景の緻密な描写はもちろん、江戸弁での台詞回しも小気味良い。そして何と言っても愛に溢れた濡れ場。美しいよ…!

    私は江戸が舞台のBL作品は他にも数作品拝読しているので、独特な台詞の書き方、作画の描き込み等には全く違和感を持ちませんでした。
    ただレビューを読ませていただくと、BL作品には時代物の細かいこだわりは不要、というご意見もあるのですね。
    私は逆で、たとえBLだとしても、時代物ならその時代に見合った考証がしっかり成されていた方が断然嬉しい。というか、考証が甘いと萎える上に読む気すらなくす面倒くさい人間です(何よりもストーリー重視)😣
    とは言いつつ、一つの作品でも色んな意見があるのは当然のこと。レビュアー様方のレビューはいつも参考にしており、学ばせていただいてもいます。いつもありがとうございます😊

    紗久楽先生は他にもたくさん素敵な時代物を描かれているので、次はどれを手に取ろうか目移りしてしまう…。楽しみが増えました。
  • 島さん

    川野ようぶんどう

    ぜひ読んでみて欲しい作品
    2025年9月18日
    以前別のサイトさんで無料の1話分を読み、好きな作風の漫画だなと。
    もっと読んでみようかなと思っていたところ、シーモアさんで全巻無料とは!太っ腹~😆早速拝読させていただきました。

    コンビニの深夜アルバイトのおじいちゃん・島さんを主役に描かれていく1話完結型の人間ドラマ。ベテランだけどおっちょこちょい、でも意外と頼りになったりもする島さん。
    何とその背中一面には、普段の彼に似つかわしくない立派な龍の刺青が。かなりワケありな過去を持っていそう…。

    最初はギャグっぽいテイストのお話かな?という先入観があったのですが、すごく深くて心に沁みるストーリーです。泣けます。
    仕事で疲れている時や嫌なことがあった時、無性に読みたくなるような物語。生きていれば色々あるけど、人生嫌なことだけじゃないよね。そんな風に感じさせてもらえます。

    もう島さんのあったかい言葉や行動が全身に刺さりまくり。作中のキャラたちも島さんに感化され、徐々にではあるもポジティブな考え方に変わっていくので、読者の私も嬉しくなります。
    そんな素敵なおじいちゃんである彼の過去、それを知ってまた涙。あの背中の龍にはそういった意味があったんですね…。

    これはぜひ多くの方に読んでいただきたい。島さんから元気をもらえること間違いなし。オススメです!
  • 軍人の新妻~怜悧な軍人と凍てついた令嬢~【分冊版】

    扇レンナ/三ツ葉やこ

    突っ込みどころ満載の叔父様
    ネタバレ
    2025年9月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ オススメで表示された作品。あらすじの“帝国陸軍”という四文字に思い切り釣られたのですが、表紙の軍服で物凄く嫌な予感。私の見知った陸軍の軍服じゃない…🙄
    思った通り、帝国陸軍と謳ってはいるものの架空の軍でした😵紛らわしい…😣
    でも、読んでみればもしかしたら予想外に面白いかもしれない。無料分もあることですし、せっかくなので拝読してみました。その上で感じたことをお世辞なしに書かせていただきます。

    登場する陸軍将校たち、みんな年齢の割にやたらと階級が高過ぎる。まずそこで萎えてしまいました。“若いのにとても偉い旦那様=ヒロインの格も上がる”という意図なのだろうか…。何だかな😩
    作中に表記してある年齢なら、全員2~3階級くらい下の方がリアリティがあると思う。架空の軍なので、すでにリアリティも何もないのですが…。
    また、それ以上に違和感がすごかったことが。ヒーローの上官がヒロインの実の叔父、ヒロインを非常に可愛がり心配もしている設定だと。ならばなぜ、継母たちにいじめ抜かれているヒロインを長年そのままの状況に置いていたのか。すぐに自分の養女にするなり、救い出す方法はいくらでもあったはず。
    “私の力が及ばず”って何…。まずはそこを納得できるように詳しく説明していただかないと。一体今までどれほどの事情があって可愛い姪を助けられなかったのでしょうか。
    姪のこととなると見境が無くなるほどなら、部下との縁談持ってくる前にすぐに行動起こしなさいよ…。

    突っ込みどころ満載の叔父様、そんな叔父様に器量良しと言われながらも全く美人に見えないヒロイン、ストーリーは二番煎じ…。続きを読む気は到底起きず、無料分まででサヨウナラですね。
    辛口評価で申し訳ありません。
  • あたらよのほし

    灰音

    妖しい情報屋とワンコ系警察官👮
    ネタバレ
    2025年9月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 明治時代+警察官、自分にとって何とも魅惑的なワードに誘われ手に取った作品です。
    主人公は巡査の鷹森星次郎。巷を騒がせている殺人事件を捜査中であるも、依然として何の手掛かりもない。そんな中、先輩警察官から“謎の情報屋”の噂を聞き…。

    ストーリーは推理物のような幕開けで、ミステリーも大好きな私は早速興味津々。
    子爵令嬢までが被害者となった連続殺人、解決の糸口さえ見えない事件に何とか手掛かりを。ただの噂でしかない“情報屋”に、藁にもすがる思いで接触を図る星次郎。そこに現れたのが、吉原遊廓に暮らす男・清助です。

    情報と引き換えの報酬は途方もなく、払えないなら自分に身体を売れと清助。
    対する星次郎、そんな突拍子のない条件は当然突っぱねるのかと思いきや、葛藤しつつも受け入れようと…。
    何だとぉ~😲切羽詰まってるからって、いくらなんでもチョロすぎじゃないかい!?
    バカ正直なワンコ系巡査(受け)😆可愛いけれどちょっと素直すぎて、今後もワルい人に言いくるめられちゃいそうで何だか心配。仮にも警察官なのに…。
    そして清助は遊廓の男なだけあって海千山千、星次郎の一枚も二枚も上手を行きます。そんな彼に話の矛盾を突かれて困り顔の星次郎も可愛いのです。まさにワンコです(二度目)。

    主役二人の関係の行方も気になりますが、ミステリー好きとしては作中の事件がどう展開していくのかも楽しみの一つ。
    またキャラのビジュアルについては、黒髪短髪+警官の星次郎はドンピシャ。生真面目な性格もたいへん良いです。逆に、清助のような捉えどころのない優男は好みから外れてるんだよなぁ、ちょっと残念(好きな方すみません…)。

    全体的な評価は、これからの期待も込めて星4つにさせていただきました。
  • ながたんと青と-いちかの料理帖-

    磯谷友紀

    お料理もストーリーも素晴らしい💮
    2025年9月14日
    お料理がテーマ、時代は戦後間もなくの頃ということで、好き要素満載のため気になっていた作品。
    夫を戦争で亡くした京都の老舗料亭の長女・いち日。傾きかけた実家を立て直す資金を得るため、大阪のホテル経営者の三男・周を婿に迎えることに。ですが、彼は何と15歳も年下の学生さん…。

    ひとまず無料分の3巻まで拝読しましたが、前述の通り好き要素に溢れたお話でした。
    まず第一にヒロインいち日。嫌味のないサッパリした性格で好感が持てます。大人の女性らしく、適度な落ち着き具合いが◎。よくありがちなバタバタ騒がしいヒロインではないのが逆に良い。
    そして旦那様の周、表紙の印象からおっとりした優しい人かと勝手に思っていたのですが…。真逆!
    ズバスバ物を言うし、なかなかキツいな~と。しかし裏を返せば正直なだけ。思ってもいないお世辞を言う人より余程信頼できる性格です。

    政略結婚で夫婦となったこの二人。料亭“桑乃木”の立て直しに早速取りかかるのですが、出てくるお料理がどれもこれもおいしそうで困ります。
    思わず「食べたーい!」と思ったのがいち日の周への“愛妻弁当”・だし巻き卵のサンドイッチ。これはもう完全に飯テロ漫画の側面もあると思います。
    そして夫婦関係はというと蝸牛の歩みで、私の好みでもある“もだキュン”系。15歳差の彼女らが徐々に…という感じが可愛らしくて堪らないです。ちょっとアッサリしすぎじゃない?とすら思える二人の関わり方が新鮮。

    いち日たちを取り巻く人間模様も面白いし、お料理はもちろん戦後のお仕事やファッションを見るのもすごく楽しい。時代背景などについてもしっかり構成された物語だと思います。
    また最初は不思議な響きのタイトルがかなり気になっていたのですが、意味を知って納得。いち日と周、夫婦二人を表す素敵なタイトルでした!
  • 口紅 美しき軍医の一生

    川端新

    切なくも美しい…
    ネタバレ
    2025年9月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 検索でお目にかかり、表紙の美しさに惚れ惚れした作品。まさにその中の麗人が身に纏っている帝国陸軍の軍服にも惹かれました。
    時代は大正、主人公は陸軍幼年学校の軍医・緒方朔。自身の父親もまた軍医であった。
    女性的な美しい容姿で、幼い頃から綺麗なものが好き。そんな彼は自身の性別に違和感を持っており、その想い人は、あろうことか姉の夫。

    心と身体が一致しないながらも、軍医の子であり長男でもある朔。父と同じ道に進みますが、その美貌のため本人の意思と無関係に嫌でも人目を惹いてしまいます。
    時代背景含め軍という男社会では、朔のような人々は取りわけ生きにくく辛い思いもしたはず。
    それでも彼は外見だけでなく内面も美しく誇り高い。格好良くて凜としています。

    そんな彼の一番の理解者だった姉、そして姉の夫───つまり朔の想い人でもある義兄で軍人の吉良。姉は関東大震災で、そして吉良は異動となった先のシベリアで不運にも…。しかもその異動は、朔に執着する者の嫉妬による策略。

    最愛の人たちを亡くした上、凜として見えながらも自身のジェンダーに葛藤し続けた朔、彼が最終的に選んだ道。
    ただただ切ないですが、時代背景も相まって、私はこの物語にはこの結末がしっくりくる気もしました。

    また、それぞれの巻の表紙の絵を見比べてみると、その時々の朔の心の内がしっかりと表に描き出されている気がします。
    特に1巻と3巻の表紙は一見似た表情ですが、軍服姿の1巻よりも、女性服姿の3巻の方が顔つきがずっと柔らかい。やはり、そういうことなんだろうな…。

    カテゴリはBL漫画ですが、少し特殊な設定のため、BLかというと微妙に違うような…。強いて言えばブロマンスのような雰囲気でしょうか。
    幸せな結末でないと!という方には強くおすすめできませんが、何とも儚く美しく、いつまでも余韻が残る作品でした。
  • 九十九

    琥狗ハヤテ

    人と九十九神の短編集
    ネタバレ
    2025年9月11日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買い。長い年月を経ることによって命を得た“もの”・九十九神。彼らと人とが邂逅する短編集です。

    表紙の二人は一番初めの“とらのとりこ”に登場。夜毎呻く虎の絨毯と、そのお祓いを頼まれた若き宮司のお話。
    かつて腹を裂かれた苦しみが未だ癒えないという九十九神の虎。いっそもう一度殺してくれと宮司に訴えかけるが…。
    ───その結末は、自分の想像と全く異なったものでした。そう来たか…!

    他のお話のテーマも興味をそそられるものばかりで、お箸、茶釜、枕、そして異色の近未来物までも。それらに加え、少し長めのシャーマンのお話が一編収録されています。
    どのエピソードも甲乙付けがたい上、やはり琥狗先生といえば人外キャラのデザインが秀逸。
    ただ一つ一つのお話がかなり短いので(最後の一編以外)、欲を言えばもっと長くそれぞれの世界観に浸りたかったな。短編集なので仕方ないのですが…。

    それと、毎度おなじみのおまけ4コマはやっぱり可愛かった😊
  • 逢縁カタルシス

    大島かもめ

    大正浪漫大阪編
    ネタバレ
    2025年9月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。時代は大正ということで、自分の好みにぴったりの作品。表紙も美しい。
    近代の物語はよく読みますが、大阪が舞台のお話は初めて。薬種商の若旦那・竜次と、新しく運転手として雇われた近藤とのお話。

    関東大震災によって職を失い、縁あって竜次のもとへやって来た近藤。まずは冒頭の無理ありすぎるエセ関西弁に吹き、心を鷲掴みにされました。
    また、車を“なおす”の意味を勘違いし、まさに“直そう”とする実直(というか天然?)ぶりにもすっかりやられてしまった。方言って面白いな~、同じ文字の並びでも地方によっては全く違う意味になるんだもんな~と、別の側面でもニマニマさせていただきました。

    初めはそんな近藤の方に目が行きがちでしたが、丁稚から若旦那にまで成り上がった竜次にも少し複雑な過去があり…。
    ただ当の竜次が基本前向きな性格の上、近藤も前述のように生真面目で竜次一筋。二人の掛け合いも面白いんです。
    そしてあの時代の和装と洋装が入り混じったレトロな雰囲気!近代好きには堪らない素晴らしい要素の一つですね。

    ストーリー全体を見てみると、確かにレビュアー様方が書かれているように淡々と進んでいく感じではありました。
    しかし近藤と竜次にとっても読者の私にとっても、まさに“カタルシス”というタイトル通りの素敵な作品だったと思います。
    続編を読みたくなってしまった…。
  • おひとりさまホテル

    まろ/マキヒロチ

    自身が旅行している気分で…
    2025年9月9日
    作者様の“いつかティファニーで朝食を”も拝読しており、こちらも読みたいな…と思っていたら2巻分も無料になっている!今がチャンスとばかりに、まず無料分までを。

    ストーリーの流れは“いつかティファニーで~”とほぼ同様。登場人物たちが全国各地に実際にある様々なホテルを訪れ、おひとりさまを満喫します。

    2話目の佐原はこの間旅行したなー、こんなホテルがあったんだ…😊などと思いつつページをめくって3話目。まさに自分の出身地の駅の描写。二度見するほどびっくりした…。
    うわわ、まさかの地元😲と読み進めると、全然存じ上げなかった超モダンなホテルが。思わずグー○ルマップで調べると、学生時代ウロウロしていた大通り沿いに、つい最近オープンしたよう。
    「全国のホテルだから地元が紹介されてたら面白いな、そんなことあるわけないけど(笑)」なんて思いながら読み進めてはいましたが、まさか本当に、しかもこんなに早々と登場するとは思わなんだ😓
    “いつかティファニーで~”のヒロインたちも私と同郷なので、もしや作者様も?と思ったら、ご自身ではなく大好きなバンドの地元だということでした。なるほど謎が解けた。

    前述の“いつか~”もそうですが、私はストーリーを読むというよりはパンフレットを見るようなていで楽しみました。
    登場人物を自分に置き換え、自身が素敵なホテルでくつろいでいる妄想…😌現実に返るとちょっとむなしくなりますが😣

    ただレビュアー様方のおっしゃるとおり、この系統の作品は回を重ねるごとにマンネリ感が否めなくなってしまうのが難点ですね。
    それでも私は自分が旅行しているような気分になれ、十分雰囲気を味わえました。
  • 兎太と烏堂

    tacocasi

    とある国の王子と従者たちの旅
    ネタバレ
    2025年9月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様の“うしみつどきどき古書店譚”の世界観が好きで、こちらの作品も気になっていたところ…2話分が無料!有り難い…。

    物語の舞台は中華風ファンタジーのような世界観です。文官である烏堂は孤児から成り上がったためか、出世欲が非常に強い青年。自らの美貌を上手く使い、時には目障りな相手を蹴落とし、文字通り出世街道まっしぐら。
    だが少しやり過ぎたようで、逆に何者かに嵌められ突然左遷。新たな職務は、変わり者で好奇心旺盛な第4王子・宇斗の世話係。しかも王子の護衛である兎太とは相性が悪そう…。

    王子はというと、辺境の霊峰にいる仙人に弟子入りしたいのだと。その突拍子のない目的を達成するため、世話係の烏堂と護衛の兎太も付き従っての珍道中が始まります。
    BLとしての濃度は薄めですが、“物語を読ませるタイプ”の作品で、私はとても好き。異国情緒溢れる旅の描写に心が躍ります。

    王子を守る烏堂と兎太の二人は、まさに正反対のタイプながらどちらも魅力的。でも、どちらかというと私はワイルドで無骨な武闘派・兎太が好み(傷跡だらけのガチムチの身体が…)。従者二人が仲良しさんではないところがこれまた私好みの設定。
    また王子はしきたりで成人するまで人前で仮面を外せないらしいのですが、その下の素顔はきっと美少年なんだろうなと想像してしまう…。独特な絵柄も世界観にぴったり。

    ファンタジーな物語が好きな方に特にオススメの作品。武闘派と頭脳派のCPもドストライク。面白く読ませていただきました。
  • マトリの推し事 芸能人の家宅捜索をやりたくて

    清家孝春/廣畑徹(元厚生労働省麻薬取締部捜査第一課長)

    主人公に生理的嫌悪感
    ネタバレ
    2025年9月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 他の漫画サイト様で初めてお目にかかり、気になっていた作品。警察物好きなので手に取ってみました。
    マトリの主人公はオタク気質で、唯一の癒しは芸能人の推し活。そんな中、彼女が推している若手俳優に薬物使用の疑惑が。そこからストーリーが進んでいきます。

    オタクなマトリということで、珍しい設定だなー可愛めなお話なのかなーと思って読んでいったのですが…。何だか想像していたよりもかなりぶっ飛んでおりました。

    主人公がオタクなんていう可愛いレベルじゃなく、マニアを通り越してもはや異常というレベル。
    推している芸能人の自宅を家宅捜索する場面、そこでの行動がストーカーレベルでヤバい。証拠品という名目で私物をくすねようとしたり、“別の目的”でゴミを漁ったり…。
    もう生理的に気持ち悪く、お前が犯罪者じゃん!とドン引き。そしてもう一つドン引きしたのが、あれだけ推していた芸能人なのに、逮捕後はまるで忘れ去ったかのようにアッサリ次へ乗り換えていること。そしてその芸能人も薬物使用で逮捕されると、また次へ…。

    何だコイツは、推してる相手に対して何の思い入れもないただのミーハー女じゃないかとイラッ。主人公に一つも感情移入できる面がなく、それどころか嫌悪感が膨れ上がるばかり。
    ストーリーの流れ上、ある程度仕方ない設定なのはわかるんですが…。主人公の考えや行動に対してストレスが溜まることが非常に多く、純粋にストーリーを楽しめなかった。

    本当は(主人公のせいで)星1にしたいところですが、作品のテーマ自体は面白いと思うので、甘めの採点で星2にさせていただきました。
  • デビューマン

    吉本蜂矢

    DK三人のおバカな共同生活😂
    2025年9月8日
    こんなマニアックな漫画がシーモアさんにあるとは驚き😲知る人ぞ知る作品ではないだろうか…。
    もう20年近く前に単行本を買い、腹が捩れるほど笑った作品です。当時ですら、紙の本さえほとんど出版されてなかったのではないかな(私は運良くコンビニで手に入れました)。懐かしすぎて思わず電子にも手を出してしまった😅
    主役は三人のDKたち・トビ、千代彦、アサヒ。金もないし彼女もいない。そんな彼らのアパートでの共同生活やスクールライフが描かれる、メチャクチャおバカでちょっとお下品なコメディです。

    時代的には1990年代後半~の高校生たちが描かれるので、私は世代ドンピシャ。おそらく作中のキャラたちの年齢は私の一個上くらい(当時)?と想像できます。コギャルやルーズソックスが流行った時代のお話です、懐かしい…。

    自由を謳歌するために親元を離れ、共同生活を送ることにした主役の三人。ですが行き当たりばったりな計画がそう上手くいくはずもなく、トラブル続出。
    お年頃なDKたちの生態が開けっぴろげに描かれ、ハチャメチャなテンションで進んでいく物語。なので、はっきり言ってかなり読む人を選ぶと思います。
    またDKが三人もいるからにはBL風な雰囲気もあったり!?と思いきやそんなこともほぼなく、しっかり女子も登場するし、何なら軽く絡みもある。
    しかし作品のノリやテイストが私のツボにはぴったりハマったらしく、何度も読み返してしまうほど。読むたびに高校生時代を思い出し、懐かしくなってしまいます。

    2巻まで出版されていますが、おそらく打ち切りと思われる終わり方。それゆえか、2巻目の最後の方はちょっとグダグダ感が否めないことだけが残念。

    アラフォーの方だったら、当時の髪型やファッションなどでニヤッとしてしまうこと請け合いの作品です。
  • 狐のよすが

    ミナヅキアキラ

    異種族間の温かい愛
    ネタバレ
    2025年9月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ お狐さま大好き&鳥の中では猛禽類が大好きなので、好き要素がいっぱいだ~と飛びついた作品🦊🦅

    なのですが…。まず作品のあらすじを読み、「お腹の中でずっと一緒」という一文でこれは地雷!と思ってしまったのです。“大事な人の一部になる”には、つまり相手に命を差し出すということ。そういった考えは相容れないぞと。
    しかし、そこでちょっと待てと。このお話の登場人物はあくまでも自然界に生きる動物たちであり、人間ではない。人間の道理など当てはまらない、弱肉強食の世界に生きている者たちだった。それをようやく思い出した私(←早とちりのバカ者)。
    危うく変な思い違いをしそうになっていました、すみません…😣早速手に取らせていただきました。
    狐の九重と、雛鳥の頃から“食いもん”として彼に育てられた鷹の子・よすがのお話です。

    まずこの作者様の絵は惚れ惚れするほど美しいですね。登場人物はみな擬人化された動物たちですが、それぞれの特徴をよく捉えてデザインされているし、衣装も素敵。

    そして本題である異種族間の愛。同じようなテーマの作品は他にも読んだことがありますが、やはり一筋縄ではいかない。
    しかしながら、九重とよすがの絆は何よりも固いものでした。あらすじの印象からメリバとかだったら切ないなぁと思いつつ読んでいたので、ホッとして泣けてきた…😢

    人間のそれとは異なった、自然界で生きる者たちの愛と理。美麗な筆致で描かれる作画とストーリーが素晴らしかったです。
  • 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~

    日向夏/倉田三ノ路/しのとうこ

    中華系作品の中で一番好き
    2025年9月7日
    だいぶ前から拝読している作品ですが、まだレビューを書いていなかったので遅ればせながら…。

    ライトノベルは未読で、漫画から入りました。以前はスクエニ版も読ませていただいておりましたが、今ではこちらのサンデー版一本。話の構成がよりわかりやすく、スッキリしていて凜とした絵柄が魅力です。

    初めて出会った時は無料分まで…と思っていたのですが、めちゃくちゃ面白くて止まらず、結局購入😅ミステリー・謎解き物大好きなので、どハマりしてしまいました。
    ヒロイン猫猫のキャラクター性が何ともニクいんですよね。媚びず、へつらわず、我が道を行く。
    美男子の壬氏さえも邪険に扱うところがすごく好き😊あと、今まで女性に邪険にされたことなど一度もない壬氏の反応に笑った😂まさかそう来るとは…!

    そして言わずもがなストーリーも素晴らしい。複雑に入り組んでおり読みごたえたっぷり。中華系作品でここまで面白いと思ったのはこの作品が初めてかもしれません。
    未読の方いらしたらぜひ読んで欲しい作品。某お菓子のように止まらなくなります(笑)。
    私は“今日は一旦ここまで”と思いつつも、ついつい続きを読んでしまっていました…😓
  • 大正曼殊沙華~未亡人は参謀将校の愛檻に囚われる

    無憂/白井粥

    ヒロインは子持ち未亡人
    2025年9月6日
    歴史カテゴリでお目にかかり、表紙の軍服を見て「わぁ~大好きな陸軍将校が登場するお話!?」と早速クリック。
    原作小説があり、そのコミカライズ版なんですね。数話無料だったので、まずは試し読み。作品のジャンルとしては女性漫画になっています。

    開始早々ヒロイン史乃たちの濡れ場が挟まれたので、これ女性漫画というよりTLなのでは…?と疑問が。
    私は濡れ場が見たいんじゃなくて“物語”が読みたいんだよな~とページを閉じかけましたが、せっかく無料分があるのだからと読み進めることに。
    舞台は大正十年。祖父の生まれ年だ…、百年以上も前ですね。実際の出来事である“尼港(ニコラエフスク)事件”を下敷きに、物語は展開します。
    取材のためロシアへ渡った新聞記者の夫。幼い娘とともにその帰りを待ち続ける妻と、思わぬ理由で彼女に接触してきたエリート陸軍少佐とのお話。

    おこがましい言い方になってしまいますが、こういったジャンルではあまり見られない重厚な設定でびっくり。当初は舐めてかかっていました、申し訳ありません。
    本格的な帝国陸軍の描写、そして史実をしっかり絡めた物語だったことが、私的にはすごくポイントが高かった。この系統の作品には軍人さんが付き物でもありますが、そのほとんどが“架空の軍”という残念すぎる設定ばかりなので…。

    また“子持ち未亡人”がヒロインだなんて珍しいなーと思っていましたが、史乃の亡夫・良平と清河少佐、二人の関係性で思わずニヤリ。それなら未亡人でも子持ちでも問題ないよね~と。

    絵柄については綺麗だとは思います。ですが、男女ともにグッとくるような妖艶さが足りない。
    作画は線が細く、あくまでも現代風な感じが否めず。欲を言えば、時代背景に合う滲み出るようなしっとりした色気が欲しかったな。

    トータルで評価は星4つ。もともと大好きでこだわりも強いテーマだったので、やや辛口にさせていただきました。
  • 百鬼調書 怪異調査はこちらまで

    倉一ひや

    キャラのビジュアルは物凄く好み
    ネタバレ
    2025年9月5日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ミステリーのカテゴリでお目にかかった作品。あらすじを読むと、ミステリーというよりはホラー・オカルト的な内容でしょうか。
    分冊版の方の1話分が無料になっていたので、ひとまずそこまでを拝読してみました。

    とある市の怪異専門の調査機関に出向することになった榊。実は彼は超怖がりなのだった…。だがそんなことを言っている暇もなく、先輩の椚とバディを組んで忌み地の調査に向かいます。

    とにかく主役二人のビジュアルがドンピシャで好みでした。作画もすごく良い。個人的に満点。
    しかし…。メインテーマである怪異について、根本的に何も解決しないまま終わるんですよね。“調査機関”だからなのか、文字通り調査するだけでおしまい。
    読者の私からすると、「あれは一体何だったのでしょうか…」的な終わり方でモヤモヤが過ぎる😣私はまさに“何だったのか”を知りたいんだよ~😵
    こちら単行本版のレビューを読ませていただくと、その後のエピソードも同じような感じで続くらしく…。
    私は怪異→真相→解決までのお話を求めていたので、申し訳ないのですが購入までは至りませんでした。
    ただ、主役の榊と椚のキャラデザが本当に好みなんです。これがBL作品だったら大喜びなんだけどなぁ~と何度も思ってしまった💧残念…(すみません)💦

    絵柄は非常に綺麗なのですが、ストーリーがちょっと惜しい。評価は中間を取って星3つにさせていただきました。
  • おまえの靴を履いてみる【合冊版】

    望月わらべ

    とにかくストーリーが面白い
    ネタバレ
    2025年9月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ フォロー様方の高評価レビューで気になってはいたのですが、以前立ち読みした時は、絵柄がちょっと好みじゃないなぁとそのままに…。
    だがしかし!単話版の方がピックアップで表示され、しかも無料分がたくさん。その無料分だけでも読んでみようとページを開いたら、すごく面白い!高評価レビューの意味がわかりました。

    高校生のキヨと律、バイであるキヨの方が先に律を好きになり、二人のアオハルな高校生活が描かれていきます。
    が、そんな甘酸っぱい内容だけではないのがこの作品の醍醐味。
    律は家庭の事情が複雑らしく、過干渉の母親を持ち驚くほどの箱入り。そのうえ幼馴染み・的場が粘着質なストーカー…。

    もはや的場が登場するだけで私もイラッとさせられるように。あの腹立たしい薄ら笑いを見るたび、「お前~嫌われてるのがわからんのか~💢」と後ろから跳び蹴りを食らわせたくなり(私はゴリラ)。
    また息子をダシに使うなど、思考が捻れた律の母も大嫌いなタイプ。都合が悪くなると泣き出すので、またしてもイラッと。「泣けば済むと思うなよ~💢」と律に代わって暴れ回りたくなるほどでした(ゴリラ再び)。

    私からするとだいぶ狂い気味の身内に、幼い頃から圧迫されつつ生きてきた律。そんな彼の救いになったのが、明るくてあったかいキヨです。おとぎ話なら王子のような存在と言っても過言ではないかも。
    今まで母や的場をはっきりと拒絶できなかった律も、最終的には自身の言葉で彼らと対決。これもキヨとの出会いがなければ、ずっとそのままの状態だったんだろうなぁ…。

    もうドラマのような内容がすごく面白かったです。途中からBL的な展開はそっちのけで(笑)、ハラハラしながら見守ってしまった。
    肝心の恋愛面ももちろんハッピーエンド、ご安心下さい。予想以上の良作でした。
  • サイケデリア【電子限定描き下ろし付き】

    高橋秀武

    高橋先生の刑事物は間違いない
    2025年9月3日
    青年漫画の“トクボウ朝倉草平”の頃から大大大好きな作家様。“トクボウ”含め“雪と松”、“スティグマタ”、“花と銀”を拝読しましたが、この作品だけなぜか漏れており、未読だった…!何てこと😵早速手に取らせていただきました。

    新米刑事の溝尻(ミゾ)の憧れの人は、外見も内面も非の打ち所がない先輩刑事の日野。しかも、性的な意味でも彼のことが好き。
    ある日、二人で発砲事件の容疑者を追う中、溝尻が目を離した隙に日野が撃たれ意識不明に。自宅謹慎を命じられる溝尻だが、そこで思いも寄らぬ事態が…!

    過去作の“トクボウ”や“スティグマタ”はもちろんのこと、生き霊がテーマの本作も、高橋先生が描かれるバディはどれも魅力的で引き込まれます。
    刑事物という一つの括りの中でも、(言うまでもありませんが)全てが異なった世界観で、露ほども内容が被ることがない。+骨組みがしっかりしたストーリー。素晴らしい…。

    そして唯一無二の独特な絵柄も堪らなく好きなんです。この作品では日野先輩の美しさにノックアウトでした。
    美男子にはなぜこうも流血が似合うのだろうか…。まさに自分が幽体離脱しミゾに乗り移ったかのような状態で読ませていただきました。

    そのミゾも、長身ながらワンコ系で何とも言えない可愛さ。180センチの大型ワンコです。先輩を思ってメソメソ泣いているシーンでは、不覚にもキュンとしてしまった…。

    また高橋先生はBL作品での方が知名度がおありだと思いますが、ちょっとマニアックでハチャメチャな刑事物の“トクボウ”も物凄く面白い。とっても癖の強いバディが登場します。
    BLではないうえ絵柄も青年漫画寄りの作品ですが、興味がある方はそちらもぜひ読んでいただきたいな。オススメです。
  • 恋人がウブすぎて困る【電子特別版】

    広田

    ピュアで可愛すぎて困っちゃうよ…!
    ネタバレ
    2025年9月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まさにタイトル通り、DK同士のウブでピュアすぎるお話です。
    クラスメートの陽キャ・日山くんに突如告白された、地味系男子の長谷川くん。それはあまりにもピュアで、あまりにも尊い恋物語の幕開けでした…✨

    付き合うって何するの?からの交換日記だと…!?やだぁ~可愛すぎだろ😆君らは小学生女子か!
    などと突っ込みを入れつつ、甘酸っぱさに身悶えしながら読ませていただきました。
    夏休みや修学旅行、文化祭…。高校生ならではのイベントごとのエピソードが、どれも転げ回りたくなるほどウブくて可愛いんですよ。
    やっぱり学生さんが主役のBL作品は、無意識なのか意識的になのか“ピュア系”のお話を選んでしまうなぁ💦若い子には出来るだけ純粋でいて欲しいという母心みたいなものなのだろうか…😅

    もう最初から最後まで、すごく幸せな気分にさせてもらえるストーリーです。
    ただ一つだけ言うと、長谷川くんの後輩くんがあまり好きになれなかった…。男子なのに外見も内面もぶりっ子っぽくて、ちょっとイラッとしてしまいました。
    物語のアクセント(当て馬?)的存在なのだろうけど、私的には彼は要らなかったかな(好きな方すみません…)。

    あと余談ですが、日山くんのお兄ちゃんのおみやげのお菓子“灰色の恋人”で吹いた😂
    何その不穏なネーミング…と思ったら黒ごまラングドシャなのね(だから灰色)😲!なるほど芸が細かい🤭
    しかも“灰色の~”が急遽長谷川くんへの誕プレになってて二度吹いてしまったよ😅
  • もっけの万々歳!

    伽奈茶井子

    妖怪の父親が三人も…!?
    2025年9月2日
    ピックアップで初めて表示され、表紙で一目惚れしてしまった作品。
    その雰囲気から勝手に「BL…!?」と思ってクリック。…が、あらすじを読むと、BLではなくファミリー物のコメディでした😅
    しかしその風変わりな内容に思い切り惹かれ、まずは試し読み。

    14歳の女子中学生・宝子には、何と父親が三人いる。しかも彼らはそれぞれ大天狗・死神・河童という正真正銘の妖怪。
    娘が可愛すぎて目に入れても痛くない!と思っている父親たちと、人間の子である宝子。川沿いのボロアパートで四人仲良く暮らす彼らの、ちょっとオカルトチック(?)でハートフルなコメディです。

    まず父親が三人も、しかもみんな妖怪ってどういうこと~!?と気になりすぎて手に取りましたが、そんな疑問さえ吹っ飛ぶほどキャラが魅力的。
    三人の父親たち(妖怪)、みんな違ったタイプのイケオジです。ミドルエイジ好きでもある私にはパラダイス😆
    大天狗の慈楼坊、死神の鎌一、河童の珊平。1巻表紙にメインで描かれているのが慈楼坊なんですが、私はまず最初に彼のビジュアルに心を撃ち抜かれました👺
    そしてページをめくればジト目のインテリ・鎌一と垂れ目のミーハー・珊平。…全員好き!三人ともそれぞれの良さがあり、誰か一人だけなんてとても選べない…(笑)。
    そんな妖怪三人組がなぜ人間の女の子の父親をしているかというと、それにはある深い事情が。読み進めると明らかになってきます。

    娘の宝子もめちゃくちゃ良い子。彼女を猫可愛がりする三人組の気持ち、わかります。あと宝子の髪型が“○子ちゃんカット”なのがちょっとだけツボだった😅

    宝子と父親三人組のわちゃわちゃした日常が、他の妖怪たちも交えながらほんのりユルめに描かれます。もののけ・あやかし大好きな自分にとってすごく好みの作品でした。
    そしてここだけの話、父親三人組のBL風味な番外編も見てみたい…。そんなことを思ってしまった私は脳が腐っています、すみません…🙇

    作者様の前作の“塩坊主に惚れたキツネ”も評価が高いので、そちらも気になっているところです。
  • コッコとのこと

    三田六十

    涙が出るほど優しいお話
    ネタバレ
    2025年9月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ オススメで表示されて以来、ずっと興味を持っていた作品。丁度セール中だったので滑り込みセーフで購入しました。雄鶏同士の擬人化BLとは面白いお話ですね🐔

    養鶏場の孵卵器で生まれた主人公コッコ(養鶏場ではぴよちゃん)。優しい雌鶏のお姉さんたちに囲まれ、自分が雄鶏だと自覚せぬまま育ちます。そんな彼の夢は“卵を産むこと”なのですが…。

    可愛らしくて繊細な絵で描かれる、メルヘンチックな物語。しかしながら、ところどころ現実に引き戻されるシーンも少なくない。
    コッコがお姉さんたちによって養鶏場から逃がされた理由は、彼が実は雄鶏であり、そのままいれば“お肉にされてしまう”から。
    擬人化されているので忘れてしまいがちなんですが、彼らは鶏なんですよね…。逃がされたコッコが天敵に追われながらも、やっと安住の地を見つけられたことにはホッとしました。

    そこでイケメンの雄鶏オットと出会うわけですが、何しろ無知で純真無垢なコッコが可愛い。誰にも教えてもらえなかったために、未だに自分は雌鶏で卵を産みたいと願っている。そこに付け入ろうとするオットも、最終的にはコッコの愛らしさにベタ惚れになってしまうのです。

    優しくて温かくてじんわり泣けるストーリー。読んでいると心が浄化されていく…😢
    私はコッコのようなショタっぽいデザインのキャラは苦手ではあったのですが、このお話にはこのキャラデザでないとしっくり来ませんね。何よりお話が素晴らしかったので、そこは特に気にならずに読めました。

    童話のような素敵なお話です。重めの作品を読んだ後は、こちらで癒されることもオススメ。
  • ミドルエイジはやさしく愛したい

    町屋はとこ

    ミドルエイジ好きには絶対読んで欲しい!
    ネタバレ
    2025年8月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まさにミドルエイジ大好きなので、タイトルと表紙でずっと気になっておりました。試し読みの時点ですぐに心を掴まれてしまい、早速購入。何これ始まりから面白い…。
    元飲食業の阿南駈と元ツアコンの井田賢治、ともに45歳で今はバイト生活を送る大人な二人の恋模様。

    主役二人と自分の歳が近いせいか、物凄く沁みるお話でした。
    ある程度の経験を積んできたからこそ、臆病になったり勢いのままに進めなくなったり。若い頃ならその若さに任せて一直線!でも何とかなったけれど、年齢を重ねるごとに頭でっかちになってモダモダ…。
    更に深い関係になることを恐れてしまうミドルエイジたち。そんな彼らを焦れったく思いながらもキュンキュンさせていただきました。

    作画もとても美しいのです。こんなに格好いい45歳いる!?と心の中で絶叫。
    もちろん若さに満ちた男の子もとっても魅力的なんですが、ミドルエイジにはミドルエイジなりの素晴らしさがある。目元の皺一つとっても私には魅力たっぷりに映ります。眼福…。

    肝心のストーリーの方も、前述の通り言葉にならないほど素敵。これからの人生、ずっと二人一緒なんだな、と思うと胸がいっぱいに。こちらまで幸せな気分にさせてもらえました。北の大地で仲良くね…✨

    これは購入して大正解!ミドルエイジ好きな方、興味ある方にはぜひ読んでいただきたい作品です。
  • 悪魔の花嫁

    あしべゆうほ/池田悦子

    オムニバス作品として読みました
    2025年8月30日
    小学校低学年時代、親戚のお姉様に譲っていただいた漫画の中の一つがこの作品。懐かしい…!
    当時はちょっと難しくて敬遠していましたが、中学生くらいになった頃に読み返したら面白くて止まらなくなった思い出。少女漫画ながらダークな世界にハマっていました。
    引っ越しの際に単行本を整理してしまったのですが、シーモアさんに無料分が。本当に久々に拝読しました。

    ヒロイン美奈子は悪魔・デイモスの恋人であり花嫁だと一方的に告げられ、彼に執着されることに。その日から、美奈子の周りでは不可思議で恐ろしいことが次々起こり始める。
    各話に美奈子やデイモスが関わってくるも、毎回ゲストキャラが登場する一話完結スタイルでストーリーは展開します。

    私は主役二人のしがらみは一旦置いておいて、ホラーでミステリアスなオムニバス作品として楽しみました。
    どのエピソードも全く異なった恐ろしさ。スカッとする内容とは程遠く、仄暗い余韻がずっと後を引いている感じ。ですが、それがまた癖になるんですよね。悪魔も人間も怖い…、そんな風に思わせてくれるエグいお話ばかりです。

    絵柄や台詞回しはさすがにちょっと古いかな、と感じますが、今でも十分楽しめる内容だと思います。
    基本一話完結で進むので、ホラーが苦手でない方はぜひ。
  • 針鼠とコントラスト

    ほとなか

    光と陰とハリネズミ
    ネタバレ
    2025年8月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ “恋の幽霊”に癒されたので作者様買い。“恋の~”とは全く違う作風ですね😲美麗な絵柄にも惹かれました。
    主人公はネカフェでバイトを始めた大学3年生・明石陽太。
    超ビビりな性格を直すための初バイトだったが、なぜか同僚たちの間で“女癖の悪い遊び人”という根も葉もない噂が立ってしまう。本当はボッチでコミュ障の童貞なのに…。
    そんな中、バイトリーダーで陽太の教育係・影井零斗(大学2年)だけは彼にも気さくで優しく接してくれる。次第に零斗を信頼し始める陽太だったが…!?

    美しい作画で描かれるコメディです。その対比が何だかとても良いんですよね、ギャグ絵も様になっている。
    陽太の独白が結構笑えるんですが、ちょっとその気持ちわかるかも。
    ビビりを隠したくて強く振る舞ううちに、次第に弱さがバレるのが怖くなり。やがて人付き合いが上手くできなくなったという陽太。零斗曰く、まるでハリネズミのようだと。
    全てぶっちゃけた陽太を元気付ける優しい優しい零斗ですが…。陽太に対する不穏な噂を流したのは彼かも?という疑惑が。

    普段はキラキラした光属性の零斗、実は陽太のことが好きで執着している陰のあるヤンデレ。1巻で半ば強制的に二人は付き合うことになりますが、陽太は常に振り回されっぱなしです。
    私は相手を追い込むタイプのヤンデレって苦手な方ではあるんですが…。綺麗な絵柄と陽太のビジュアルが好みなこともあり、読み続けられました。
    当初はヒヤヒヤしたけれど、零斗と陽太の仲も次第に深まってきて良い感じになってますね。
    そして、何と言ってもはりぃくんがめちゃくちゃ可愛かったです😆癒しをありがとう…😊
  • 恋の幽霊

    ほとなか

    幽霊さん含め全員可愛い💖
    ネタバレ
    2025年8月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ とっても可愛い男子高生同士のブロマンスです。
    クラスメイトの静夜のことが好きな冬馬。彼は、ある日突然幽霊に取り憑かれてしまう。自分にしか見えないと思っていたその幽霊、想い人の静夜には見えるらしい。
    しかも幽霊は、お節介なことに冬馬と静夜を何とかくっつけようと後押しまで…!?

    ホラーは苦手という方、ご安心下さい。本作はホラーではなく、表紙の通り幽霊さんはめちゃくちゃ可愛いです😊表情豊かな上に冬馬の味方、静夜への恋まで応援してくれるという世話焼きぶり。

    この“幽霊”についてなんですが、正体が明かされた時、あっと驚くとともに「そうだったのか~」と納得。最初の方に少し伏線のようなものがありましたね。

    とにかく初めから終わりまで、ただただピュアで可愛くて優しいお話。前述の通りブロマンス止まりですが、ほんのりあったかい気分にさせてもらえます。
    私は幽霊さんが推し(笑)。初々しい高校生たち(+幽霊)の微笑ましくて甘酸っぱいやりとりも見どころです。
  • ノイジールームメイト ~家ナシになったのでイケメンと怪異つき物件で同居始めました~

    緒崎カホ

    怪異物件に挑むバディもの👻
    ネタバレ
    2025年8月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ホラー系コメディBLということで、ホラーもコメディも好きな要素なので手に取ってみました。まずは無料分の1巻を拝読。
    怪しい不動産屋に雇われた主人公・黒江旺介と金髪イケメン・結城虹生がバディを組み、様々な怪異物件を浄化(?)していくストーリー。

    今流行りの事故物件系のお話かと思いきや、1話目には伝統的な日本の妖怪である雪女が登場。
    「あれ、想像してた展開とちょっと違うな」となったものの、読み進めるとこれが意外と面白いです。
    旺介が拾われた不動産屋にはもう一つの顔があり、前述の雪女や河童など、“怪異向けの物件仲介”をしているらしい。実は虹生もここの社員。
    昔は上手く人と共存していた怪異たちも、都市開発が進んで住める場所が年々減り、逃げ場として未入居物件を占拠してしまうことがあるのだと。
    そんな彼らと立ち退き交渉するのが仕事であるものの、虹生は霊力が強すぎて怪異に避けられてしまう。逆に旺介は強力な引き寄せ体質らしく、この二人が組めば最強!ということらしい…。
    “家なき子”だった旺介は何だかんだ上手く丸め込まれてしまい、虹生と一緒にお仕事に勤しみます。
    1巻では平和的な可愛らしい怪異のお話が多いですが、“赤い部屋”のエピソードはちょっとゾッとした…。

    BL的な展開はゆったりめ。無意識に虹生とくっついて寝てしまったり、彼との距離の近さにドキドキしてみたり、旺介がアワアワしているのが可愛いです。
    一緒に行動するうちに次第に心を許せる間柄になっていくのが何だか良いなぁと。箱入りでほぼ何もできない旺介の世話を焼く虹生が優しい…😆私も旺介同様彼のことが「思ってたのと違う!」となりました😊
    ブロマンスかと思いきや、巻を追うごとに二人の仲が進展するようなので、期待しながら読み進めていこうと思います。
  • 蒼究の十字架

    大竹直子

    花のように、儚いながらも美しい物語
    2025年8月26日
    作者様買いです。“しのぶれど”~“白の無言”の帝国陸軍が舞台のお話がとにかく大好きだったので、こちらも。
    本作は陸軍の特攻兵が主人公となっています。もともと非常に興味があるテーマだったこともあり、手に取らせていただきました。
    そして青年漫画にカテゴライズされているとおり、BLではありません。ほんの少しブロマンス風味を感じますが、全年齢の方が読める内容だと思います。

    英(はなぶさ)省吾は花屋の息子。かわいらしい容姿や家庭の事情から、近所の悪ガキに絡まれることもしばしば。
    幼馴染みの正平兄ちゃんは、陸軍士官学校に首席で合格し、今は飛行将校を目指すエリート軍人。そんな彼に憧れ、ともに戦いたいと省吾は自らも陸軍の飛行機乗りになることを決意します。

    省吾たちの搭乗機として一式戦闘機・隼が描かれ、実在の著名なエースパイロット・加藤建夫陸軍少将の名前も挙がります。本当に偶然なのですが、とある博物館で加藤少将機仕様の塗装が施された隼を見学してきたところ。すごくタイムリーだった…。
    また特攻隊の取材をライフワークにされているという大竹先生の作品ですので、当然のごとく陸軍の航空兵の装備等もしっかり考証が成されています。素晴らしい。

    美麗な絵柄も相まって、ただひたすら切なくて儚く、そして美しくもある物語です。
    生き残ろうと思えば生き残れるチャンスがあったにも関わらず、祖国や戦友を思う心・軍人としての矜持がそれを許さない。もはや勝ち目はないと薄々感じながらも、死地へ赴く気骨ある若者たち。
    現代に生きる私にとっては、それが歯痒くて堪りません…。

    読みきりのためか、お話の進み方はだいぶ駆け足。なので、欲を言えばもっと長尺で省吾と正平の関わりを追いたかったです。
    ですがとにかく作画が素晴らしい。かわいい省吾と男前の正平。大竹先生が描く凛々しい飛行機乗りが見られたことはとても満足でした。
  • トーチ【コミックス版】

    ニャオスキー

    一見何でもないドライブ風景
    ネタバレ
    2025年8月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ フォロー様のレビューでコミックス版が出たことを知りました。ありがとうございます😊
    単話版で思い切り心を揺さぶられた本作ですが、こちらコミックス版の方もしっかり購入させていただきました。読み切り1本と描き下ろしも収録され、ボリューミーな内容になっています。
    タクシードライバーとお客たちが織り成す、ちょっと不思議なストーリーのオムニバス作品4編。

    どれも違った魅力を放つエピソード、その中でも私は特に3話目の“最後の旅”が印象深かった。
    物語の舞台は昔懐かしい日本の田舎の景色の中。かつての地元に旅行に訪れたというシニアの男性カップルを乗せ、タクシーは走ります。
    ドライバーと男性客たちの何気ない世間話、読み進めるうち次第に「あれ、もしかして…」という思いがよぎる。

    優しい風景描写、幻想的な蓮池での思い出、仲違いの原因となった言葉。全てがリンクしていく。
    お見事としか言えない巧みなストーリー展開です。読んでいるうちになぜか自然に涙が出てしまった…。

    もちろん他3編も素晴らしく、「さすがニャオスキー先生!」と拍手したくなるエピソードばかり。一見何でもないような普通の情景が、やがて映画も顔負けのファンタジックでドラマチックなものに変わっていく。
    そして後書きも素敵だった。作品タイトル・“トーチ”に込められた意味が胸を打ちました。

    ぜひ多くの方に読んでいただきたい作品。心からおすすめです。
  • 白の無言

    大竹直子

    それぞれの運命に呑まれる二人
    ネタバレ
    2025年8月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 五編の読み切りのうち、表題作“白の無言”について。
    シリーズ作品である“しのぶれど”、その番外編“貴様と俺”を先に拝読し、ようやくこちらにたどり着きました。随分と期間が開いてしまった…。
    微笑ましくて可愛らしくもあった前述の二作品。それらと大きく違い、本作は“幸せな結末ではない”。先にそう知ってしまったがゆえに、読みたい気持ちはあれど覚悟が決まらなかったのです。
    寝かせて寝かせて、やっと読むことができました。

    時代は昭和初期。陸軍士官学校の同期で良きライバル・親友同士である高橋と桐島。“しのぶれど”では、この二人の日常風景と淡い恋心がコミカルに描かれました。
    本作では陸軍の青年将校らが起こしたクーデター、二・二六事件を背景とし、彼らはそれぞれの運命に呑まれていく。
    官僚と軍人。己の信念を貫くため、道を分かつ高橋と桐島。そして二・二六事件は起こり、“敵同士”とならざるを得ない二人…。

    まさかのラスト。しばらく茫然…。“しのぶれど”での二人を見ているからこそ、切なくて切なくて。
    できるなら“しのぶれど”のほんのり緩い世界を永遠に繰り返して欲しいと思ってしまう。
    後ろ髪を引かれるような別れ方をしたまま五年、一度も顔を合わせることがなかった二人。桐島は高橋が置いていった軍刀で…という描写、それが高橋に対する桐島の想いの全てですよね。
    二人とも確かにお互いを想い合っていたはずなのに、五年前の最初で最後の交わりが幸せに満ちたものではなかったのが悲しい。
    そんな中でも耽美さと背徳感を感じてしまう濡れ場は美しくてゾクッとします。ただモブレのシーンもありますので、苦手な方はご注意を。

    “しのぶれど”・“貴様と俺”を読まずとも理解できる展開になっている本作ですが、未読の方はぜひその二作とも読んでいただきたいです。高橋と桐島の人となりがより深く窺い知れ、より深く物語に入り込めること間違いなしです。
    ※出版年は本作が一番早いですが、時系列は“しのぶれど”→“貴様と俺”→本作となっています。
  • アキはハルとごはんを食べたい おかわり!

    たじまこと

    相変わらず美味しそう😋
    2025年8月23日
    “アキはハルとごはんを食べたい”の続編。前作で両思いになった二人は、今作では社会人です。ただアキの勤務地が大阪のため、現在遠距離恋愛中。

    ストーリー展開は前作同様ですが、こちらでは二人の関係が少しだけ進展しています。
    とは言ってもやはりBLというよりブロマンス風。私はある意味飯テロ漫画として読んでいるので、その辺りは問題ナシ。

    普段あまり会えない二人はビデオ通話でやりとりも。アキからリアルタイムで料理のレシピを教わり、四苦八苦しながら調理するハル。その姿が何とも微笑ましい。離れていても幸せそうで何よりです😊

    出てくるお料理は相変わらず食べたくなるものばかり。他のレビュアー様方も書かれていますが、やはり私も鶏肉のコーラ煮に興味津々🍗煮込みハンバーグや肉巻きおにぎりも気になりました(肉ばかり)。

    そして何より私は作者様の表情豊かな絵柄が大好きなんですよね。特に1巻の表紙はビタミンカラーで元気をもらえます😊
    前作ももちろんですが、こちらでも美味しそうなレシピと可愛いお話が楽しめて満腹になれました😋
  • 僕の先輩 ~部屋とYシャツとおめーと俺~

    羽生山へび子

    “肉まん”と“ウニ”、再び
    2025年8月23日
    “僕の先輩”の続編。今作でははじめは受験生、二宮先輩は社会人に。忙しさに追われつつも、着実に愛を育んでいきます。

    それぞれの家族もクローズアップされますが、特に先輩の少年時代が涙なしでは読めず、感情移入しまくり…。
    恩人である社長、仕事仲間、何よりはじめ。今では彼の周りはあったかい人たちばかりなのが嬉しい。
    そして、読み終えてからやっぱり先輩格好いいなぁと再認識。今回も笑って泣けて、心に沁み入る純愛物語でした✨

    また、前作と同様に今作の表紙もお気に入り。相変わらずノスタルジーを感じる絵柄が素敵です。今にも夏の香りがふわっと漂ってきそう…😋🍉
    偶然季節がリンクしていたこともあり、心ゆくまでその世界観に浸らせていただきました🌻
  • アキはハルとごはんを食べたい

    たじまこと

    レシピも設定も美味しい😋
    2025年8月21日
    フォロー様のレビューでずっと気になっておりました。BL+飯テロ漫画という、文字通り二度美味しい作品。爽やかでフレッシュな雰囲気の表紙にも一目惚れ🥪
    ルームシェア中の大学生二人・“アキ”こと秋吉純太、“ハル”こと藤城春継。彼らが自炊し食べるご飯をメインに、その日常がゆったりと綴られていきます。

    見るからに美味しそうなアイデア料理と、それを幸せそうに頬張る男の子たち。その素晴らしい構図を延々と眺めることができる作品です。
    BL漫画と言われると正直「うーん…?」と思いますが、この微笑ましい作品にはブロマンス風味が一番合ってるかなと。
    1エピソードごとに毎回違ったお料理が紹介されていく。こういう形式のお話は大好きでよく読んでます。レシピ本としても活用できますね。
    そして、やはりこれ系の作品の注意点は、空腹時に読んではいけないということでしょうか…。特にカラー絵、まさに飯テロの極み…🥟🥢

    作画は瑞々しく生き生きしており、表情も豊か。見ているだけで自然と活力をもらえる気さえしてきます。特にメインでもある食事風景の描写は秀逸で、本当に美味しいんだろうなとこちらにまで伝わってくるよう。
    またハルの口元と首筋にホクロがあるのですが、特に前述の食事風景で、自然とそのホクロたちに目が行ってしまうことが多かった。何だか色っぽいなぁと…😅
    もちろん食事以外のシーンも学生さんらしいわちゃわちゃが可愛くて、常にニマニマしっぱなし。全編通してたくさんの癒しをもらえる作品でした😄
  • 僕の先輩

    羽生山へび子

    “肉まん”と“ウニ”の純愛物語
    2025年8月20日
    羽生山先生の“きゃっつ”を拝読してその世界観にハマってしまい、こちらも。
    何と言っても表紙がお気に入りなんです。昔懐かしく感じる風景と色使いが抜群。このゆるふわな絵を眺めているだけで幸せな気分にさせてもらえます🌈
    そう、まさに表紙が全てを物語っているとも言える作品。主人公・はじめと、彼が不良に絡まれているところを助けてくれた二宮先輩とのハートフルなラブコメです。

    まず、はじめの台詞の一部・“愛のハゲタカ”というフレーズに心掴まれた私。物凄い言葉のセンスだ、凡人の私には到底思い付かないよ…。羽生山先生天才かと思いました。
    そして前述の通り表紙の雰囲気そのまま、どこか昭和を思わせるノスタルジックな絵柄・ホッコリさせてくれるストーリー。どちらも私にはドンピシャ。笑いあり涙あり、表情筋と腹筋が忙しい😅
    正直BLとしては物足りないという方もおられるはず。しかし私は濃度よりも内容重視なので、このあったかくてピュアな物語を十分楽しめました。
    “きゃっつ”もそうでしたが、心が優しさで満たされるような感覚。
    “挙動不審な肉まん”・はじめと、“無愛想なウニ”・二宮先輩。この愛すべき二人のお話を、改めてじっくり、大切に読み返していきたいと思います。
  • 碧のかたみ

    尾上与一/近江谷/よこやま/

    受け入れられない作画
    2025年8月19日
    自身がたいへん興味を持っている戦時中の海軍航空隊の物語である上、人気BL小説シリーズのコミカライズだということも存じ上げています。ですが、作画に対して多大な嫌悪感があり、こちらだけはどうしても受け入れられない。親類に当時の飛行機乗りがいたことも相まって、内心腹立たしい思いでいます。

    主人公が飛行服・飛行帽姿なのに、常に鬱陶しい長い前髪を垂らしている。これは100%有り得ません。
    飛行機乗りにとって目は命。視界を遮るような姿や行為は絶対にタブー、即刻生死に関わります。当時の写真や映像で一目瞭然ですが、誰一人として前髪を垂らしている方はおられません。

    飛行帽から長い前髪(=視界不良の元=死に直結)、現実世界なら主人公は飛行機に乗る資格ゼロの大馬鹿者。そんな噴飯物の描写が平気でされていることが許せないんですよね。ファンタジーならともかく、実際の戦争がテーマでしょう。
    あぁこの作品は最も曲げてはならない基本的な史実を無視し、取るに足らないビジュアル面を重視するのかと。それと同時に、飛行機乗りという存在が軽んじられているようで気分が悪くなりました。

    主人公の搭乗機は“月光”だそうですが…。私は実在の撃墜王で同じく“月光”を愛機としていた海軍中佐と、その方の壮絶な最期を存じ上げています。この作品の原作者様も、知らないはずがないと思う。
    だからこそ余計に許容し難いのです。作品紹介での“生き残りをかけた戦い”という文言を見た時に、口汚くて申し訳ないですが「ふざけんな」と思ってしまった。文字通り命を懸けて戦い散った、前述の海軍中佐が思い浮かんだからです。

    以前は小説の方にも興味があり、いつか読んでみたいと思っていたのですが。このコミカライズ版の作画を見たことで、一気に熱が冷めてしまいました。
    その後試しに一度だけ小説版をクリックしてみるも、予想はしていましたがこちらとキャラデザが同一。思わず落胆の溜め息…。

    きちんと考証が成された作画なら間違いなく手に取っていただろう作品。本当に残念でなりません。
  • 女衒夜話

    もんでんあきこ

    命の重さ、儚さ
    2025年8月18日
    もんでん先生の作品では“エロスの種子”をずっと拝読しており、その中でも特に戦中戦後のエピソードが心に残っていました。
    自身がその時代に興味があることも勿論なのですが、しっとりした妖艶な絵柄が当時の雰囲気にぴったりなんですよね。

    この作品も舞台は戦後。女衒のキリオと殺し屋の裕也、彼らと二人の女・シロと美都を交えた物語。
    オムニバス形式を取っていますが、読み進めていくと、それぞれのエピソードには繋がりがある部分も。
    また時系列通りのストーリー展開ではないことも“エロスの種子”と同様。過去と現在とを行き来しながらラストへ向けて進むことに。

    女衒に殺し屋、売り買いされる女たち。戦中戦後のお話を多数描かれているもんでん先生だからこその、重厚でハードボイルドな世界が広がります。
    戦後のアンダーグラウンドが圧倒的な筆致で描写され、また男女の肉体も匂い立つように艶めかしい。表情一つとっても生々しく、どのシーンも目が離せません。

    戦後の荒廃の中で闇の仕事をこなす男たちの生き様、そんな彼らが心から大切にした女たちの行く末とは…。

    全編通して命の重さ、儚さについて考えずにはいられませんでした。
  • だんドーン

    泰三子

    “ハコヅメ”同様面白いですよ~👮
    2025年8月18日
    “ハコヅメ”の作者様の作品ですね。前作がとても面白かったので、こちらにも興味を持ちました。
    “ハコヅメ”は現代の警察官のお話でしたが、今回は幕末。“日本警察の父”と謳われる川路利良を主人公に据えたサクセスストーリーです。
    ひとまず無料分の一巻のみ拝読。

    ガチガチの歴史物かと思いきや、ページを開いた瞬間拍子抜け。さすが泰三子先生、面白いですコレ😂
    初めは「川路さんてどなた…?💦」の状態だった私。無知でお恥ずかしい限り…。ですが私と同様の方でも本編を読むには全く問題ありません。
    その他、誰もが知っているような有名人物も数々登場。主人公・川路と西郷吉之助(後の隆盛)の凸凹コンビをメインに、ゆる~いギャグテイストで当時の歴史の流れが描かれていきます。
    お堅い内容もゆる~く噛み砕いて描写されているので、学生時代日本史の授業料で???だった内容も本作では理解しやすい。「あぁそういうことだったのか!」と今更腑に落ちることも多々。
    またギャグメインで進んでは行きますが、締めるところはしっかり締めている。その緩急の付け方も、前作同様に絶妙。

    歴史物は評価が分かれると思いますが、私は好きです。よく知っているような表だけでなく、その裏側もわかりやすく描かれ、興味深く読ませていただきました。
  • うどんの女

    えすとえむ

    何うどんがお好きですか?
    ネタバレ
    2025年8月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ だいぶ前に別サイトさんでお見かけし、タイトルからして「シュール😲」と興味を惹かれた思い出。
    そちらでは無料分しか目を通さなかったのですが、シーモアさんにもあったのでこの機会に手に取りました。
    ただ2巻からは別カップルのお話になっているようなので、1巻キャラに思い入れが強い私は今のところ1巻のみの拝読です。

    1エピソードの内容に必ずうどんが織り交ぜられたお話になっています。なぜうどんなのか…ということは深く気にしてはいけません。そういう物語なのです…(笑)。

    大学の学食(うどんコーナー)で働くバツイチの村田チカ。そんな中、毎回うどんばかりを頼む学生・木野のことがだんだんと気になり始めます…。

    何と言ってもこの作品はモノローグが秀逸。その中でも私がふと反応してしまったのが、学食に訪れた木野が、いつものうどん(チカのところ)に行くかと思いきやまさかのA定食に!?…の場面。
    別に木野とはどういった関係でもないのに、“一方的にフラれたような…”という感覚にちょっとだけわかりみがありました😅
    そんな二人の心理描写(お互いに関する妄想)がシュールで面白く、静かに笑えます。爆笑ではなく、“フッと吹き出してしまうような笑い”ですね。
    噛み合いそうで毎回噛み合わない。くっつきそうでなかなかくっつかない。それが私好みでもありました。
    また決して突拍子のない設定ではなく、もしかしたら実際有り得るかも…と思えてしまうリアリティさが良い。
    うどんが二人を結びつけるラブコメディ。唯一無二の世界観でした。

    ちなみに私はうどんの中では武蔵野うどんが大好物です😋
  • 瞳の中の僕を知らない

    イズミハルカ

    真実はどれ?
    ネタバレ
    2025年8月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ピックアップで表示された作品。主人公のビジュアル的にも、普段あまり手に取るタイプではなかった…のですが。試し読みしてみたら、アレ~結構面白いぞと。そしてそのまま読み進めてしまいました。

    大人気モデルとして活躍していた“レイス”こと深月怜。彼はとある事故により記憶を失ってしまいます。
    そんな彼の目の前に現れた二人の男たち・大学生の黒田とカメラマンの堂島。二人とも“怜の恋人”だと自称。
    どちらかが嘘をついている?それとも怜自身が彼らを騙していたのか。果たして…?

    事故後の怜からはそれまでの記憶が欠落しており、何が真実か知る術がありません。しかし黒田くんと堂島さん、その両方との甘い関係…おそらく失った過去の記憶の一部を夢の中で見てしまうことで、心の葛藤がより深まっていきます。
    多分堂島さんとの方がより長く親密だった?元々の恋人だった?と窺えるのですが、黒田くんとの出会いのエピソードが個人的に好きで、必然的にちょっとだけ応援したくなる…。でも堂島さんにも彼なりの魅力があるし、怜ではないですが悩ましいところ。

    この複雑な三角関係、どう結着がつくのか。怜はどちらを選ぶのか、はたまたどちらも選ばず独りになるのか。
    ちょっとミステリーっぽい切り口で、面白く読ませていただきました。
  • Bar猫のおしながき【単行本版】

    夏目くも

    まさに猫好きのための作品
    2025年8月16日
    フォロー様のレビューで初めてお目にかかりました。自他共に認める猫好きの猫飼いなのに全く存じ上げなかった😣レビューありがとうございます😊
    “Bar猫(マオ)”に集う、十年以上生きて人間に化けられるようになった猫たちのちょっと不思議な物語です。

    ページを開けばたくさんの猫様たち、まさに猫好きのためのお話ですね😻
    Barのママ・メイ(猫)がお客(猫)たちに人間風の料理を振る舞うのですが、それらが何とも美味しそうで…。猫でなくても食べたくなってしまいます😅
    猫には絶対禁忌のチョコレートなどを、人間の姿に化けていれば食べることができるという…。初めて見るような独創的な設定が面白かったです。
    またBL感はほぼ無いに等しいですが、猫まみれの優しい世界に浸れて私は大満足😼

    “猫は十年生きると化ける”とは昔から耳にしており、現在自分が同居している子の中にも十歳超えの雄のキジトラが一名。たびたびふざけ半分で「実はもう猫又になってるんじゃないかい?」などと話しかけている😅
    でもこの作品のように、本当に人間の姿に変身できて…なんていうことがあったとしたら…。
    思わずそんなメルヘンチックなことを想像してしまう素敵なお話でした😺
  • ド腐れダンディーズ【コミックス版】

    イクヤス

    素直になれないアラフォー二人
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の二人に誘われて即クリックした作品。そして改めてすごいタイトルだ(笑)。
    ガチムチ+ミドルエイジ+ケンカップル。これは好き要素満載ではないか。絵柄もドストライクで、読まない手はありませんでした。
    幼馴染みの薫と道也、素直になれないアラフォー二人のお話。

    冒頭からおじさんたちがめっちゃケンカしてる…😂若い子より大人げない(?)ミドルエイジたちが完全にツボにハマりました。コントみたいで見ていて飽きない😄この険悪な雰囲気からの…という展開が私はたいへん好みなのです。
    当初は全編コメディ路線なのかなと。それだけでも面白い作品だったと思いますが、キュンとしたりホロッとさせられたり、様々な感情が巻き起こるストーリー展開。そのお陰でお話に深みが出ているなと思いました。

    少年時代の薫と道也のエピソードも織り交ぜられながら、物語は進みます。
    二人の初対面時の可愛さたるや…。全く面影ないけれど(当然)、大人になったらあのように立派なアラフォーおじさんに成長するのですね😳
    まだまだあどけない時代から、薫にとって道也は守りたい存在だったとは。そしてずっと30年も…。一途すぎて泣ける😢…でも回り道しすぎだ~😣

    一筋縄ではいかなかった薫と道也の恋。何しろ四半世紀以上(長)…。このいつまでも素直になれない拗らせ(過ぎ)おじさんたちが何とも愛おしいのです。
    ストーリーはもはや言うまでもなく、作画も文句なしに素晴らしい。しがみ付きたくなるほど色気ダダ漏れなミドルエイジたち。彼らを隅から隅まで存分に拝めます。
  • 坊主かわいや袈裟までいとし

    本間アキラ

    尊い…!
    ネタバレ
    2025年8月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ピックアップで表示された作品。僧侶が主役のBL作品は他にもお見かけしたことがありますが、手に取るのはこちらが初めて。ですが改めて考えてみたら、ある意味僧侶とBL(男色)って遥か昔から密接な関係なんですよね。
    私は寺社巡り大好き+仏教・僧侶がテーマの(BLではない)作品もいくつか読んだことがあるので、興味を惹かれて拝読しました。
    少年時代、修行に訪れた道場で仲良くなった大円と弥六。ともに寺の跡継ぎの二人が、大人になってからまさかの場所で再会を果たします。

    何てキュンとする、そして尊いお話なのでしょう…。大円と弥六を見ていると、常に“尊”の字が頭の中を駆け巡ってる感じでした。
    と言うか、主役二人も良いのだけれど、私は彼らを差し置いて初登場時から大円の父・照蔵に釘付け。ミドルエイジは大好物。
    単にストーリーの都合上登場しただけかと思っていた父。まさか彼の過去が描かれるなんて思いもよらず、「おぉっ!」と声が出た。しかもメインCPと並行する重要度とは。驚き…!

    好みの要素が多く、物語としても読みごたえある作品でした。
    ただ、大円についてだけ…。私ショタが苦手なので、彼がどう贔屓目に見ても完全に小学生の外見なのが引っかかった。
    やたらと小柄だし、一人だけデフォルメ絵みたいでだいぶ違和感がありました。一応成人男性なんだから、もっともっと大人っぽく描いてもよかったんではないかな?弥六と並ぶと完全に“おにいちゃんとおとうと”状態だったのが何とも…。
    仮にですが…。少年時代可愛かった大円が、成長して妖艶な美僧に…とかだったら、おそらく星5付けてたと思います。
    いつまで経っても12歳の頃の外見のまま、全く変化ナシなのが個人的には残念だった…。
  • あれよ星屑

    山田参助

    生々しく描かれる戦中戦後のリアル
    2025年8月15日
    この作品に出会ってすぐに思ったことは、「あぁ私はまさにこういうのが読みたかったんだよ…!」。
    絵柄もストーリーもひっくるめて、全てにおいて硬派で骨太な戦後が舞台の物語です。

    終戦から約一年、まだまだ戦禍の爪痕が残る東京。そこで再会したかつての戦友同士である二人の男たち・川島と黒田が紡ぐ人間ドラマ。

    戦後の川島の荒んだ生活から始まり、黒田との邂逅・同居生活、直視し難い戦中の出来事も織り交ぜつつ描かれていく本作。フィクションだと理解してはいても、拝読するのにかなりの気力を要する内容でした。
    当時のダークサイドがしっかり描写されている。見てきたかのような生々しさです。綺麗事だけで済まない日常を、どんな立場の人々も泥水啜る思いで必死に生きていたんですよね。

    そんな悲喜交々な物語はもちろんのこと、作者様の画力の高さも凄まじい。もはや命が吹き込まれているような生き生きとした登場人物たち。試し読みの数ページだけで感動を覚えてしまいました。
    作風にぴったりとマッチし、まさにこの作品のための絵柄じゃないかと感じるほど。自分は語彙力が乏しいので、ただただ素晴らしいとしか言えないのがもどかしくて堪らない。

    久々に心に衝撃が走った作品であるとともに、これはもう自分にとっては傑作だなと。
    焼け跡の中を藻掻きつつ泥臭く生きた彼らを、そして戦中戦後のリアルを。願わくば多くの方々に目にしてもらいたいです。

    八十回目の終戦記念日に合わせ、レビューさせていただきました。
  • 昭和ファンファーレ

    リカチ

    戦禍の中を生きる歌姫
    2025年8月15日
    戦前から戦中を主な舞台として描かれる本作のレビューを、八十回目の終戦記念日に。
    昭和初期、トーキー映画で歌うことを夢見る少女・小夜子の成長と激動の時代を描いた物語です。

    私は本格的に昭和初期や太平洋戦争について興味を持ち始めてから、それに関連する様々なタイプの作品を拝読しました。
    その中でこれは許容し難いと感じた事柄があります。戦時中の人々が史実に反した姿で、ビジュアル重視のいい加減な描き方をされることです。
    特に髪型・髪色が派手な現代人のように描かれたものを見た時は、呆れと怒りを覚えたほどでした。過酷な時代を生きた方々を馬鹿にしているのかと。

    本作を知った時も、正直言うと舐めていたのです。こんなキラキラした絵柄で、戦時中の様子がしっかりと描けるのかな?前髪垂らした茶髪の日本兵とかが登場したりしそうで嫌だな…と。
    そんな風にすら思いつつ、お手並み拝見とばかりに試し読みして完全降伏…。冒頭から引き込まれてしまった。
    確かに絵柄は可愛い少女漫画風。しかしながら、私の懸念が消し飛ぶほどにストーリー作りが巧み。そして何より、戦前戦中の日本についてしっかりと調べ上げられていることが窺える。これには脱帽でした。

    当時の映画界と、次第に苛烈さを増す戦争。その戦争に翻弄されていく登場人物たち。戦禍の中での恋愛、悲しい別れもあります。
    当初は完全に見くびっていたこともあり、その反動で余計に心動かされてしまった感じ。一気読みでした。さすが“星降る王国のニナ”等の人気作を生み出されている作家様です。

    私は戦争物の中でも軍人さん・兵隊さんがメインのものをよく読む方なので、“歌”や“映画界”というこの作品のテーマはとても新鮮でした。
    遠い戦地の兵隊さんたちも、歌に癒され、活力をもらっていたんですね。もちろん市井の人々も、主人公たちも然り。

    切ないながらも、一筋の優しい光が差すような物語でした。よくありがちなご都合主義な終わり方でなかったことにも拍手したい。
    絵柄で敬遠せず、手に取ってみて良かったです。
  • あくまでクジャクの話です。

    小出もと貴

    これは面白い!オススメの作品
    2025年8月13日
    タイトルがあまりにも気になり、思わずクリックしてみた作品。
    生物学がテーマか…、ちょっと難しめなのかな?と思いながら拝読してみたのですが、これがビックリするほど面白い!ページをめくる手が止まりませんでした。
    “男らしくない”という理由で彼女にフラれてしまった高校教師・久慈と、彼に生物学部の顧問になれと熱烈に迫る女子生徒・阿加埜。この二人がメインとなって織り成す学園コメディです。

    ジェンダーレス男子(?)の久慈先生もカワイイけれど、何よりヒロイン阿加埜ちゃんのキャラが立ちまくり。まず外見と内面のギャップ。超絶美人で成績優秀で引くほどのオタク気質という…。
    そして、その台詞には有無を言わさぬ説得力(!?)がある。彼女の口からは、様々な自然界の生物についての薀蓄が飛び出してきます。
    生物の生態になぞらえて、生徒たちの恋愛の悩みやゴタゴタを次々解決(!?)。何はともあれ、ほほ~、なるほど~と思わされることがたくさん。
    初めて知ったりためになる話ばかりで、すごく興味深かった。台詞回しや構成が巧みなので、内容がスイスイ入ってくるのだと思います。
    それと校長の孫・羅美ちゃんの喋り方がファブルみたいだと思ってたら、阿加埜ちゃんがまさにそこを的確に突っ込んでくれてて笑った😅

    めちゃくちゃ面白い作品です。作画も綺麗ですし、かなりオススメ!ぜひ!
  • 俺が好きって言ったらどうする?

    くもそく

    ピュア×100!
    ネタバレ
    2025年8月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ オススメで初めて表示されたのですが、表紙に惹かれて即クリック。
    ページを開き、何だこのピュアさは~!?と心の中で叫び転げ回った作品。何しろ主役のDKたちが二人とも可愛すぎる…!
    幼馴染みの一歩と時緒、一歩は時緒のことが好き。昔は距離感ゼロの二人だったけれど、今では気持ちを悟られるのが怖くて、ほんの少しだけ距離を広げている。
    なのに彼の想い人の時緒はずっと距離感バグり気味、何しろくっつき方が半端じゃなく近い!人懐っこいワンコみたいです。
    DK特有の(?)じゃれ合いが可愛くて、こりゃ甘酸っぱい~と身悶えしながら拝読。

    一歩の感情がすごく共感できるんですよね。時緒に“好きだ”と伝えた瞬間、この優しい関係が壊れてしまうのではと思い悩む。
    ですが時緒が何しろいい男。一歩の感情を否定せずに受け止めてくれます。甘酸っぱい~(二回目)!

    自分の読書傾向を見返してみたら、今まで読んだ学生さんが主役のBL作品は、ほぼピュア系でした。この作品もそうですし、ハマらないわけがない。

    登場人物の心の揺れ動きが繊細に描かれたお話。絵柄も綺麗で清潔感があり、物語とマッチしている良作です。
  • 妹は知っている

    雁木万里

    ある一コマが地雷だった
    2025年8月12日
    ランキングを見ていて何となくクリックしました。
    あらすじも兄と妹のゆるーいシュール系コメディっぽくて、好きかも!と試し読み。…正直やめとけば良かった。

    最初は普通に読み進めていたのですが、妹が兄貴の前で平気で胸を露出してるシーンがあり(しかも兄も平然としてる)、瞬時に「気持ち悪ッ!」となりました。
    あれは私的には絶対無理!兄と妹のヘンな関係すら連想させられてしまう気がして(実際には無くても)、鳥肌😱
    あの一コマ、一体どんな層に需要があるのか…。と言うかわざわざあのような描写にした理由は何なのか、私には理解不能。ただただ気持ち悪い。
    軒並み評価が高かったので期待していたのですが、完全に地雷を踏みました。兄の目の前でも妹が性的な雰囲気で描かれ、兄妹のコメディなのにそこはかとなくイヤらしさを感じる。これが他人同士である彼氏彼女の設定なら、引っかかることなく読めていたんだろうな…😩

    前述の理由で、その後の展開がどんなに面白かろうと、もう読む気にはなれず…。試し読みの途中で終了。
    私同様そういった雰囲気が苦手な方はお気を付け下さい…。
  • ムリ婚。

    いつきまこと

    百貴が徐々に…😣
    ネタバレ
    2025年8月12日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 時折オススメに上がっていた作品で、試し読みをしてみたらすごく良くて。村の因習系大好物なのです。

    昔からの村の言い伝えのせいで、男同士なのに“結婚”しなければならない羽目になる百貴と千景。ハチャメチャな設定、そして何とか抵抗しようとする主役二人と親族との攻防がめちゃくちゃ面白いなぁと読み進めていきました。
    何よりノンケ同士ということ、そして衝突し合う百貴と千景の関係性がかなり好みだったんです。しかし…。

    他のレビュアー様も書かれているとおり、くっついてからの百貴の千景へのデレデレぶり、そして振る舞いが女子みたいになってきたのが受け入れがたかった…。何だか当初の性格と180度変わってないか?確かにオネエ化しちゃってますね💦
    私は物語開始時のようなケンカップルがすごく好きなので、デレるのはここぞという時だけにして欲しかった。常に出ている“旦那大好き💓オーラ”のせいで物語としての面白みが減ってしまったかな(私的に)。
    百貴がそう簡単にデレず、7~8割くらいツンツンしてくれていればもっと評価上げていたと思います。設定は面白かったので、中間を取って星3つ。絵柄は好みでした。
  • モノトーン・ブルー

    ながべ

    甘酸っぱくてくすぐったい
    2025年8月11日
    かなり前に特徴的な表紙が目に留まったものの、当時はさほどBLに興味を持っておらず…。試し読みもせずにそのまま忘れてしまっていました。タイトルすら覚えていなかった。
    最近になり、なぜか「あの時見かけたあの作品がどうしても気になる、読みたい!」と発作のように思い立ち、検索に検索を重ねてやっと見つけました。
    “モノトーン・ブルー”、とても綺麗なタイトルなのになぜ忘れてしまっていたのか…。
    舞台は獣(獣人?)たちが通う学校。一見すると絵面が“BEASTARS”っぽく感じたのですが、それとは似て非なる世界観です。

    毎日なあなあな学生生活を過ごしている猫のハチ。彼のクラスにやって来た転校生は、蜥蜴のアオイ。
    最初こそ特に何とも思っていませんでしたが、ある時ハチはアオイの秘密を知ることになる。アオイが隠したがっているのは、目が覚めるような鮮やかな青色をした尻尾でした。

    猫の擬人化はたびたび目にしますが、蜥蜴の擬人化は私にとって初めて。ですが意外と抵抗感なく拝読できました。
    アオイがヘンだと言う自身の尻尾の色、しかしハチの目には何よりも魅力的に映る。
    成長するにつれ消えていくのだという青。その儚い美しさに惹かれてアオイに興味を持ち始め、ハチの単調なモノトーンの日々が動き出す。
    互いの尻尾を触り合うシーン、年相応の無邪気さの中に、ほんのりエロスを感じてしまった…。

    ティーンエイジャー特有の甘酸っぱさとくすぐったさが堪らない、猫と蜥蜴のブロマンスです。
    おそらく好みが分かれる作品かと思われますが、爬虫類が苦手でない方はぜひ試し読みだけでも。
  • きゃっつ ~四畳半ぶらぶら節~

    羽生山へび子

    江戸っ子猫たちの人情時代劇
    2025年8月11日
    すごい、歌川国芳の浮世絵から飛び出してきたかのような猫たち!それがこの作品に出会ったときの第一印象です。
    前述の通り、このお話の登場人物は全て猫(例外もいる)。擬人化…と言っていいのか…。猫そのものが着物を来て二本脚で歩き、人間同様の生活をしているという。まさに国芳の世界観そのもの。
    舞台は江戸時代。“愛すべきろくでなし”の弥源治、そして仕方なしに(?)彼を養う魚売りの清二。長屋で同居する二人(二匹)の青年猫が主役の人情物語。

    猫+時代劇という大好き要素!江戸時代の町人の活気ある日常が、人間から猫にそのまま置き換えられた感じです。
    猫だけどみんな表情豊か、顔立ちも一人一人ちゃんと違う。私は清二が好きです。ちょっと目が鋭いべらんめえ口調の青年猫、可愛いぞ…。

    人間の姿にケモ耳が生えたタイプの擬人化はよく目にしますが、猫そのものの姿のBL作品というのは初めて。というかBL作品にカテゴライズされてはいますが、ほんのりブロマンス風に留まります。それがまた物語の優しい世界観に合っている。

    江戸っ子猫たちが送る、のんびり穏やかな時代物。彼らが話す江戸弁も心地良く染み入り、すごく私好みのお話でした。
    あぁ続きを読みたい…!と思いましたが、作者様は2020年にご逝去されているのですね、残念でなりません…。心よりご冥福をお祈りいたします。
  • Don't talk to me

    ぞう工場

    すごく良かった!好きです!
    2025年8月10日
    フォロー様方が揃って高評価レビューを書かれているので非常に気になり…。
    当初は表紙の絵柄にはさほど惹かれなかったのですが(すみません…)、私はいつも表紙で敬遠して後悔していた過去があるので、すぐにクリックして試し読み。
    やっぱり読んでみて正解でした~ヽ(^o^)丿本編は超絶絵柄が好みだった!今までと同じ轍を踏まずに済みました。
    結構好きなサラリーマン物。ゲイの山田がアプリでマッチングした相手が、嫌っている会社の同僚・瀧宮で…!?という展開。

    他のレビュアー様も書かれておられますが、私もキャラの体型(筋肉の描写)の素晴らしさにウットリしてしまった一人です。バランスが完璧。あまりにも美しい、眼福です…。
    ちょっとウジウジ系の山田くんと明るい瀧宮くん、二人の対比も良い。当初は苦手に思っていた相手のことを徐々に…という展開も好きなので、たいへん楽しめました。

    レビューを拝見しなかったら存じ上げなかった作品なので、フォロー様方、レビュアー様方に感謝です😊ありがとうございます!
  • 地獄先生ぬ~べ~

    真倉翔/岡野剛

    大好きでした👻
    2025年8月10日
    めちゃくちゃ懐かしい!無料キャンペーンに釣られて思わずページを開いてしまいました。小・中学校時代に大好きだった作品。
    あらゆるものを無に還す“鬼の手”を持つ霊能力教師・ぬ~べ~こと鵺野鳴介が、教え子たちが巻き込まれる悪霊や妖怪がらみの事件に挑んでいきます。

    物語開始当初は昔から伝わる花子さん系・都市伝説系のエピソードが多く、少しジメッとした仄暗い雰囲気も醸し出していました。
    ですが回を重ねるごとに、メインキャラに匹敵する魅力的な妖怪たちも登場。エピソードの幅も広がって、単に霊や妖怪だけでなく超常現象などについても取り扱われるように。どのお話も興味深く読ませていただいていた思い出。
    その中でも私は14巻♯187の“龍宮童子”のエピソードが今でもすごく記憶に残っています。泣いた…😢
    逆に怖かったのは15巻♯194の“海難法師”。とある描写で心臓止まるかと😱海に行くたび思い出してしまう…😵

    また作中はかなりお色気シーンやグロシーンが多いので、きっと苦手な方もおられるはず。ですが、教訓になったり感動を禁じ得ないエピソードの数はそれを上回ります。もちろんゾッとさせられるものもたくさん👻

    普段はダメダメなところばかり目立つ主人公ぬ~べ~も、教え子たちがピンチに陥ればビックリするほど格好いい一面を見せてくれます。まさに理想の先生😆でも、結構イケメンなのに全くモテないんですよね。いつも霊の話ばかりしてるから😅

    懐かしすぎて、リアルタイムで拝読していた時のことを思い出してしまった…😌季節も丁度夏、久々にじっくり読み返して涼しくさせてもらおうと思います🎐
  • アンテン様の腹の中

    夜諏河樹

    とある“神様”にまつわるオムニバス
    2025年8月10日
    夏なのでちょっとホラーテイストな作品のレビューを。“アンテン様”と呼ばれる神様にまつわるオムニバスです。
    神出鬼没の黒い鳥居、それをくぐった者だけが出会える“アンテン様”の祠。大事なものと引き換えに願いを叶えてくれると噂されている。
    しかし願った者の死と同時に、叶ったもの全てが消えてしまうらしく…。

    こちら、ストーリー的には“笑ゥせぇ○すまん”のような流れです。狂言回しは巫女姿の少女。鳥居の内側に迷い込んだ者の前に現れ、興味を惹かれずにはいられないこんな言葉を囁きます。「強い想いがこもった供物を捧げれば、“アンテン様”が願いを叶えてくれる」。
    この言葉に魅了され、供物を捧げた者たちの行く末が描かれていきます。

    傲慢な者はそれ相応の末路をたどり、逆に心清らかな者は優しい結末に。何回も煎じられているストーリー展開ではありますが、私はこれ系がすごく好きで。こちらも面白く読ませていただきました。
    お話は現代が舞台のものもあれば、過去の時代のものも。後半には“アンテン様”の由来も描かれます。

    巻数もさほど多くないので、サクッと一気に読んでしまいました。教訓にしたいエピソードあり泣けるエピソードあり、様々なお話が楽しめます。
  • 金の絵筆に銀のパレット

    ARUKU

    美しい台詞とモノローグの数々
    2025年8月9日
    あらすじを読み、自分が興味を持っている終戦直後が舞台ということでずっと気になっていた作品。
    肺病のため学徒動員を免れ戦争を生き延びた桃里。そして戦時中は海軍航空隊の所属だった青年実業家・烏羽のお話。

    ちょっと癖のある絵柄の作家様だな、というのが第一印象でした。はっきり言ってしまえば、どちらかというと苦手な方だったのです(申し訳ありません…)。
    ですが本編を読み進めるうち、この物語だからこそ、この絵柄がすごくマッチしてるんだ!とすぐに思い直すことに。どこか童話を読んでいるようなファンタジックな物語の流れと世界観、すぐに魅了されました。
    全ての台詞やモノローグが心に沁みます。拝読中、何だかジワッと涙が滲んでしまった。

    戦争から生き残ったがゆえに、心に罪悪感を抱えた二人が織り成す優しくて温かいストーリー。
    絵柄で選り好みせずに拝読して良かった。終戦の月とも重なり、ふと当時に思いを巡らせてしまいました。
  • 東京戦慄奇譚

    MARBLE COMICS 編集部

    傑作ばかりのホラーBLアンソロジー
    2025年8月8日
    夏といえばホラー!作品自体は以前から存じ上げていましたが、満を持してこの季節に拝読。
    様々な怖~いシチュエーションのBL作品のアンソロジー。子供の頃からホラー大好き人間の私は大喜び😊👻

    どの先生の作品もそれぞれの個性と魅力があって新鮮に楽しめました。色んなタイプの怖い話が読めてお得!そしてホラー+エロス=最強😳

    今年の夏は特に暑いので、未読の方はぜひ。体感温度がめちゃくちゃ下がること請け合い😵
    私は最新刊まで一気読みしてしまいゾクゾクです…💦
  • 海軍少尉と毒見係の台所

    新島なるい

    テーマは面白いんだけど…
    2025年8月8日
    検索で偶然お目にかかりました。時代は明治、海軍にまつわる“食”に関する物語。
    出世を約束されていたエリート海軍少尉の葉山が、ミスにより左遷されて“とある部署”に配属されるところからお話が始まります。

    時代設定や海軍が舞台のグルメ漫画ということ含め、私の大好き要素が詰まっている…はずなのですが。
    まず第一に、葉山少尉の外見がどう見ても中学生くらいの子供…。
    女性キャラは悪くないんですが、成人男性を描くのが不得手な作家様のように感じられます。美形キャラは全て少年のような容姿ですし、そうでないキャラは雑。
    そしてやはり葉山少尉について!仮にも軍人さんという設定であるからには、外見はもっとそれらしく描いて欲しかったなぁ…。

    お話は興味深く読めましたが絵柄(男性キャラ)が△。評価は中間を取って星三つで。
    もし成人男性を魅力的に描ける方が作画担当だったなら、星五つだったかも。惜しいなぁ😣
    軍人さん大好き+かなりこだわりがある人間なので、辛口評価ですみません🙇
  • 鬼滅の刃

    吾峠呼世晴

    きっかけは伊之助
    ネタバレ
    2025年8月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ もはや説明不要の人気作品。私が興味を持ったきっかけは、たまたま覗いたアニメ第一期公式サイト。そこで目にした伊之助の姿でした。
    何これ、イノシシ?人間?そして敵なの!?味方なの!?謎すぎる~!…そしてアニメから入って漫画の方も読み始めたのです。

    彼の素顔もツボで…。被り物の下からはゴツイ男が出てくるかと思いきや、まさかの女の子みたいな美少年。なのにガッサガサの低い声&ムキムキの身体。
    ギャップに弱い私にはまさにドンピシャ。自分の干支が亥年ということも拍車をかけ、すぐにお気に入りキャラになりました。

    そんな伊之助含む鬼殺隊メンバーや味方は、もちろん個性的で魅力あるキャラばかり。ですが敵対する鬼にも悲しい過去を持つ者がおり、それが物語をより奥深くしていると思います。人間だった頃の猗窩座のエピソードはボロボロ泣きました。

    また本編で共に生きることが適わなかった伊黒と蜜璃ちゃんが、来世でちゃんと夫婦になっていて感無量。子だくさんで幸せなようで何より😢

    漫画は大団円で終了しましたが、アニメもあるので人気は下火になるどころかまだまだ継続中ですね。
    ここまで来たのなら、同じジャンプ作品のドラゴンボールのように長く愛されるコンテンツになって欲しいなと思います😊
  • べな

    こふで

    人間と鬼
    ネタバレ
    2025年8月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ こふで先生の作品は先に“ノっぴきならぬ”を拝読しており、艶っぽい絵柄と江戸という時代設定が見事にマッチしていて素晴らしいなと。
    こちらの作品も舞台は江戸時代。見世物小屋で育った青年・壱と、そこに捕らえられた鬼の子・“べな”の物語。人間と人外キャラのお話は好きなジャンルの一つです。
    また自分は幼稚園児の頃から時代劇に慣れ親しんでいるので、髷や月代、褌なども萌えポイント。特に乱れた髪や後れ毛、着流しから覗く脚やはだけた胸元には堪らなく色気を感じてしまいます…。

    始まりは前述の見世物小屋、どことなく不穏な雰囲気から紡がれていく物語。
    ですがそこを抜け出し、やがて始まる壱とべなの市井での暮らし。優しく流れる時が何とも言えず愛おしくて。ずっとこの穏やかな日々が続いていってくれないかな、と。
    そして髷を結ったベなの姿がもう可愛くて可愛くて!壱を愛し、壱のためにどんどん人間らしくなっていく彼。頼むから二人で幸せになっておくれ…と願いながら読みました。

    様々な困難を乗り越え、お話は幸せな結末を迎えます。まずはホッとしました😢
    本編を読んでからレビューを拝見し、ちらほらと“読みづらい”というような感想をお見かけしましたが、私は全く気にならず拝読していた…😅
    むしろ緻密な描き込みで、当時の風景や建物が丁寧に描写されていると思いました。あくまでも私個人の意見です、ご気分害された方すみません💦

    時代設定もキャラたちも魅力的で、とても素敵なお話でした!
  • 寿々木君のていねいな生活

    ふじもとゆうき

    幸福感でいっぱいになれます✨
    2025年8月6日
    無料漫画を検索していてお目にかかりました。見た目はコワモテだけど、とっても心優しく家庭的な趣味を持つDK・寿々木くんが主人公。
    見た目で怖がられ、大好きな花の世話やお菓子作りを気持ち悪いとからかわれ、中学まではずっと辛い目に遭ってきた寿々木くん。高校の入学式に向かう電車の中で、クラスメートとなる春名くんと偶然知り合います。彼との出会いがきっかけとなり、寿々木くんの毎日はキラキラした明るいものに変わっていくことに。

    ガタイが良くてちょっとだけ顔が怖い寿々木くんですが、実は優しくて癒し系な上に料理上手、裁縫も得意、植物の世話も大好きな完璧男子。一家に一人欲しい…!
    そして彼の親友・春名くんも実は外見と内面が裏腹。小柄で美少女のような美少年ながら、実は柔道が強いという…。この二人にギャップ萌えしてしまった。
    女子力高めなDKの、ゆるふわでホンワカした日常系のお話。好きなジャンルなので、同系統の別作品もいくつか拝読しています。
    このお話も可愛くて癒されるのですが、心が荒んだオバハンである私が読み進めると、展開が少ーしご都合主義かなー?と思うことも無きにしもあらず。何しろ寿々木くんの周りの人々が、ほぼ欠点が見当たらない良い人たち過ぎるんです。
    ただ中学時代までの寿々木くんの辛さを思うと、そんなことはどうでもよくなった!これからは楽しく幸せに学校生活送るんだよ、良かったねぇ~😭
    それと、寿々木くんと春名くんが二人並んだ絵面が何だか堪らなく良いんですよね。外見も内面も正反対だけど、相思相愛の親友(変な意味ではなく)😊彼らの友情はきっと一生もののはず✨

    とにかく読んでいて幸福感でいっぱいになれるお話。嫌なことがあった時でも忘れさせてくれるような、あったかいキャラたちも魅力です。
  • 日本陸海軍機英雄列伝

    野原茂

    戦後八十年の節目の年に
    2025年8月5日
    八月といえば終戦の月なのでこちらのレビューを。戦争にまつわる事柄の中でも、私が取りわけ興味を持っている航空隊についての一冊です。
    当時の日本の陸海軍の名機と謳われる航空機の数々。それらが写真やイラスト・図面付きで、機体の戦史や関連する人物の逸話等も織り交ぜられ解説されています。今でも人気が高い有名な航空機は全て網羅されているはず。

    陸軍航空隊におりました私の大伯父のかつての搭乗機・四式重爆(飛龍)についてのページもあり、嬉しい限り。当時の貴重なモノクロ写真とともに以下のようなエピソードも。
    四式重爆は前述の通り陸軍の爆撃機ですので、搭乗員は当然のごとく“陸軍の重爆隊”に所属するメンバーたち。
    しかし戦争末期になると(一時的にですが)その中の一部が海軍航空隊の指揮下に置かれることに。ハイスペックな四式重爆を雷撃機としても使用することになったため。
    搭乗員たちは爆弾の代わりに魚雷を吊り下げた愛機に乗り、“雷撃隊”としての訓練を行っていたそうです。
    日々のルーティンは全て海軍式に切り替えられて、陸軍メンバーはてんやわんやだったのだとか。慣れた陸→慣れない海、敵機や敵艦と戦いながらの彼らの苦労を思わず想像してしまった。
    大伯父も海軍と共同で任務に当たった中の一人だったらしく…。現在私の手元に僅かに残っている当時の資料から、うっすらとそれが窺えるのです。本人が元気なうちに、その頃の話をもっと詳しく聞いておくべきだった…。物凄く後悔しています。

    大伯父や祖父然り、当時戦争に行った方々は多くが鬼籍に入ってしまわれているはず。
    もう生のお話を聞きたくても聞くことが出来ない。その方々のお陰で今があることを、忘れずに心に刻みたいです。

    当時の空に思いを馳せながら読ませていただきました。戦後八十年の節目、平和への祈りも込めて。
無料会員登録でもっと見る