大正學生愛妻家
」のレビュー

大正學生愛妻家

粥川すず

just a man in love

ネタバレ
2025年4月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大正時代の一つの幸せの形へのノスタルジーかもしれません。大事に大事に二人暮らしていく時間の積み重ね…朝の台所とか…この空気がとても愛おしかったです。
親が決めた見合い結婚がほとんどの時代に、この二人は勇吾さまの熱烈な恋が発端。一気に結婚に持ち込む手腕や、その後の奥様の愛で方と「二人が愛しく想い合って完全な形で結ばれたい」彼の願い…この時代の大人な18歳男子の想いに触れる度に、なんだか切なくなって、また1巻から読み返してしまいました…。
6歳年上のヒロインふきさんは逆境にめげない明るくかわいい女性…女中奉公で磨かれたスキルはプロレベルだし、意外なコミュニケーションスキルまで披露されて、次巻が気になります!………超倹約家だった祖母が婦人画報だけ定期購読していた事を思い出し、ふきさんに重なりました……甘い幸せを噛み締める程、大正12年の関東大震災、昭和20年焼夷弾の無差別爆撃で焦土と化した東京の歴史が思い起こされ……みんな生き残ってほしいと願わずにいられません。2巻読了。
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