このレビューはネタバレを含みます▼
座裏屋蘭丸先生の才能が眩しい…フルパワーで描かれる覚悟を感じつつ…4巻が生まれる時を待ちながら、もぅ何周味わったかっっ。
ひたすら美しく端正なタッチの中に、哀しみと、実感が無いように潜ませる狂気……経済発展を遂げた都市の息苦しさや、殺戮が続く紛争地帯の終わりの見えないやりきれなさ……数コマ挿入されただけで、楽園の不気味なガラパゴス感が際立ちます。
何も気づかないふりをして幸せな楽園で一生を過ごすのもいいけれど、この先何が起こるかわからない不安が消えない小鳥達…身につまされます。
実存をひっさげたアポロ(寡黙で一途で信じる道を真っ直ぐ進むカッコいい男)が、人生の谷間で、この異世界に実在するフィーと出逢い…奇跡のように周囲を巻き込んで動かしていくプロセスは見所満載で…っっさすがです…
フィーが本来求める世界に流れつきますように、見届けたいと思います。