このレビューはネタバレを含みます▼
kanipan先生の作品は私はあまり合わない事が多いのだけど、今作は割と好き。
かつて幼馴染だった亮と楓、8年ぶりに再会した二人の逃避行。
あの時、亮は本当に楓を救ったのだろうか。確かに楓の父親はクズだったけど、少なくとも楓は父親にある程度の愛情を持っていたように思う。助けるためというよりも亮は楓を独占するために父親を消したのではないか。そして二人は離れ離れになり楓は真面目に働いていたのに亮と再会することで殺人犯になってしまう。亮の楓への異常な執着。楓はもちろん亮への愛情もあるけど過去に罪を犯させてしまったことへの罪悪感や放っておけないという気持ちに囚われているように思う。楓は亮に出会わない方が幸せだったのじゃないかとさえ思う。共依存というよりも、優しい楓の罪悪感を利用して亮にコントロールされ離れられなくされてしまったように思いました。こういう病み系は私自身は苦手なのですが、嫌なところをうまくついてくるな〜と感心しました。
星4.4