このレビューはネタバレを含みます▼
夢をあきらめていた男とDKの恋物語 185頁 星☆3.8 (読みホで読めると喜んで、じつは本棚にいた(笑)
アラサー・古賀栄輔(こが えいすけ)はボロアパートと自分を重ねながら過ごしている。窓からの桜の景色は新築戸建てに奪われてしまう。その家に越してきたのは理想的な家族。そのひとりがクールで清潔そうな高校生・永島櫂(ながしま かい)だった。
築古のアパートへ立ち寄っては時間をつぶす高校生。古賀はヒゲがはえて髪の手入れもせずにいる年上の大人。大人ぶっていながら子供のよう。でも、どこか自然体。そして写真がうまい。櫂は写真を眺めたり部屋で寝っ転がったりと恋人のようだ。そして距離をつめすぎて出禁になる。あきらめきれずにアパート前へいく姿に恋の苦しさが伝わってくる。
どうにもモテそうな櫂。しかし、好きな人以外は眼中にない。ふたりでいる時間があれば他はどうでもいい感じ。そんな熱い櫂のエネルギーが栄輔のあきらめていた夢に降り注がれて、目をさます。
この物語に派手さはない。年の差より、好きな人と一緒にいる楽しさが描きこまれた春風のような作品。