浪漫のお国で逢いましょう
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浪漫のお国で逢いましょう

木下けい子

素晴らしきかな大正浪漫

2025年6月10日
検索でお目にかかった作品。舞台は大正時代、そして海軍さんですって!?
これは読まない手はないです。私の大好きな要素が詰まっている…!
主役の二人は英国帰りの教師・糸井と海軍少尉の手塚。糸井の教え子たちが問題を起こし、そのうちの一人の保護者(兄)として現れたのが手塚。そこからお話が紡がれていきます。

まず初めに、何と言っても目を惹くのは手塚少尉の第二種軍装。海軍さんといえば空と海に映える真っ白な軍服!
濃紺の第一種軍装もシックで格好良いのは勿論ですが、特に二種の方は爽やかで男振りが上がって見えるんですよね⚓
若いけれど軍人さんですし海千山千だろうから、弁が立つ上に自信家で垢抜けている手塚少尉。“海軍は格好つけの集まり”なんて揶揄する言葉を聞いたことがありますが、彼のような粋な軍人さんに対するやっかみの表れだったのかもなと思ったり。
お話としては、糸井先生と最初は険悪な雰囲気からの…という展開が凄く好みで。時代背景も相まって、服装や言葉遣いのレトロさが堪らない!文学的な台詞が何とも素敵でした。やはりこの時代は素晴らしいなぁ…。

近代が舞台の作品をもっと拝読してみたいと思っていたところでしたので、こちらはまさにドンピシャの作品でした。出会えたことに感謝です!
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