レトリック
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レトリック

山田ノノノ

ラスト3ページに救われる

ネタバレ
2025年9月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 積読本から。
最近はオメガバースもDom/Subも多様性の時代。近頃 強いSub、優しいDomが描かれた作品を読むことが多かったけど、今作はある意味古典的Dom/Sub。
巨大企業グループの後継者として育てられた御門はSubであることが判明した後もその事実を周囲に隠してDomのように振る舞っている。周囲を取り巻くDom至上主義者達の態度が醜悪で、親の期待に応えるためDomであろうDomになろうと苦しむ御門が痛々しい。Domの須藤と出会ったことで「Subのままの自分を受け入れられたい」という気持ちに向き合い努力でグループの後継者としての地位を獲得していこうと決意するという展開。
本編では御門がDomであろうと苦しむ様子がほとんどだけど、欲を言えばSubの自分のままで努力する様子の方を重点的に見たかった。
描き下ろし「non rhetoric」のラストで御門がいかに大きな仕事を成し得たかが描かれていてウルッとした。この3ページがなければこの作品はもっと後味の悪いものになっていたと思う。
星4.5
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