愛の巣へ還れ!【イラスト入り】
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愛の巣へ還れ!【イラスト入り】

樋口美沙緒/街子マドカ

シリーズ最後の作品。本当の幸せとは何か。

ネタバレ
2026年7月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ シリーズ1作品目『愛の巣へ落ちろ!』の二人の息子・翔と、フジミドリシジミ蝶で性モザイクの千翠のお話。
ある事件がきっかけで性モザイクの治療がうまくいかなくなり、以前よりもずっと弱く生きづらくなってしまった千翠が、“生きるとは何か”“幸せとは何か”を考えるうえで、フランクルの『夜と霧』での考え方、言葉が出てきたのには強く胸を撃ちました。
“絶望の中にあっても、人は生きる意味を見出すことができる。”
このシリーズを通しても、深く共感できるテーマだな、と。

翔はお父さんとお母さんの良いところを綺麗に半分ずつもらったんだな〜。心底優しくて強くて、自分の意志を曲げない頑なさもあれば、柔軟にいろいろと対応していくしなやかさもある。
千翠は辛く悲しい過去を背負いつつ、ときには無力感に苛まれたり、生きている意味を問うほどさまざまな要因で精神的に追い詰められたりもするけれど、とても芯の強い人です。生きてきただけで、本当に偉い。
生きていくうえで避けては通れない“死”が、この二人にとっては決して遠い存在ではなく、目を逸らすことができない距離にあること。喪うことは怖いし、遠ざけてしまいたくなるけれど、それでも向き合うこと。向き合って、一緒に過ごせる時間を大切にして、心底愛し、愛されること。本当の幸せが、これからもできるだけ、二人やすべての登場人物に降り注ぐことを祈ります。

そして、あらためてシリーズ最後の作品の刊行、本当にありがとうございました。長い年月、お疲れさまでした。
先生のあとがきを読んで、もしかしたらいつの日にかまた会える日がくるかもしれない。そんな幸せな日が来るといいなと願いつつ、このシリーズに出会えたことに感謝します。素敵なお話たちをありがとうございました。
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