勇者パーティの一員として10年の冒険の果てに魔王を倒したエルフの後日談。
物語は魔王を倒した後から始まります。
ファンタジーをあまり読まない人がいるかもなので前提を書くと、エルフは寿命が1000年を越えるとされています。
なので、10
年といっても人間にとっては結構な月日だけど、エルフにとっては「たった」10年になります。
他の勇者などのパーティメンバーが年を取ってもエルフは10分の1程度の感覚でしか年を取りません。
そんな感じで今まで気にしなかったエルフは長寿という特色を上手く生かした、人とエルフの時間軸のズレ、感覚のズレを描いた物語です。
この作品、ジャンルはSFファンタジーで冒険もありますが、加えて私は「ヒューマン」でもあると思います。
ちょっと面白いですよね、ジャンル「ヒューマン」で「エルフ」の話って。
そんなズレが織りなす物語、セリフがなくて絵だけで話が進む場面が多くあります。
なのに、台詞浮かぶし表情で感情わかるし凄い。想像も広がるし楽しい。
ただ、少しだけ哀しいところもある漫画なので落ち込んだ時とかには読むの向いてないかもしれません。それでも笑顔にもなれる漫画なので元気をもらえる面もあります。
2020年のmy漫画大賞です。
私は異世界除けばこの雰囲気(素敵)のジャンルはまぁダメで、大抵読み続けられないけど、この作品はバランス良いんですよね。良い話過ぎず照れ隠しのようにネタをばら撒いてあってクスッとさせる。
泣ける話なはずなのに笑顔で前を向かせてくれる。
原作者と絵師さんもフィットしてるように思います。
ゆっくりじっくり読みかえすと色んな発見があって楽しいですね。
なので、1番向いてる読者はエルフだったりして。
漫画大賞2021受賞おめでとうございます。
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