このレビューはネタバレを含みます▼
同性愛者でいつもセ○レにお金を払って性欲を満たしている青柳と、同じ会社のエリート王子様浅桐のお話。
かわいらしくほんわかした絵柄で誤魔化されていますが、あらすじだけ追うと結構精神的に来るストーリーとなっています。
いや、この話にはこの絵じゃなければ正直私は耐えられなかったかもしれません(笑)
青柳くん、モノローグでものんびり穏やかな部分が多かったし、実際の展開も最初は穏やかだったから騙されそうになりましたが、事実だけ見てみると結構悲し過ぎる人生を歩んできています。
心がとても強いのか、もう何もかも諦めているのか…。
恋なんて夢物語で、出社時にビルの入り口からエレベーターの降り口までの浅桐との束の間の逢瀬(待ち伏せ?)を楽しみにしているレベル。
可愛く軽く描かれているけれどね。後の青柳くんの話を読んでからもう一度このシーンを読むと一転。
本当に切なくて泣けてしまいます。
上巻では正直恋愛の「れ」の字もほとんどないレベルで癒しの場面が多い作品でしたが、下巻は一気にシリアスモードへ。
結果的に浅桐さんを襲ってしまった形になってしまったことを後悔する青柳くん…。
即座に謝罪、慰謝料という思考に至ってしまう今までの経験に思いを馳せてしまいます。
作中には登場していませんでしたが、こういうことが今までにもあったのかな? と思うと切ない。
半額の栗のテリーヌではなく、和栗のテリーヌ(1万円!)を選ぶところが地味に心に来ました。
一方の浅桐さん。
彼の方もモノローグである程度予想していた通りではありましたが、辛い過去が…。
2人のすれ違いを見事にまとめてくれた超ファインプレーの兄が、キャラクターの面白さ含めて良かったです!
彼がいなければ、拗れに拗れて話が終わらなくなるところでした(笑)
登場シーンは短かったし、ちょっとご都合主義気味ではありましたが爪痕しっかり。
兄に貸したTシャツの柄(イカ)まで最高でした。後ろでは料理されているのを見て、めちゃくちゃ欲しくなったわw
兄のおかげで無事両想いとなり、退職届も返却され(されるものなんだ…)、ラブラブ円満エンドかと思いきや、最後にまたまた部屋が汚部屋化しつつあったところでひと笑い。
テーマだけ見ると本当に重いものでしたが、ホッコリ明るく軽やかに仕上げてくれたのが素晴らしかったです。
読んで良かった作品。おすすめです。