憧憬のアトリエ 合冊版【電子版限定特典付き】
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憧憬のアトリエ 合冊版【電子版限定特典付き】

ヒロハルヨシ

先生のちょっと独特な作風が好き

ネタバレ
2025年8月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 先生ご自身も美術系出身の方なのかな?
他の作品でも思いましたがちょっと癖のあるキャラ(特に受け)が独特で、ずるずるとなし崩し的な面と信念の強さが同居していて、そういう部分が芸術家ぽくて特にこのテーマの世界観に馴染んでました。

雅章は想いを相手に伝えるのが苦手、というかそもそも伝えようという概念がなさそうなとこがアーティストだなと思う。
そのかわり作品一つで何もかもを伝えてくる圧倒的才能と感性。
同じ芸術を志す身だと嫉妬心すら生まれてしまいそうだし、この2人分野が違って良かったかも。
劇中劇ならぬ、イラストレーションの中の雅章の作品が完璧に芸術作品でぞわっとしました。しっかり質感が伝わってきましたし慧の衝撃が良く分かります。この時の慧のモノローグが凄いです。やっぱり彼もアーティストなんだよな…

作品の為、という名目で始まってしまった2人の関係だからどうしてもその疑いが晴れないし、お互いに惹かれあってる感覚があるのに「これなんなん?」って思いながら拗れていくのがもどかしくもあり、何かわかるな~というのもあり。
あと先生が描く体がすごく好き。『ないしょの~』でもそうでしたが、特に受けの雅章が小柄で細いのに脚がむっちりしてるのがちょっとリアルで煽情的なのがとてもいいです!
この2人の見分けは確かにちょっと難しかった…自分から見て右分け→慧、左分け→雅章で判別してました。

私が通っていた高校にも美術科があって本校舎と別に小さな美術棟があったのですが、汚い部屋にデッサン用の石膏像がごちゃっと床に固めて置かれていて、独特な匂いがして落ち着く空間だったな~懐かしい。
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