このレビューはネタバレを含みます▼
幼馴染の大志と国良。大志は松田が好きなのだが、松田の好みのタイプが「髪の長い子」と分かり、受験に落ちるほど落ち込む。そこで国良は「髪を伸ばして松田に告白しろ」と脅し、そこから髪を伸ばす浪人時代が始まるーー。
松田を好きな大志、その大志を好きな国良。なのに大志を応援し続ける国良。この構図がなんとも切ない。
結局、最後のほうで、大志はもとから国良を好いていて、国良の気を引きたくて松田を好きだということにした的な受け取り方もできる描写になっていて、ここは解釈が難しい。でも暗示をかけ続けるとその通りになることもあるので、私としては大志は松田のことは一応好きだったと思う。
ただやっぱり国良の存在のほうが大きかったし、一緒に過ごした時間も長かったし、国良も優しかったから、松田に彼女がいると知っても大志の失恋の傷が小さかったのかな、と。
なかなか読ませる作品だったな。