キミに言えないことがある
」のレビュー

キミに言えないことがある

もふもふ枝子

自分なりの正解

ネタバレ
2025年9月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 久しぶりに再読。
以前読んだ時モヤモヤした。今回も確かにモヤモヤした。登場人物達の苦しさやどうしようもなさ表すための要素を詰め込みすぎて、作者さんの本当に表現したいことが不明瞭になっているように感じました。

厳格な父に育てられ、常に正解や正しさを求めてしまう恭介。幼馴染の佳純を好きなのに「男同士」は正しくないことだからと自分の気持ちを受け入れられず、佳純には女性と幸せになって欲しいと願っている。そして恭介に受け入れられなかった佳純は寂しさを埋めるために偶々優しくしてくれた女性と不倫している・・という展開。拗れに拗れた両片思い。
恭介の職場での様子に結構ページが割かれているが、恭介の頑張りすぎたり正解を求めてすぎたりする性格を表現するためなのだと思う。佳純の不倫も、本当に好きな人に受け入れてもらえない寂しさと自暴自棄感を表すためなのだろう。でも、それぞれのエピソードの繋がりがあまり良くなくて全体的な流れがスムーズじゃない感じがします。
もっとシンプルで良いんじゃないかな。幼馴染の切なくて苦しい両片思い。その要素だけで大正解です。
星4.4
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