君を見送る
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君を見送る

緒川千世

途中…

ネタバレ
2025年10月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 緒川千世先生の新作!やったね!個人的にはネタバレ無しで読んで欲しいかな…
でも、破壊と再生の人々が優しいお話でした。疲れちゃった時に読んでね。




途中、柳が末期癌とかで余命幾ばくで自暴自棄になったんか?と思ったのですが、そうじゃなくてよかった…と安心しました。

緒川千世先生の受けはエネルギッシュで身体全て使ってまるで彗星のごとく生きてるけれど、それ故、傷付きやすく蓄積してった傷が神経まで行って悲惨な目にあってしまう…そして攻めが待ってましたと至れり尽くせり介護して最後は攻めがいないと…というような光が強い分、闇も強い所が本当に大好きでねぇ…

でも今回は、大人になって疲れた攻めが、手を離してしまった受けに助け助けられる話。
読み進める内に、先生のTwitterでのご苦労されてる様子を思い出して、この話は先生自身の救済でもあるのかな…と(勝手に)思い、筆をしたためています。

作中、四季折々の風景が出てきて、心の傷が癒えるまで時間がかかるのを体現してくれてる中で、傷付いた柳に、みんな口にしないだけで優しく見守ってくれてて、それもまた、柳が生き返っていった要因でもあると思う。
東京で自分がわからなくなるくらい消費されきって壊れちゃった(マネージャーも調整してたと思うがSHUも野心があったから自分自身が気付けなかったくらいに摩耗されたんだと思う。摩耗され続けて脆く割れたというか)柳が、藍だけには唯一残ったモノを全部さらけ出して、藍も藍で大人になって諦めてたことを思い出して二人して息を吹き返す姿に安堵しました。

柳が本名で役者に復帰し、仙台に残った藍の家に「ただいま」と言って帰ってくるシーンで、心の有所を見た気がして…柳は疲れることはあっても、もう壊れることはないかな…と思いました。

あとSHUのマネージャー…すげぇ嫌な奴じゃんって思ったけど、柳の復帰作後に監督からの内オファー貰った際のなりふり構わない姿に溜飲が下がった…
みんな必死なんだな…後で藍に謝れよとは思ったけど、マネージャーにも信念があるから悪いとは思っても謝らない気がしたな…いっそマネージャーがなりふり構わず力技(意味深)で仕事とってきてる夜の部が見たいですね!!!コンプラ的に無理ですかね?!!!

私は先生の作品好きだから次回作も楽しみ!
この作品が誰かにとって救いでありますように。感謝。
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