このレビューはネタバレを含みます▼
廃れた熱帯魚店の地下にある会員制クラブのキャスト・ホワイトと上司に連れてこられた客の乾のお話。美しく着飾って客に見られ商品にされる彼らを水槽の熱帯魚に例えるのは言い得て妙。
店のオーナーであるパパは彼らを地獄のような環境から連れ出して、マシな環境で少しだけマシな仕事の仕方をさせた。パパは確かに少しは彼らを救ったかもしれないけど、ずっと体を売って生きていけるわけじゃない。仕事させながら教育したり手に職付けさせたりしないと本当の救いにはならないんじゃないかな。でも、パパ自身もホワイトの言う「それしか知らない、それが普通」の生き方をしてきた人だとしたら、他にお金の稼ぎ方を知らないのかもしれない。
最後、お店が摘発された後の乾の選択はちょっと現実的ではないけど、お店の子達が外の世界を知り今までとは違う生き方があると知る事ができたのなら良かったと思う。パパが帰ってきた時にまた一緒に、今度は別の方法でみんなで生きていけるのではないかと思える明るい結末でした。
星4.4