このレビューはネタバレを含みます▼
とりわけ美しく丁寧な作画を通して作者様のダンス愛がひしひしと伝わり、何かこうピシッと背筋が伸びる感覚になりました。主軸となる社交ダンスの大きな枠組みの中に相手を思いやる誠実さやノンケ同士の恋愛の繊細さ、葛藤を乗り越え真摯に向き合う2人に最後まで夢中になり、ストーリーも申し分なく読み応えもあって本当に大好きな作品!!
ダンス講師の母を失ってから避けるように自分自身から遠ざかっていた晃介と、母の教え子だった淳との出逢い。晃介の母が自身の初恋の相手の子とあって内心穏やかではなかったであろう、淳の無意識なスキンシップ。大人の余裕からのあの反省シャワーのシーンか何度みても好きすぎる~!!
母との関係を疑ってしまった晃介だけど、母の死から立ち止まってしまった背中を優しく押してくれた淳。
更にフロアに鳴り響く音楽とシャンデリア、華やかなダンスシーンも彩られて無知な私でも空気が一変したのを感じられた見事な表現力と、晃介の高揚と静かな想いが芽生えて‥
母の大好きだった曲、晃介の胸を締め付けるワルツもいつしか淳と共に乗り越えていくんですが、そこへたどり着くまでの過程!決して端折らない!じっくりお互いの気持ちとタイミングが合うまで、慌てない慌てない一休み一休みの精神で突き詰め合うんですよ!社会人で年上な淳だからこそ、今後背負わせてしまう重みが分かってて、でも理性すっとばしてこのまま勢いでいっちゃいそうなシーンもあったりして!淳の「脱がして」に脳内大暴走!!耐えてる所にちょいちょいご褒美もあったりするので、お預けも全く苦になりませんでした(笑)
これからの将来を見据えて真剣に考えているからこそ答えは慎重になるもの。苦にはならないけど、やっぱり待ち望んでいた2人の初夜はもうっっ!言葉にならない!誰も居ない屋上で母の思い出の曲に合わせてリズムを刻むそのままの熱で、脱がされるのにシャワー後に服を来てくる律儀さや、母に嫉妬しちゃう可愛い晃介に諭す淳の変わらぬスタンス好きだなぁ。嬉しくもどこか照れちゃう様な初々しい2人に幸せを一杯分けてもらいました!!ダンスシーンの身体のバランスが素晴らしかったので、確信してましたが裸体も申し分なくエロかったです!!
墓前に結婚式さながらな誓いをたてる姿や近しい人達には真実を打ち明ける2人らしいラスト!その先も是非覗いてみたい!!