BUDDIES
」のレビュー

BUDDIES

倫敦巴里子

1本の映画を観終えたような満足感

ネタバレ
2025年5月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 父子家庭で父親が亡くなり弟を養うため中卒で働く虹郎と、彼をスカウトし時給1万円で雇うゼネコンの部長梶のお話。

初めての作家さん。
試し読みがとても面白く、レビューも好評だったので購入。

タイトル通りバディもの。
恋愛関係主体の話も大好きですが、こういうお仕事メインのバディもの。とても良かったです。
バディ…もう言葉自体が良いよね。唯一無二という感じがして萌しかない。

とにかくストーリーがめちゃくちゃ練られていて、正直上巻ではBL要素はほぼありませんでしたが、普通に不正を暴くバディものとして大変楽しめました。
この作品全体的に言えることですが、作者さん…読者をワザとミスリードさせる天才だわ。
上巻ではまさかあの人が…ああだとは。全然気付きませんでした。
セリフも最初読んだときと、別の視点からの回想では全く意味が異なる。読み返して唸らされましたよ。

下巻では上巻とは打って変わって、作品の一番の肝、ゼネコン告発事件が主体となります。
私的には色んな事件を解決していく様子とかもっと見たかったけれど、最終目的ではないので仕方ないですね。

とにかく下巻は全編にわたって兄弟愛!
どちらの兄弟も互いに互いを思い合う素晴らしい関係性。
特に梶と社長は異母兄弟。しかも高校卒業前までは認知しただけのほぼ他人のような関係だったのに。
回想があったことで2人の関係性がリアルに見られたため、本当に感慨深いです。

そしてゼネコン告発事件も最後の最後まで飽きさせない構成。
どんでん返しからのどんでん返し返し。
本当にミスリードがお上手過ぎる…。私は毎回毎回騙される理想的な読者でした(笑)

作中虹郎はかなりのチートでしたが(受けの方がハイスペなのキュンとします)、ラストもやっぱりチート。
顧問弁護士と会計士掛け持ちできるってwww
天才過ぎて辛い。
こんな彼がエチの時は可愛くなるの本当に反則!
カッコ良カワイイとか一口で二度美味しやつ。頭脳もチートなのにエロ方面でもチートだなんて…。
憎い存在だわ虹郎…。好き(笑)

2冊読み終えた際の満足感が半端ありません。読んでいる間本当に充実した時間を過ごせました。
1本の映画を観終えたようなじんわりした余韻が読んだ翌日(今)も残っています。
ほぅ…と息をつきたくなるくらい素晴らしい作品でした。本当に読んでよかった。大満足、おススメです!
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!