このレビューはネタバレを含みます▼
決して万人受けしないであろう設定の数々、その不可解な薄気味悪さが逆に脳裏に焼きついて、結局後日購入。タイトルを思い出せずに、探すのに苦労しました(笑)
暗いし・怖いし・昆虫食うしの3Kで始まり、夏の暑さと体にねっとりとまとわりつくような玄野の視線もなんだか不気味。
バイトの先輩にフェ◯をしている光景を目撃してしまう所から、少しずつ七瀬を蝕ぶように追い込んでいく見せ方が上手くリアルな描写なだけに気持ち悪さ倍増←褒め言葉です!
キレやすく暴力に訴えてくる七瀬の本質をいち早く見抜き、わざと挑発するような発言や行動で一気に七瀬を自分の手中に納めていく。
手も足も出なくなった七瀬の性癖まで暴き精神的に追い詰めた後は、身も心も丸裸にされた七瀬を一気に畳み掛けるまでが予想外でどこまで行ってしまうんだろう‥セミの鳴き声が殊更に不安を掻き立ててきます。
歪んだ形で居場所と自分自身を守る術を身に付けてきたそれぞれの過去が辛いし苦しい!!
当然ストーリーにも甘さはなく、ひたすら苦々しい展開が続きます。ただの性処理と言っている、快楽に身を委ねている瞬間だけは何もかも忘れられる唯一の甘い時間。身体のラインも見ごたえあるだけに白抜きが‥視界を邪魔してくる(泣)
七瀬が自分に耐えかねて距離を置くものの、悪の道には染まりきれず結果元の木阿弥に。
玄野の優しさに素直になれない七瀬。最後までこのテンションかと思われた最後の最後!通常のBLでは何とも思わないセリフがこんなに甘く感じてしまうとは!!
小冊子では更に甘さが増したかな?と期待しながらまさかなホラー展開、タイトル表紙はわざと笑いに寄せにきてますか?(笑)
本当にコンビニに行ってたのか、わざとトイレにこもって七瀬に悪戯したかは分かりませんが、こちらは違う意味で背筋がゾワッとしました。後者なら玄野の美味しい作戦勝ちですね。