記憶の片隅【タテヨミ】
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記憶の片隅【タテヨミ】

Deulsum/2coin

過去と現在の合わせ技による反則級の切なさ

ネタバレ
2025年9月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 完結してしまいました(涙)
原題の直訳は『邂逅』『再会』。
7年前の記憶のないユンソンと、7年間忘れずに、でも奥底にしまっていたハギョンとが、思いがけず再会するところから始まります。
記憶はないのに、どうしてだかハギョンが気になり距離を縮めようとするユンソン。
一方のハギョンは、その記憶に自分が関わっていることを気づかれないように取り繕おうとする。でも次第に……
という、ストーリー展開。
そこに7年前、ユンソンと「ジヨン」という少女に扮したハギョンとが過ごした、過去の出来事が少しづつ挟まれます。
2人が静かな田舎の別荘で、秘密や偽りの中、少しづつ互いに惹かれていく……こちらもなんとも胸がギュッとなるような展開で。
そんな現在と過去の、出来事や想いが交錯しながら進んでいく、その合わせ技によって、とんでもない、反則級の切なさを生み出してるんです………!!
特に、ハギョンも知らないその後のユンソンが描かれた64~66話はもう……嗚咽なしでは読めないです!(ユンソン〰️。゚(゚´Д`゚)゜。)

タテヨミの特性を存分に活かし、セリフのない余白や美しい情景をたっぷり使って、間や余韻を感じられる、まるで映画のような感覚。
そして、頻繁に出てくる雨のシーンの似合う静かな雰囲気。
そんな中の熱い想い、偽りに隠された深い愛を、ぜひ堪能してください。
切ないストーリーを読みたい方には必読書と言っても過言ではありません!
できれば読後ぜひもう一読を。全部知ってから読むことで、新しい気付きがあり、ますます切なさ増すはずです!
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