乙嫁語り
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乙嫁語り

森薫

パリヤさんが大好き(13巻既読)

ネタバレ
2025年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ メインであるアミルとカルルク夫婦は、アミルは良い子だしカルルクはものっすごい男前なので安心して見ていられます。お見合い結婚にある種の運命的憧れを感じるタイプなので、この二人の夫婦としての愛情が健やかに育って行くさまは、非常に素晴らしい。こういうのがええんじゃい。

行末が気になるのは何てったってパリヤさん!
パリヤさん、少し空回り気味で言葉選びが上手じゃなかったりしますが、めっちゃくちゃかわいいな〜って思うキャラクターです。自分のメモも兼ねて彼女が見られるところを。
・2巻第六話で初登場、
・3巻のおまけ漫画と後半にちょいちょい顔を出しつつ第十六話で通りすがりの親父さんに気に入られ、
・4巻第十八話で縁談が進み(この話の最後のページがものすごく沁みる)、
・8巻では苦手な刺繍をがんばりつつ恋心を育てたりうっかり見られたくないところを見られちゃったり自分の在り方に迷走したり新しい友達ができたり、
・9巻では水車を見に行ったりハプニングもあったりしつつ、お相手との距離を縮める努力が不器用でかわいくて、着実な成長に読んでるこっちはニコニコです。ウマル、あなた見る目あるよ……って謎目線で頷いているw
・12巻の第七十九話と第八十話ではちょっとした日常のパリヤさんが見られてそれも良かった。

あとはとにかくお婆様がかっこいい!1巻での弓持つ姿、5巻番外篇、その他いろいろ、肝の据わった女傑っぷりが最高です。

他にもいろんな「乙嫁」が登場する中、4巻の双子の話では「嫁に出す母」の気持ちが描かれており、娘を持つ母として胸を打たれるものがありました。

少し話が長くなってしまっていたり、ちょっとタラスさんが苦手だったり、あんまりロシアとか絡んで話が大きくなりすぎると好みから逸れるなっていう警戒心だったりで、星はひとつマイナスです。
しかしパリヤさんの嫁入り姿を見るまでは死ねない。
そして個人的なこの作品での最大の謎は、アミルがどうやってあんなに屈託のない良い子に育ったのかということだったりします。あの一族で……あの親父で……
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