このレビューはネタバレを含みます▼
タイトル通りBLの王道とは真逆をいく、主人公二人がなかなか恋に落ちてくれない物語です。
でも、しっかりBLしているのでご安心ください!
ストーリーは…
幼馴染みでもあり親友でもあり同居人でもある、周防と柿谷。
柿谷はずっと周防のことが好きだったが、はっきり気持ちを伝えないままずるずる時を過ごしてきてしまった。
周防は、柿谷の気持ちに気付きながらも、今の居心地の良い関係を崩したくなくて、気付かないフリをしている。
そうやって何事も起こらない同居生活を続けてきた二人ですが、同居6年目にして大きな転機が訪れます。
切っ掛けは、柿谷の職場の先輩である戸和田のおせっかい。
過去の自分を悔やんでいる戸和田は、可愛い後輩である柿谷に自分と同じ道を歩んでほしくなくて、あれこれ引っ掻き回してくれます。
しかし、そのことが二人を良い方向へ向かわせるどころか、二人は別居することに。
相手と距離を置いたことで、否が応でも自分の気持ちと向き合うことになった、周防と柿谷。
こじれにこじれた二人は、果たしてどうなってしまうのか…
というお話です。
「長すぎた春」ならぬ「長すぎた友人関係」。
本作品では、周防と柿谷だけでなく、戸和田と潤一、佐久間と御園も、一方が相手に恋心を抱いた時期があります。
しかし、その二組の場合は恋が成就することなく、時の流れと共にいつの間にかその恋心は霧散して、純粋な「友人関係」へと落ちつきました。
自分を好きな相手といるのは居心地がいい。
多少のわがままを許してもらえるし、一度逃げても戻れば相手は受け入れてくれる。
まさに「惚れた弱み」ってやつですね。
でも、そんなイビツな関係が長続きするはずもなく、相手が我慢の限界を迎えて愛想をつかしたら終わりな訳です。
そして相手に去られてから、自分がいかに相手の好意を踏みにじる酷いことをしてきたか、相手の好意に図々しく甘えていたかを思い知る。
そんな関係を柿谷は小説に落とし込み、それを読んだ御園が「これは自分の話だ」と言ったように、『アンチロマンス』は、読者それぞれの「恋になり切れなかった友情」を喚起し、まさに「自分の物語だ」と思わせてくれるのです。
本作品にはひとつ注意点が…
幼馴染みで親友だった二人は、ラブシーンにおいても対等です。なので、リバが地雷の方はご留意ください。