涙雨とセレナーデ
」のレビュー

涙雨とセレナーデ

河内遙

河内先生にエールを送ります!

2025年7月11日
まずタイトルが好き
涙雨なんて、しっとり濡れる程度と思っていたら
巻が進む程涙が止まらず………そしてずっとチェロのしっとりしたセレナーデが頭の中で流れている気がします
最初は兄が弟に弾いているようで、いつしか男の子が大好きな女の子に想いを奏でているよう……
今を生きるJK陽菜(ひな)。スマホがあれば、知りたい事はすぐググれるし、生成AIで誰でも情報を手に入れられる現代
何を知ろうとしているのか
何がしたいのか
何が幸せか
大事なのは自分の問い方
自由で不自由な現代を、ひな同様に生きる自分

明治にタイムトリップしたら、開国、富国強兵を目的とし、福沢諭吉の思想を基に、自分の意思とは別に、誰もが競争から逃れられない時代
今に繋がる学歴社会と幸せの構造が作られた大転換期
たーくん、雛子、菊…はみ出した者達も懸命に生きて
それぞれが出逢って、恋して……
時代を超えていく仕掛けは、別れの予感しかなくて
想いが叶わないなら…忘れられない存在になりたいと願い、想いが叶うと…相手の幸せの為に忘れてほしいと願う…もぅ心が沸き立つようです

いま一つの時代が終わる実感……落ちていく人生が不幸せとは限らず「いまを全力で生きないと後悔する気がしまくり」なのです
河内先生がこの世界を無事描ききれますように!
13巻読了
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