このレビューはネタバレを含みます▼
表紙の艶かしい雰囲気からの緊 縛プレイに一瞬んっ?と身構えましたが、SMハードプレイメインの話ではないのでご安心ください。
非常に繊細なタッチで麗しき人物の、脆い部分や欲に溺れていく妖艶な姿が、当時の時代背景や文学などレトロな題材と共に非常にマッチしていて、一気にそちらの世界に誘われました!!
筆を絶った売れっ子小説家 干塚と元々干塚の小説のファンだった霧島が住み込みの弟子として申し出し、身の回りのお世話をする一見微笑ましい生活を送る傍ら、蓋を開けてみたら歪な関係が見えてきて。
畳の上で乱れる着物や色気としっとりした営みは、それぞれの闇と満たされてこなかった渇きを埋める為の行為でもあり、そこで見せるギャップ萌えの塊の様な2人に心拍数が跳ね上がります!
普段は気難しい小説家として振る舞う干塚が、快楽に酔いしれる裏の顔がまたいい!新人編集者くんが、うっかり覗いてしまった情事と霧島くんの視線に捕らわれた瞬間。あの優越を含んだ瞳が忘れられません!!目は口ほどに~とは正にこのことだなぁという場面が数多くあり、そして魅せられるんですよ‥画力が凄すぎる!
また、霧島くんの若き小説家としての才能を見た干塚との陰日向の様な執筆活動に、始めこそ上手くいっていたものの、干塚燕人が称賛されればされるほど自分自身が否定されていくジレンマ。
それを力ずくでわからセッしちゃう霧島くんの攻めとしての伸び代こりゃまだまだあるぞ!!末恐ろしい16歳です。
干塚燕人を心から尊敬する一方で、憧れから愛情嫉妬混じりの執着までの変化がじわじわきてて、また干塚も自分を求めてくる霧島に居場所を見つけて、結果お互いを必要としてくれる相手と巡りあえたという安心感の中エンドを迎え、えっ?ここで終わり?凄く尻切れトンボな印象がありましたが、また1話の覗を読むとこちらが真のエンディングだなとしっくりきたんですが‥あくまで個人的解釈です(笑)
良く見たら目次も1話~5話まであるのにあえての三部構成にしてあり、いよいよ貞操帯の出番って所から、はっと冒頭に気づかされました。ありがとう貞操帯(笑)素晴らしい構成と最後まで技ありな作品でした。