ひとりで夜は越えられない【単行本版】
」のレビュー

ひとりで夜は越えられない【単行本版】

松基羊

難しいテーマ

2025年5月4日
戦後すぐの日本を舞台にしたBL作品、とても興味深いテーマであるとともに、とても難しいテーマでもあると思います。皆様のレビューを読ませていただいて、肯定派の方の意見もそうだな、と思う反面、否定派の方の意見もすごくよくわかります。
私は戦中のことはある程度知識を持っているのですが、恥ずかしながら戦後のことは浅い知識しか持ち合わせていません。それでも、作中の主人公の「文化財は避けて云々」という台詞には「ん?」と思ってしまった。
私自身、第二次大戦中の軍が舞台のとあるBL作品で、時代考証が皆無と思われる度を超した現代風ビジュアルの作画に怒りを覚えたことがあります。いい加減なものを描かないで欲しい、他の読者様に間違った印象を植え付けないで欲しい。家族や親類に従軍経験者がいたので、余計にそう感じました。
なのであくまでも私個人としては、読者をある程度納得させられるきめ細やかな時代考証が成せないなら、実際の戦争が関連する創作は安易に描くべきではないのかな、と思ってしまった。おこがましい言い方で申し訳ありません。
お話の題材自体は面白いと思いましたが、自分自身の経験も然り、戦後にお詳しいレビュアー様のレビューを拝見してふとそう考えました。やはり難しいですね…。
いいねしたユーザ7人
レビューをシェアしよう!