このレビューはネタバレを含みます▼
傘と傘立ての恋と言ったらあぶく先生の傘バース作品を思い出します。「放課後水入らず」は擬人化の逆の物体化 動き回る傘と傘立てだったけど、今作では意思はあるけど動かない本物の無機物です。
自分で動くことのできないままならなさ、徐々に心を通い合わせていく繊細な描写、第三者であるビニール傘の侵入・・・自然なストーリーなのに傘と傘立ての恋もしっかり描かれているし切なさも心温まる展開もある。なんだかんだ持ち主の康太がいい子だから成立する部分もあるな。意外にも感動的でウルっとします。
ラストは康太にもビニール傘にも新たな出会いの予感。
お値段の割に103ページとたっぷりあってお買い得です。めちゃめちゃオススメ!