兄結い
」のレビュー

兄結い

青木ガレ

弟の情念におののきながらの一気読み!

ネタバレ
2025年10月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 兄の頭蓋骨を縄で結んで背負った時に、タイトルの意味が分かり戦慄したよね。

1巻ではナギの敬虔なまでの兄への慕情と、その兄を失った悔恨と復讐心により生かされ、兄の頭骸骨(死)を文字通り背負って生きる姿。2巻では成長したナギの仲間との出会いと、御前との戦いが描かれてます。悪夢のような、世紀末のような世界観が、終始気持ち悪くて狂ってて最高でした。御前との最終決戦で、ナギと御前の共通点と御前とヨダカとの関係性が明かされ「あゝそうだったのか」と謎が霧消するような爽快感があり、同時に【兄結い】というタイトルには、兄が結んだ人の縁を、弟が再び結び直す、という意味合いもあるのかもしれないと思いました。

BL要素が薄いのですが、その薄いBL要素を補って余りある兄弟禁忌、カニバリズム、骨キス、巨根信仰など、マニアック好き変態(私)には心くすぐられる要素が随所に散りばめられてて面白かった。そしてもしナギとトガのその後が描かれるなら、BL展開もなきにしもあらずではないのか…というBL読み(私)のかすかな希望と余韻を感じられるのも良きです。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!